はい、この問題について分かりやすくお話ししましょう。
エイズが最初に公式に発見されたのは1981年のアメリカです
この発見の経緯は、医学界での「推理小説のような事件」と考えてみてください。
事件発生:奇妙な「集団免疫不全」の発覚
- 時期: 1981年
- 場所: アメリカ、主にロサンゼルス、ニューヨークなどの大都市。
当時、医師たちは非常に奇妙な現象に気づきました:それまで健康だった若い男性たちが、突然、非常に珍しく、非常に「厄介な」病気にかかっているというものでした。
例えば:
- カポジ肉腫 (Kaposi's Sarcoma):皮膚がんの非常に稀なタイプで、通常は高齢者や免疫力が極端に低下した人にしか見られません。
- ニューモシスチス肺炎 (PCP):これも非常に稀な肺炎で、やはり免疫システムが崩壊した人しか発症しません。
分かりやすく言うと、人間の免疫システムは、外部の敵(細菌、ウイルス)と常に戦う「国の軍隊」のようなものです。そして若者たちがかかったこれらの病気は、「小さな町の犯罪者」(稀な病原体)が「司令部」に突入し、国の「防衛システム」そのものを破壊してしまったような状態を意味します。
これはあまりにも異常でした!これはこれらの若者の「免疫軍隊」が何らかの理由で一斉に「武装解除し降伏してしまった」ことを示していたのです。1981年6月5日、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はこの現象を初めて公式機関誌で報告し、この日はエイズが公式に発見された記念すべき日とされています。
命名:「奇妙な病気」から「エイズ」へ
この奇妙な病気が発見された後、最初のうちはまだ名前がつけられていませんでした。1982年になって、科学者たちはその特徴 —生まれつきではなく、後天的に獲得され、免疫システムに問題が起きていること—に基づいて名前をつけました:
後天性免疫不全症候群 (Acquired Immune Deficiency Syndrome)
この名称の略称が、今日私たちがよく知っている AIDS (エイズ) です。
犯人の特定:真犯人であるHIVを突き止める
重要な点として、1981年と1982年の時点では、人々はこの恐ろしい「現象」や「症候群」の存在そのものは把握していましたが、何が原因なのかはまだ分かっていませんでした。
1983年-1984年になってようやく、フランスとアメリカの研究チームが相次いでエイズの真犯人である、 人体の免疫システムを特異的に攻撃するウイルスを発見しました。後に、このウイルスは ** 「ヒト免疫不全ウイルス」 (Human Immunodeficiency Virus)**、つまり HIV と名付けられました。
補足:発見地 ≠ 起源地
ここで重要な概念を区別する必要があります:
- 初めて発見された場所(1981年、アメリカ):エイズが公衆衛生上の事件として、 医学界で初めて特定、記録、報告された場所を指します。
- ウイルスの起源地(それより以前、アフリカ): 後の科学的調査で、HIVウイルスは実は20世紀初頭にはすでにアフリカでチンパンジーからヒトへ感染していた可能性があることが明らかになりました。現在確認されている最古の感染確定のヒト検体は、1959年にコンゴに住んでいた男性のものです。当時は大規模な流行を引き起こしておらず、特定もされていなかったのです。
まとめると:
エイズという「疾患」は、医師たちによって初めて発見され警報が発せられたのは 1981年のアメリカでした。しかし、この疾患の原因となる「ウイルス」は、アフリカ大陸ではもっと長い間ひっそりと存在していた可能性があります。