こんにちは。看護学における英語力の必要性についてのご質問、とても良い質問です。多くの人が同じ疑問を持っているからです。例えて言うなら、「車の運転にどれほどの技術が必要か?」と尋ねるようなものです。答えは、住宅地でちょっと車を動かしたいのか、高速道路を走りたいのか、それともレーシングドライバーになりたいのかによって変わります。
簡単に言えば:最低限のレベルは高くないが、上限は非常に高い。英語力は、将来のキャリアパスの幅と高さを直接左右するのです。
以下、いくつかのシナリオに分けて説明しますね。そうすれば理解しやすいと思います。
シナリオ1:国内の一般的な病院で安定して看護師として働きたい場合
結論:要求水準は高くないが、「ゼロベース」では困る。
この場合、英語力が必要になる主な場面は:
- 学校の試験: 大学英語四級・六級(CET-4/6)のように、多くの大学では卒業証書や学位取得に四級合格が必須です。これは避けられないハードルです。
- 薬剤名や医療機器の理解: 多くの薬品名や医療機器の説明書には英語の略語や正式名称が記載されています。例えば、"NS"が生理食塩水(Normal Saline)、"IV"が静脈注射(Intravenous)を指すことは知っておく必要があります。これらは基本中の基本で、日常業務で頻繁に目にし、知らないと重大な問題を引き起こす可能性があります。
- 基本的な資格試験: 昇進のための資格試験などにも、医学英語の単語が含まれることがあります。
一言でまとめ: この段階では、英語は「ツール」のようなものです。専門に関連する最も基本的な語彙や略語を習得し、試験に対応できれば十分です。パソコンの修理ができなくても、電源の入れ方やタイピングができる必要があるのと似ています。
シナリオ2:大都市のトップクラス病院(三甲医院)に入りたい、またはキャリアアップしたい場合(看護師長、研究など)
結論:要求水準は高い。英語はあなたの「加速装置」となる。
現状に満足せず、より良いプラットフォームを目指すなら、英語の重要性が一気に高まります。
- 最新文献の読解: 世界の最先端の看護技術、研究成果、治療ガイドラインのほとんどは英語で発表されています。最新の知識を学び、業務能力を向上させたいなら、英語の文献を読めなければなりません。そうでなければ、誰かが翻訳して噛み砕いてくれるのを待つことになり、その時にはすでに周囲に遅れを取っています。
- 昇進と研究: 多くの大病院、特に大学病院では、上級職(主管護師、副主任護師など)への昇進は研究実績と連動しています。論文を発表したいですか? 高品質な学術誌(SCIジャーナルなど)は基本的に英語です。英語で論文を執筆できることは、キャリアにおける非常に大きな強みとなります。
- 国際交流の機会: 大病院では国際会議、外国の専門家の来訪、外国人患者向けの国際医療部門の設置などが頻繁に行われます。英語が流暢であれば、これらに参加したり、直接外国人患者とコミュニケーションを取ったりする機会を得られます。これはあなたを一歩抜きん出させるだけでなく、視野を大きく広げることにもつながります。
一言でまとめ: この段階では、英語はあなたの「競争力の核」です。他の人ができることに加えて、英語文献も読めるなら、自然と他の人より優位に立てます。
シナリオ3:目標は大海原(海外留学・就職)
結論:絶対的な必須条件。英語はあなたの「通行証」となる。
海外留学や、海外で正看護師(Registered Nurse, RN)として働くことを考えているなら、英語は「プラスアルファ」ではなく、「必需品」です。
- 語学試験: IELTS(アイエルツ)や職業英語試験(OET)などの専門的な語学能力テストに合格しなければなりません。これらの試験では総合スコアだけでなく、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各セクションで厳しい基準点(スコア)が要求されることがあります。例えば、患者と病状について支障なくコミュニケーションが取れるほどの流暢なスピーキング、医師の迅速な指示を正確に聞き取れるリスニング力などが求められます。
- 仕事と生活: 海外では、英語が生活言語かつ業務言語となります。患者、家族、医師、同僚と、効率的かつ正確に英語でコミュニケーションを取る必要があります。医療現場では、どんな小さな誤解も命取りになりかねません。カルテ、レポート、申し送り、すべてが英語です。
一言でまとめ: このシナリオでは、英語はもはやツールやスキルではなく、生存と発展の基盤です。これがなければ、門前払いです。
わかりやすくまとめると
- 最低限のニーズ: 卒業と基本的な仕事をこなすためには、最低限の英語力、特に一般的な医学用語を知っている必要がある。
- ステップアップのニーズ: 大都市の良い病院で活躍したい、リーダーシップを発揮したいなら、英語力は虎に翼。他の人を引き離す武器となる。
- トップレベルのニーズ: 海外を目指すなら、迷わず英語は命綱。今すぐ、必死に勉強を始めるべき。
さて、最初の質問に戻りましょう:「看護学には高い英語力が必要ですか?」
私のアドバイス: 将来の計画がどうであれ、英語の勉強は諦めないでください。学生のうちに基礎を固め、医学用語をたくさん覚えましょう。これは未来への投資のようなものです。今日は必要なくても、チャンスが訪れた時、思いがけないほどのリターンをもたらしてくれるでしょう。