Arthur Smith
Arthur Smith
Infectious disease nurse specialist.
ご家族に流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の患者さんが出ても、慌てないでください。この病気は感染性がありますが、ご家庭で適切にケアすれば、ほとんどの場合、1~2週間で治まります。以下に、重要な注意事項をまとめましたので、お役に立てれば幸いです。
流行性耳下腺炎の自宅ケア、これだけ覚えておけば大丈夫!
1. 最も重要なこと:隔離!隔離!隔離!
流行性耳下腺炎は、唾液や咳、くしゃみによる飛沫感染で広がり、非常に感染力が強いです。
- 期間:頬の腫れが出る数日前から、腫れが完全に引くまで感染性があります。そのため、診断された時点から、耳下腺の腫れが完全に引くまで(約2~3週間)隔離することが望ましいです。
- 空間:患者さんには個室で過ごしてもらい、換気を良くしてください。食器、タオル、歯ブラシなどは家族と分け、使用後は毎回熱湯消毒または煮沸消毒することをお勧めします。
- 接触:他のご家族、特に流行性耳下腺炎にかかったことがない方やワクチン接種をしていない方は、患者さんとの密接な接触をできるだけ避けてください。介護する方はマスクを着用することをお勧めします。
2. 食事には注意を、口に負担をかけないように
頬が腫れて痛むため、口を開けたり物を噛んだりするのが大変です。そのため、食事には特に注意が必要です。
- 【禁忌】:酸っぱいもの、辛いもの、甘いもの、硬いものは避けてください! 例えば、みかん、サンザシ、酢、唐辛子、揚げ物、ナッツ類などです。これらは耳下腺を刺激して唾液の分泌を促し、痛みを悪化させます。
- 【推奨】:温かく、あっさりしていて、柔らかく、飲み込みやすい流動食または半流動食を選んでください。例えば:
- おかゆ、柔らかく煮た麺、葛湯
- 茶碗蒸し、柔らかい豆腐、野菜のピューレ、肉のピューレ
- 冷ましたスープ
- 水分補給:温かい水をたくさん飲み、口腔内を潤し、体内のデトックスにも役立ててください。
3. 休息が一番の薬、不快感を和らげるコツ
- 安静に過ごす:患者さんにはしっかり横になって休み、活動を控えてもらいましょう。体が十分に休むことで抵抗力が高まり、病気の回復が早まります。
- 発熱への対処:発熱はよくある症状です。体温が38.5℃を超えない場合は、水分を多く摂り、温かいタオルで体を拭くなどして物理的に体温を下げることができます。それ以上になった場合は、医師の指示のもと、解熱剤(イブプロフェンなど)を使用してください。
- 痛みの緩和:頬の腫れや痛みがひどい場合は、タオルで包んだ氷嚢で冷湿布をしてください。1回10~15分、1日に数回行うと、痛みと腫れを効果的に軽減できます。温湿布は腫れを悪化させるので避けてください!
4. 口腔衛生を保ち、「二次感染」を防ぐ
口が痛くて歯磨きをしたくないかもしれませんが、口腔内の清潔は非常に重要です。
- 食後と寝る前には毎回、温かい塩水でうがいをしてください。
- これにより、食べかすを洗い流し、細菌の増殖を抑え、口の中に元々いる細菌が悪さをしないようにして、口腔内の他の感染症を防ぐことができます。
5. 病状を注意深く観察し、合併症に警戒する
ほとんどの流行性耳下腺炎は自然治癒する病気ですが、以下の「危険な兆候」がないか注意深く観察し、もし現れた場合はすぐに病院に行ってください:
- 高熱が続く。
- 激しい頭痛、嘔吐、首の硬直、意識の低下(髄膜炎に警戒)。
- 激しい腹痛(膵炎に警戒)。
- 男の子が「おちんちん」(睾丸)が赤く腫れて痛いと訴える場合、女の子が下腹部が痛いと訴える場合(卵巣炎に警戒)。
要するに、流行性耳下腺炎にかかったら、「食事に気をつけ、安静にし(動き回らないようにさせ)、水分を多く摂り、こまめに観察する」ことが重要です。適切なケアを行い、辛抱強く待てば、体はすぐに回復するでしょう!