運動中に痛みを感じた場合、続けるべきか、それともやめるべきでしょうか?「良い筋肉痛」と「悪い痛み」をどのように区別しますか?

Alberto MBA.
Alberto MBA.
Experienced male Pilates trainer, focusing on core strength.

はい、ご質問いただいた内容は、特にピラティスを始めたばかりの方を含め、真剣にトレーニングを始めた多くの人が抱く最大の疑問ですね。正直、これを見分けられないと、自分を傷つけてしまうか、恐怖心から一歩踏み出せなくなる可能性があります。

私の経験から言えば、そこまで複雑ではありません。一つの大切な原則を覚えておいてください:運動中に鋭い痛み「ズキッ」という痛みを感じたら、その時点で必ずやめる! 無理は禁物です。

ここからは、自分の体の声を聴く「賢い」トレーニング方法をお伝えしましょう。


「良い筋肉痛」と「悪い痛み」の見分け方

これらを2種類の「メッセンジャー」と考えてみましょう:

1. 「良い筋肉痛」 - 筋肉の「成長の証」

正式には**遅発性筋肉痛(DOMS)**といいます。筋肉が「ねえ、昨日のトレーニングは効果的だったよ、強くなってる最中なんだ!」と伝えているような感覚です。

特徴は以下の通りです:

  • いつ現れる? 運動中ではなく、運動後の12時間から48時間後、ピークは72時間後になることも。例えば月曜に脚のトレーニングをすると、火曜や水曜の朝、酷い筋肉痛で階段が降りるのにも壁に手を添えないとつらい、という状態になります。
  • どんな感じ? 広がっていくような、鈍い、筋肉が張っているような感覚です。太もも全面全体やお尻全体といった、筋肉の広い範囲が痛む感じで、特定の「点」が痛むわけではありません。
  • 動くとどうなる? 動き始めはこわばりや筋肉痛を感じますが、少しウォームアップしたり歩いたりしているうちに、この感覚が和らぐ場合があるのが特徴です。
  • 対処法: これは良いサインです!筋肉が効果的に刺激された証拠。軽いストレッチ、散歩、フォームローラーでのケア、温浴などで改善できます。次回も継続してトレーニングは可能ですが、痛みが強い場合は、その部位を休めて他の部位を鍛えると良いでしょう。

2. 「悪い痛み」 - 身体からの「赤色警報」

これは体が「やめて!すぐにやめて!ここがダメになっている!」と悲鳴を上げている状態です。通常はケガのサインであり、絶対に無視してはいけません。

特徴は鮮明です:

  • いつ現れる? ほぼ運動中に突然起こります。ある動作の最中、針で刺されたかのように急に特定の部位が痛みます。
  • どんな感じ? 鋭い、刺すような、焼けるような、引き裂かれるような痛み、またはしびれを伴うことも。前述した「広い範囲」の筋肉の張りとは全く異なります。
  • どこが痛む? 痛みは非常に特定されやすく、痛い「点」をはっきり指摘できることが多いです。特に関節周辺(手首、ひざ、足首、肩、腰)の痛みには警戒が必要です。
  • 動くとどうなる? 軽くならず、動かすとむしろ痛みが増す、再現される、悪化するという特徴があります。
  • 伴いやすい現象: 「ポキッ」、クリック音のような異音、関節の不安定感、動きの制限、早期の腫れや熱感などが生じる可能性があります。
  • 対処法: 直ちに中断! その痛みを引き起こした動作や同様の動作は一切行わないでください。痛みを確実に誘発する「悪い痛み」の動作を認識し、状況に応じて直ちにRICE処置を行いましょう:
    • R (Rest - 安静): 運動をやめ、患部を休める。
    • I (Ice - 冷却): バスタオルで包んだ氷嚢(アイスパック)や冷水で痛む箇所を15~20分冷やす。
    • C (Compression - 圧迫): 腫れがある場合、弾性包帯で患部を適度に圧迫する。
    • E (Elevation - 挙上): ケガをした部位を心臓より高く上げる。例えば足首のケガで足を椅子などに乗せて休む。

痛みがひどかったり、数日経っても改善しない場合は、必ず医師や理学療法士の診察を受けてください。自己判断は禁物です。

ピラティス実践者へのアドバイス

ピラティスは「コントロール」と「精密さ」が強調されるエクササイズです。ピラティス中に「悪い痛み」が生じる場合、大抵以下の原因があります:

  1. フォームが間違っている: 例えば腹筋を使う動作で、お腹ではなく腰や首に激しく痛みを感じるなら、体幹が使えておらず、腰や首で**代償動作(だいしょうどうさ)**を行っている可能性が高いです。
  2. 現在の可動域やコントロール能力の限界を超えている: 柔軟性が求められる動作で無理に伸ばそうとすると、靭帯や筋肉を傷める恐れがあります。

ピラティスのクラスでは:

  • 「悪い痛み」を感じたら、すぐにインストラクターに伝えましょう。 良いインストラクターなら、フォームを修正したり、難易度を下げた代替エクササイズを提案してくれます。
  • 「どこの筋肉に効いているか」を意識する: インストラクターが「これはお尻の筋肉を使います」と言えば、本当にお尻が使えているのか、そこに筋肉痛のような張りを感じているかを確認しましょう。そうでない場合、または他の部位で鋭い痛みがあれば、すぐに相談してください。

まとめ

特徴「良い筋肉痛」 (DOMS)「悪い痛み」 (ケガ)
いつ感じる?運動開始後 12~72 時間運動中、突然
感覚の種類?拡散する、筋肉全体に広がる、だるい、重い、少しピリピリ鋭い、刺すような、焼けるような、限られた一点が痛む
部位?大筋群 (太もも、お尻、背中)関節、靭帯、特定の小さな点
動いたとき?軽く動かすとむしろ軽くなることがある動かすと更に痛みが増す、同じ動作が再現できない
対応は?いいね、順調! 軽いストレッチでケア、継続OK直ちにストップ! RICE処置をし、必要ならすぐに医療機関へ

フィットネスは体をもっと健康にするためであって、体と戦うためではありません。どんな高度な動きをできるようになるよりもまず大切なのは、自分の体が発する信号に耳を傾けられるようになることです。

安全で効果的なトレーニングをお祈りしています!お大事に!