タロットカードで「悪いカード」が出た場合、それは必ずしも悪い意味合いなのでしょうか?

修平 英樹
修平 英樹

もちろん違います!これはタロットカードをプレイする上で最も一般的で、最大の誤解と言えるでしょう。

タロットカードを始めたばかりの頃、タワー、死神、悪魔といったカードを引くたびに、心臓がドキッとして、まるで世界が終わるかのように感じたものです。しかし、長くプレイしていると、タロットカードには絶対的な「良いカード」も「悪いカード」も存在しないことに気づくでしょう。それらはむしろ鏡のようなものであり、あるいはあなたに真実を語ってくれる友人のようなものです。

これらのいわゆる「悪いカード」を別の視点から見てみましょう。

  • 死神(Death): このカードが文字通りの死を意味することはほとんどありません。それは「終わり」を告げています。関係の終わり、仕事の終わり、古い習慣や考え方の終わり。終わりのプロセスは苦痛を伴うかもしれませんが、それは同時に新しい始まりを意味し、あなたの人生に、よりふさわしいものを受け入れるためのスペースを作り出します。古いものを手放さなければ、新しいものはやってきませんよね?

  • 高塔(The Tower): このカードは、稲妻、崩壊、落下といった恐ろしいイメージです。通常、それは突然の、破壊的な変化を表します。例えば、あなたがずっと信じていたことが突然間違いだと証明されたり、安定した生活が予期せぬ出来事によって打ち破られたりするようなことです。もちろん、これは辛いことですが、タワーの意味は「破壊と再構築」にあります。それは、もともと不安定で、偽りであり、あなたの成長を妨げていたものを破壊し、より真実で強固な基盤の上で再出発する機会を与えてくれるのです。

  • 悪魔(The Devil): このカードは、あなたが悪魔に取り憑かれているという意味ではありません。むしろ、あなたの内なる「束縛」を指し示しています。例えば、不健全な依存関係、物質的な中毒、あるいはあなたを閉じ込めているネガティブな思考パターンなどです。悪魔のカードが出たことは、実は良い知らせなのです。それはあなたにこう警告しています。「おい、お前はこれらのものに縛られているが、その鎖が見えるか?実はそれほど強固ではないし、鍵は君の手の中にあるんだ。」それはあなたが問題の所在を明確にし、そこから抜け出す力を得ることを助けます。

  • ソードの10(Ten of Swords): カードには、背中に10本の剣が刺さった人が描かれており、見るに堪えません。しかし、考えてみてください、10本も刺さっているのに、これ以上悪くなることがあるでしょうか?これはまさに「苦痛の頂点」と「終わり」を表しています。事態は最悪の状況に達しており、これ以上悪くなることはなく、今後は良い方向へ向かうしかありません。それは夜明け前の最も暗い時間のように、最も困難な段階がもうすぐ終わることを告げているのです。

ですから、見ての通り、これらのいわゆる「悪いカード」は、実はタロットカードの中で非常に力強く、価値のあるカードなのです。それらは車のダッシュボードにある警告灯のように、どこかに注意が必要で、修理が必要だと教えてくれます。それらはあなたを呪っているのではなく、警告機会を与えているのです。

太陽や星といった、一見すると素晴らしいカードに比べて、これらの「悪いカード」は、私たちに反省を促し、変化を促し、成長を促す力があります。それらを引いたとき、あなたは自分自身に問いかけることができます。

  • 私の人生で手放すべきものがあるのではないか?(死神)
  • 私の人生は何か不安定な基盤の上に築かれているのではないか?(高塔)
  • 何かに囚われて、前に進めないのではないか?(悪魔)
  • 私は失敗を認め、そして立ち上がる必要があるのではないか?(ソードの10)

要するに、それらを恐れる必要はありません。タロットカードはあなたに判決を下す裁判官ではなく、ガイドです。それはあなたの現在の状況で最も見られるべき部分を、象徴的な方法で示しているだけなのです。「悪いカード」を引いたということは、まさに非常に重要で正直な警告を受け取ったということであり、これは盲目的な楽観主義よりもはるかに良いことです。