BMS(牛肉の霜降り基準)とは何ですか?肉質等級との関係は?
ねえ、君!牛肉、特に和牛の話になると、BMSって言葉をよく耳にするよね。専門用語に構えなくていいんだ、実はすごくシンプルなんだよ。さあ、説明しよう。
BMSって何?簡単に言うと、牛肉の「霜降り」を評価する基準
最高級の和牛を想像してみて。赤身の中に、雪のように白い脂肪が細かく均等に入っているあの模様、わかるよね?あれが「マーブリング」、日本語で「霜降り」だ。
BMS(Beef Marbling Standard)、日本語では 「牛肉脂肪交雑基準」 と呼ばれる。
これは、その「霜降り」がどれだけ美しく、どれだけ細かく密集しているかを測る専用の物差しだと思ってくれ。この物差しには12段階の目盛りがあって、No.1からNo.12まである。
- BMS No.1:ほぼ赤身の塊で、脂肪の模様はほとんど見られない。
- BMS No.12:これはもう、芸術品だ!脂肪が細かな雪のように均等に肉の中に散りばめられ、赤と白のコントラストが息をのむほど美しい。
一言でまとめると:BMSの数値が高いほど、牛肉の霜降りはより豊富で、より細かく、より均等に分布していることを意味する。 これは通常、肉の食感がより柔らかく、よりジューシーで、風味がより芳醇であることも意味する。
(ここに、左から右へBMS No.1からNo.12までの牛肉断面図を想像してほしい。左は赤身が多く、右に行くほど霜降りが増えていく)
BMSとよく聞く「A5和牛」はどう関係するの?
ここが重要ポイント!多くの人がBMSとA5のような等級を混同しがちだ。実は、BMSは最終的な肉質等級を決定する最も重要な指標の一つなんだ。
日本の牛肉格付けシステムは非常に厳格で、牛肉の最終的な等級、例えば「A5」は、2つの部分で構成されている:
-
アルファベット部分(A, B, C):これは 「歩留等級」 (Yield Grade) と呼ばれる。
- 簡単に言うと、その牛からどれだけ「良い肉がたくさん取れるか」だ。格付け員は、1頭の牛から高級部位がどれだけの割合で取れるかを評価する。
- A = 歩留まりが良い(良質な肉がたくさん取れる、最高!)
- B = 標準
- C = 歩留まりが低い
-
数字部分(1, 2, 3, 4, 5):これは 「肉質等級」 (Quality Grade) と呼ばれる。
- これは肉の美味しさを評価する核心部分。この数字は4つの基準を総合的に評価し、その中で最も低い評価が最終的な等級となる。
- その4つの基準とは:
- 脂肪交雑(BMS):上で説明した霜降り模様。これが最も重要!
- 肉の色沢(BCS:Beef Color Standard):鮮やかな桜色(チェリーレッド)かどうか。
- 肉の締まりとキメ:肉がしっかり締まって弾力があり、肉の繊維(キメ)が細かいかどうか。
- 脂肪の色沢と質(BFS:Beef Fat Standard):脂肪が純白または淡いクリーム色で、光沢があるかどうか。
ここが肝心:BMSはどうやってあの数字(肉質等級)を決めるのか?
肉質等級の数字(1-5)とBMSスコアの対応関係は以下の通り:
肉質等級 (Quality Grade) | 対応するBMSスコア (No.) | 説明 |
---|---|---|
5 (Excellent) | 8 - 12 | 極めて良い |
4 (Good) | 5 - 7 | 良い |
3 (Average) | 3 - 4 | 標準 |
2 (Below Average) | 2 | やや劣る |
1 (Poor) | 1 | 劣る |
例として、「A5和牛」という称号を分解してみよう:
- 「A」 は、その牛の歩留まりが非常に良い(高収量)ことを意味する。
- 「5」 は、その肉質が最高等級であることを意味する。この「5」を獲得するには、BMSスコアが8~12の間にあることが必須で、さらに!肉の色沢、締まり・キメ、脂肪の色沢という他の3つの項目の評価もすべて最高点の5点を取らなければならない。
まとめ
こう理解するとわかりやすい:
- BMS は、牛肉の「霜降り」という一科目だけの試験の点数みたいなもの。
- 肉質等級(1-5) は、「霜降り」、「肉の色」、「締まり・キメ」、「脂肪の色」という4科目の総合評価(総合成績)。
- 最終等級(例:A5) は、「歩留まり」(アルファベットA/B/C)と「肉質の総合成績」(数字1-5)を組み合わせた最終的な総合評価(卒業証書のようなもの)。
だから、次に「BMS 11」と表示された牛肉を見かけたら、その霜降り模様はほぼ頂点に達しているんだな、とわかる。もしそれが同時に「A5」と評価されていれば、霜降りが完璧なだけでなく、歩留まり、肉の色など、他の全ての面でも非の打ち所のない王者であることを意味するんだ。
この説明で、次に食事を注文したりお肉を買ったりする時、もっと自信を持って選べるようになるといいな!