どのボルドーワイナリーが観光客を受け入れていますか?

こんにちは!ボルドーのワイナリー巡りについてお話できて嬉しいです。ボルドーでワイナリーを訪れるのは本当に素晴らしい体験ですが、初めての方だと少し戸惑うかもしれませんね。ご安心ください、ポイントを整理してお伝えしますね。

まず、最も重要なこと、そして3回言います予約!予約!予約!

ボルドーのワイナリーは、こちらの観光地のようにチケットを買えば入れるという場所ではありません。あくまでワインを造る「工場」であり「農場」であって、観光客の受け入れは副業なのです。ですから、ほぼ全てのワイナリー(特に有名なところ)は事前予約が必須。いきなり飛び込んでも、ほぼ確実に門前払いを食らいますよ。

さて、ここからはワイナリーをいくつかのタイプに分けますので、ご自身の好みや予算に合わせて選びやすくなると思います。

一、 有名で比較的予約しやすいワイナリー(初心者におすすめ)

これらのワイナリーは知名度が高く、品質も非常に良いです。同時に、非常に成熟した観光客受け入れ体制が整っており、公式サイトの予約システムも使いやすく、体験の質が保証されています。

  • シャトー・ランチ・バージュ (Château Lynch-Bages)

    • 場所: メドック地区ポイヤック村(Pauillac)
    • おすすめ理由: 日本のワイン愛好家にもよく知られる「五級格付け」ワイナリーですが、その品質はとっくに五級を超えています。見学コースの設計が非常に優れており、プロフェッショナル。醸造プロセスをしっかり理解できます。隣には小さな村(ヴィラージュ)があり、ミシュラン星付きレストラン、パン屋、精肉店などがあって、見学後に美味しい食事も楽しめます。
  • シャトー・パプ・クレマン (Château Pape Clément)

    • 場所: ペサック・レオニャン(Pessac-Léognan)、ボルドー中心部から非常に近い。
    • おすすめ理由: 時間が限られていて、あまり遠くまで行きたくない方に最適です。グラーヴ地区の格付けワイナリーで、歴史が深く、ワイナリー自体が古典的な庭園のように美しいです。中心部から近いので、タクシーで気軽に行けます。
  • シャトー・スミス・オー・ラフィット (Château Smith Haut Lafitte)

    • 場所: ペサック・レオニャン(Pessac-Léognan)
    • おすすめ理由: 「人気スポット」のワイナリーです。ワインが素晴らしいだけでなく、隣には5つ星ホテルと世界的に有名なコドリー(Caudalie)のブドウ種スパがあります。午前中にワイナリー見学、午後にスパという、夢のような体験が可能。カップルや女友達同士で訪れるのにぴったりです。
  • シャトー・フィジャック (Château Figeac)

    • 場所: サン・テミリオン(Saint-Émilion)
    • おすすめ理由: サン・テミリオン地区を代表するトップワイナリーの一つで、最近最高ランクの「プルミエ・グラン・クリュA」に昇格しました。建物が非常に壮大で、見学体験も素晴らしく、右岸の名門ワイナリーの風格を深く感じられます。

二、 建築・デザイン愛好家の選択肢

ワインが優れているだけでなく、建物自体が芸術作品のようなワイナリーもあり、一見の価値があります。

  • シャトー・シュヴァル・ブラン (Château Cheval Blanc)

    • 場所: サン・テミリオン(Saint-Émilion)
    • おすすめ理由: 超有名な白馬(シュヴァル・ブラン)です!新しい醸造所は、まるで未来から来た宇宙船のようで、著名な建築家クリスチャン・ド・ポルザンパルクの設計です。見学が予約できれば、きっと目を見張るでしょう。ただし、予約はかなり難しいです。
  • シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン (Château Les Carmes Haut-Brion)

    • 場所: ペサック・レオニャン(Pessac-Léognan)、ボルドー市内と言ってもいいほど近い。
    • おすすめ理由: 奇才デザイナー、フィリップ・スタルクが設計したワインセラーは、水に突き刺さった船首のような、非常にモダンでクールな造形です。前衛的なデザインがお好きなら、ぜひ訪れるべき場所です。
  • シャトー・ピション・ロンシャール男爵 (Château Pichon Baron)

    • 場所: メドック地区ポイヤック村(Pauillac)
    • おすすめ理由: おとぎ話に出てくるようなクラシックな城の外観で、前面には巨大な池があり、その反射が息をのむほど美しいです。観光写真を撮る絶好のスポットです。見学内容も非常に良く、クラシックな雰囲気とワインへの憧れを同時に満たしてくれます。

三、 小規模で美しい家族経営ワイナリー(より本格的体験)

商業化されすぎた見学は好まず、より本格的で人情味あふれるワイナリー体験をしたい方には、家族経営のワイナリーがおすすめです。

  • シャトー・ド・プレサック (Château de Pressac)

    • 場所: サン・テミリオン(Saint-Émilion)
    • おすすめ理由: 丘の上に位置する非常に美しいシャトーで、眺めが最高です。オーナー夫妻がとても気さくで、見学はより親しみやすく、まるで友達と話しているような感じです。窓の外に広がるブドウ畑を見ながらのテイスティングは、格別のくつろぎを感じさせてくれます。
  • シャトー・スータール (Château Soutard)

    • 場所: サン・テミリオン(Saint-Émilion)
    • おすすめ理由: こちらもサン・テミリオンの格付けワイナリーで、建物は非常に優雅です。テイスティング、フードペアリング、さらにはサイクリングなど、見学プログラムが多様で、非常に充実した体験ができます。

四、 トップクラスのカルトワイナリー(予約難易度MAX)

ラフィット(Lafite)、ラトゥール(Latour)、マルゴー(Margaux)といった「プルミエ・クリュ(1級)」ワイナリーは、一般観光客が見学予約を取るのは非常に困難です。通常、ワインの専門家、メディア、またはトップクラスの顧客のみを対象としています。予約するには、かなり前(例えば半年前から1年前)に、かつ特別なルート(高級ホテルのコンシェルジュ、専門のワインツアー会社、業界関係者の紹介など)を通す必要があり、やっと可能性が出てくる程度です。


初心者へのアドバイス

  1. 予約の方法は?

    • 公式サイト: ほとんどのワイナリーの公式サイトに「Visit」や「Tour」のページがあり、オンラインフォームから予約できます。
    • メール: 小規模なワイナリーの場合、丁寧なメールを送って問い合わせると、成功率も結構高いです。
    • 観光案内所: ボルドー中心部やサン・テミリオン町には観光案内所(Tourist Office)があり、当日や近い日程で空きのあるワイナリーを検索・予約する手助けをしてくれます。「穴場」を見つけるのに良い場所です。
    • 旅行会社: 面倒なのが嫌なら、現地のワインツアーに直接申し込むのが手間いらずです。
  2. ロケーションは重要!

    • ボルドーは簡単に「左岸」(メドックが代表)と「右岸」(サン・テミリオンが代表)に分けられます。この二つの地域は車で1時間以上離れています。
    • アドバイス: 1日で訪れるのは一つの地域に絞るのがベストです。例えば、今日は左岸のメドックを巡り、明日は右岸のサン・テミリオンへ行く、といった具合です。そうしないと、移動にほとんどの時間を取られてしまいます。
  3. 欲張らないこと。

    • 1日に2〜3軒のワイナリーを回るのが適量です。ゆっくり巡り、じっくり味わい、プロセスを楽しむことが最も大切です。駆け足の見学は非常に疲れるだけでなく、その楽しさも味わえません。

この情報がお役に立てば幸いです。ボルドーで楽しい時間を過ごし、美味しいワインを楽しんでください!