わかりました、この件は実に興味深いですね。順を追って整理します。
一言でまとめると:公的機関は認めない。「スーパーフード」はマーケティング用語に過ぎない。
アメリカのFDA(食品医薬品局)であれ、EUのEFSA(欧州食品安全機関)であれ、両機関の公式文書において「スーパーフード(Superfood)」という言葉の法的定義はどこにも記載されていません。これらの機関から見れば、これは科学用語でも法的用語でもなく、特にマーケティング部門が商品を売りやすくするために作り出した、商業的な造語に過ぎないのです。
以下では、この二つの機関が具体的にどう考えているのか、詳しく見ていきましょう。
アメリカ食品医薬品局(FDA)の見解:「根拠のない宣伝は許さない。科学的証拠を示せ」
FDAは非常に厳格で、証拠のみを認める「厳格な親分(オヤブン)」のような存在だと考えてください。
- 「スーパーフード」という言葉自体は規制対象外:ブルーベリーのパッケージに「スーパーフード」と印刷しても、通常、FDAはこの表現自体で問題視することはありません。
- しかし、「過剰な宣伝」は規制する:問題なのは、「スーパーフード」という言葉を使った後で、何らかの健康効果を暗示または明示しているかどうかです。例えば、その横に「がん予防に効く」「心臓病を治す」などと書けば、FDAの取り締まり対象となります。
FDAの基本原則は、食品に関するすべての「健康強調表示(ヘルスクレーム)」——例えば「コレステロールを下げる」「心臓の健康に良い」など——は、膨大で信頼できる科学的証拠によって裏付けられ、かつFDAの厳格な審査を経なければならない、というものです。
分かりやすい例: オートミールが「栄養豊富だからスーパーフードだ」と言うことは可能です。しかし、「このオートミールを食べると心臓病のリスクを下げる」とパッケージに表示したいのであれば、FDAが定める「水溶性食物繊維と心臓病リスクに関する健康強調表示」の規定に適合し、製品中の水溶性食物繊維の含有量も基準を満たしていなければなりません。
FDAの姿勢をまとめると:「スーパーフード」と呼びたい?構わんよ。ただし、その名を借りて根拠のないことを吹聴するな。もし吹聴するなら科学的証拠を持ってこい。さもなくば消費者を誤解させていると見なすぞ。
欧州食品安全機関(EFSA)の見解:「自社の利点を主張したい?まず申請書を出せ。私が審査するまでは何も言うな」
FDAが厳格な「親分」なら、EFSAは極めて几帳面で、やや「堅物な教頭先生」のような存在といえます。欧州における食品の健康強調表示の規制は、アメリカ以上に厳しいのです。
- 「事前承認」なしには一切主張できない:EUでは、食品や飲料が健康や栄養面での何らかの利点を表示したい場合、その「利点」(つまり健康強調表示)は、まず「EU承認済み健康強調表示リスト」に登録されている必要があります。
- 「スーパーフード」という言葉は、それ自体が「特別感」を帯びており危険:「スーパーフード」という言葉そのものが、並外れた健康効果を強くほのめかすものです。したがって、製品にこの言葉を使用することは、EFSAの承認を受けていない健康強調表示をするのと同じことになります。これは許されません。
- では、企業はどうするのか?:欧州では、企業が「スーパーフード」という言葉を使いたい場合、通常、EUがすでに承認した具体的な健康強調表示を添えて補足しなければなりません。例えば、チアシードのパッケージに「スーパーフード」と書く場合、それに続けて小さな文字で「オメガ3脂肪酸を豊富に含み、正常な血液コレステロール値を維持するのに役立つ」といった一文を添える必要があるかもしれません。そして、この後段の記述こそが、EFSAに承認された標準的な表現なのです。
EFSAの姿勢をまとめると: より厳しい。「スーパーフード」という言葉自体を健康強調表示と同等とみなし、それを使用するためには公的に承認された具体的な健康強調表示による「裏付け(バックアップ)」が必須である、さもなければ違法となる、という立場です。
まとめ:なぜ規制当局はこれほど「非情」なのか?
彼らがこうした厳しい姿勢をとるのは、結局のところ、我々一般消費者を守るためなのです。
- 消費者が騙されるのを防ぐため:派手な言葉を使われて、実際はそれほど特別でもないものに高いお金を払わせられるのを防ぐため。
- 科学的根拠を重視するため:健康は遊びではありません。食品が健康を改善するという主張はすべて、市場部門の創意工夫ではなく、堅固な科学研究に基づいてなされるべきです。
- 「一つの物事に目がくらむ」ことを避けるため:特定の「スーパーフード」を過度に崇拝すると、最も重要なこと——バランスの取れた食事——を見失いがちになります。人の体に必要なすべての栄養素を単一の食品で供給することは不可能です。いわゆる「スーパーヒーロー」を盲信するよりも、栄養バランスの取れた「アベンジャーズ(チーム)」を組む方が良いのです。
ですから、次に「スーパーフード」という言葉を見かけたら、心に留めておいてください:これはおそらく優れた食品で、栄養価は高いでしょうが、万能薬のようにあらゆる病気を治すことは期待できません。健康食全体の一部として捉え、魔法の特効薬扱いしないことです。本当の「スーパー」な戦略とは、バランスの取れた、多様な食習慣なのです!