タロットを心理学と併用することはできますか?

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修平 英樹
修平 英樹

もちろん可能ですし、これは実は非常によくある使い方で、多くの人がタロットカードをこのように使う方がより意味があると感じています。

このように理解してください。タロットカードは、様々な「人生のシナリオ」が描かれた小さなカードのセットのようなものです。一枚一枚のカード、例えば「愚者」「塔」「恋人」などは、ある状態、ある感情、ある挑戦、あるいはある役割を表しています。

何かに行き詰まり、心が乱れているとき、一枚カードを引くことは、まるで物語のページをランダムに開くようなものです。そのカードに描かれた絵柄とそれが象徴する意味が、突然「ピン」と来て、今の自分の状況と結びつくかもしれません。

では、これが心理学とどのように結びつくのでしょうか?

  1. それはあなたの潜在意識を映す鏡です:多くの場合、私たちは答えを知らないのではなく、様々な感情や不安によって思考が覆い隠されているだけです。タロットカードは友人のように、突然絵を見せて「ねえ、これを見て何を思った?」と問いかけます。例えば、ソードの3(3本の剣が心臓に刺さっている絵)を引いたとき、あなたはまず「痛い」と感じるかもしれません。そして、その感覚をたどって、「一体何に対して心が痛むのだろう?口に出せなかった失望か、それとも抑圧された不満か?」と考えるでしょう。ほら、カードは未来を教えてくれるのではなく、感情の突破口を見つけ、自分自身の内面と対話する手助けをしてくれるのです。

  2. ユング心理学の応用:心理学の大家ユングは「元型(アーキタイプ)」と「共時性(シンクロニシティ)」という概念を提唱しましたが、これはタロットカードとまさに完璧な組み合わせです。

    • 元型(Archetype):タロットカードに登場する人物、例えば皇帝、女帝、女教皇などは、実は私たちの文化に共通する「父」「母」「教師」といったイメージの元型です。これらのカードを引いたとき、それはあなたがこれらの元型的な人物との関係を探求したり、あなた自身がこれらの元型の特性を示しているかどうかを考える手助けとなります。
    • 共時性(Synchronicity):簡単に言えば「意味のある偶然の一致」です。あなたがちょうどこのタイミングで、この問題を抱えてこのカードを引いたとき、そのカードの意味とあなたの内面状態が共鳴する。これは何か神秘的な力が仕組んだものではなく、この「偶然」自体が非常に示唆に富んでおり、立ち止まってその偶然の背後にある意味を考えるきっかけを与えてくれるのです。

例を挙げましょう:

もしあなたが今の仕事に迷いを感じていて、辞めるべきかどうか分からないとしましょう。

  • もし占いの道具としてだけ見るなら:「死神」のカードを引いて、びっくりして「もうダメだ、失業する!」と思うかもしれません。
  • もし心理学と組み合わせて見るなら:「死神」のカードを「ある段階の完全な終わりと、新しい段階の始まり」と理解するでしょう。それはあなたが失業することを予言しているのではなく、「あなたは心の奥底で、今の仕事の状態がすでに『死んでいる』と感じていませんか?あなたは完全な決着と全く新しい始まりを望んでいませんか?」と問いかけているのです。このカードは、「終わり」という事実に直面し、どのような「再生」を迎えたいかを考えるよう促しています。

ですから、タロットカードと心理学が結びつくと、それはもはや未来を予測するツールではなく、自己探求を助け、思考を整理し、自分の内なる真の気持ちを明確にするパートナーとなります。それはあなたに標準的な答えを与えるのではなく、自分自身をよりよく理解するための「視点」を与えてくれるのです。

雪梅 徐
雪梅 徐
Oracle card reader and intuitive guide.

もちろんです、そしてそれらはまさに最高の組み合わせです!多くの人がタロットカードについて誤解しており、単なる占い師の「インチキ」道具だと思っていますが、実は心理学的な観点から見ると、自己探求とコミュニケーションのための非常に素晴らしい媒体なのです。

タロットカードを鏡、あるいは象徴的な意味に満ちた「心理的な絵」のセットだと想像してみてください。それ自体に神秘的な力があるわけではなく、本当の力は、それが私たちの内なる思考や感情をどのように引き出すかにあります。

この背景で最もよく言及されるのが、ユング心理学です。これを分かりやすく説明しましょう。

1. 潜在意識の「翻訳機」

ユングは、私たち一人ひとりが意識と個人的な潜在意識を持っているだけでなく、さらに深い「集合的無意識」を持っていると考えました。簡単に言えば、人類が長い発展の過程で共通して蓄積してきた経験、感情、イメージの原型のことです。例えば、「英雄」「賢者」「母親」といったイメージは、文化的な背景に関わらず、誰の頭の中にも大まかな印象があるでしょう。これが「元型」(Archetype)です。

タロットカードの78枚、特に22枚の大アルカナカード(愚者、魔術師、女帝、塔など)は、これらの「元型」に完璧に対応しています。それらは人生の旅で遭遇する様々な典型的な役割、挑戦、状態を描写しています。

ですから、「隠者」のカードを引いたとき、あなたはランプを持った老人を見るだけではありません。このカードのイメージは、あなたの集合的無意識の中にある「孤独な探求」「内なる知恵の探求」「一時的に人混みから離れる」といった共通の記憶に触れます。そして、あなたは無意識のうちに「最近、私も一人になる時間が必要なのではないか?」「私は心の中でどんな答えを求めているのだろう?」と考え始めるでしょう。

見てください、これは未来を「予測」しているのではなく、あなたの現在の潜在意識の状態とニーズを「翻訳」しているのです。

2. 「投影」の絶好のツール

心理学には「投影」(Projection)という言葉があります。これは、私たちが自分の考え、感情、願望、さらには自分自身も意識していないものを、無意識のうちに他人や他のものに当てはめてしまうことを意味します。

タロットカードのイメージはしばしば中立的で、多重に解釈できる象徴に満ちています。例えば「カップの3」のカードを見て、三人が乾杯して祝っているのを見たとき、ある人は友人との楽しい集まりを連想し、温かさや喜びを感じるかもしれません。一方、友人に裏切られたばかりの人は、偽りの友情や表面的な調和を見て、皮肉や悲しみを感じるかもしれません。

お分かりでしょうか?カードは同じ一枚ですが、人それぞれの解釈は全く異なります。この解釈こそが、あなたの内なる世界の投影なのです。「なぜこのカードをそのように見るのか?」という議論を通じて、心理カウンセラーやタロットリーダーは、あなたが自分自身の内なる真の考えや抑圧された感情に気づくよう導くことができます。それは非常に安全な対話の出発点となるのです。

では、これは占いとどう違うのでしょうか?

  • 伝統的な占いは、あなたに「固定された」答えを与え、「何が起こるか」を告げる傾向があります。これは人々を受動的にさせ、ただ運命の宣告を待つだけになりがちです。
  • 心理学と組み合わせてタロットを使用する場合、焦点はあなたが「正しい」問いを立てるのを助け、内側を見るように導くことにあります。それは「このカードはあなたの現在のどのような状況を反映していますか?」「この状況に直面して、あなたはどのようなリソース(次のカード)を利用できますか?」「あなたが本当に望む結果(さらに次のカード)はどのようなものですか?」と問いかけます。

それは焦点を「未来はどうなるか」から「は今どうできるか」へと引き戻し、個人の洞察と主観的な能動性を強調します。

要するに、タロットカードは心理カウンセリングや個人の成長において、素晴らしい「アイスブレーカー」や「触媒」の役割を果たすことができます。それは私たちの脳の理性的な防御を迂回し、イメージと象徴を使って直接私たちの潜在意識と対話し、私たちが自分自身をよりよく理解し、問題の核心を発見し、前進する力を見つけるのを助けます。それはあなたに終着点がどこにあるかを教えるのではなく、あなたの内なる世界の地図を手渡し、あなたがどこへ向かうかを自分で決めることを促すのです。