抹茶の抗酸化能力はブルーベリーと比較してどの程度でしょうか?

Sami Meister
Sami Meister
Sports dietitian, optimizing athlete nutrition.

はい、この質問は本当に的を射ています!抹茶とブルーベリーはどちらも「スーパーフード」として知られ、どちらがより優れているのか気になる方も多いと思います。抹茶を愛飲し、ブルーベリーもよく食べる者として、その違いを整理してみましょう。


抹茶 vs. ブルーベリー:本当の「抗酸化力の王者」はどっち?

結論から言うと、グラム単位で比較すれば抹茶の抗酸化力はブルーベリーを圧倒します。しかし、1回の食事で実際に摂取する量で比べると、ブルーベリーの方が多くの抗酸化物質を提供できるケースが多いのです。

矛盾しているように聞こえますか? 落ち着いて、詳しく説明しますね。

まず、「抗酸化」とは何かを理解しよう

私たちの体を精密な機械に例えると、「活性酸素(フリーラジカル)」はその機械を錆びつかせ、劣化させる悪者です。この活性酸素は細胞を攻撃し、老化、炎症、さらにはいくつかの疾患の原因となります。

抗酸化物質は、体の中の「錆止め剤」であり「ボディガード」。この活性酸素を除去し、細胞の健康を守る役割を担っています。

科学者たちは、食品の抗酸化力を測るために「ORAC」(酸素ラジカル吸収能)というスコアリングシステムを考案しました。ORAC値が高いほど、その食品の理論上の抗酸化力は強いということになります。


では、主役を紹介しましょう!

1. 抹茶 (Matcha)
  • 主な武器: カテキン(茶カテキン)です。特にその中の「EGCG(エピガロカテキンガレート)」という成分が、抹茶の最強の抗酸化物質です。
  • 独自の強み: 抹茶を飲むことは普通の緑茶を飲むのとは違います。茶葉そのものを粉末にし、全てを摂取します。お湯を注いだだけのお茶のように、成分が抽出された液体だけを飲みません。つまり、茶葉の栄養を100%摂取するため、抗酸化物質が特に凝縮されているのです。
  • ORACスコア: 抹茶1グラムあたりのORAC値は約 1300~1700。この数字は非常に驚異的です!
2. ブルーベリー (Blueberries)
  • 主な武器: アントシアニンです。ブルーベリーの美しい青紫色を作り出している物質で、これも非常に強力な抗酸化物質です。
  • 独自の強み: ブルーベリーは「抗酸化フルーツの王様」とも呼ばれ、アントシアニンだけでなく、ビタミンC、ビタミンK、食物繊維も豊富に含んでいます。
  • ORACスコア: 野生ブルーベリー100gあたりのORAC値は約 9621 です。

重要な比較:数字に惑わされないで!

ここまで読むと、「わあ、ブルーベリー100gのORAC値は9621で、抹茶1gの1000多よりずっと高いじゃないか!」と思うかもしれません。

ここがポイントです! 日常生活で1回に食べる量を見る必要があるのです。

  • 抹茶を一杯淹れる場合、通常は 1~2グラム の抹茶粉を使います。

    • 2gとして計算すると、摂取するORAC値は大体: 2g * 1500 = 3000
  • ブルーベリーをヨーグルトに入れたり、おやつとして食べる場合、手軽に一掴みすると大体 50~100グラムになります。

    • 100gとして計算すると、摂取するORAC値は: 9621

こうやって比べると、状況が逆転します。ブルーベリーを1食分食べることで得られる抗酸化物質の総量は、通常、抹茶一杯を飲むよりも多くなるのです。

食品主な抗酸化物質ORAC値 (約)1食分目安量1食分あたりのORAC値 (約)
抹茶EGCG (カテキン類)1500 / 1g2g (一杯分)3000
ブルーベリーアントシアニン96 / 1g100g (小鉢一杯分)9621

一言でまとめると:

  • 濃度と効率(グラムあたりの含有量)では、抹茶がチャンピオン。
  • 1回の摂取で得られる総抗酸化値では、ブルーベリーが上回る。

提案:どちらかにこだわらず、両方楽しむ!

実のところ、「どちらが一番か」を比べることにはあまり意味がありません。ORAC値は実験室内で測定されたもので、私たちの体内での実際の吸収・利用率とは完全には一致しないからです。

抹茶もブルーベリーも非常に健康的な食品であり、その利点は抗酸化作用だけにとどまりません:

  • 抹茶 には テアニンが含まれており、頭をクリアにしつつリラックスさせ、「禅」のような落ち着いた感覚をもたらし、代謝を促進します。
  • ブルーベリー に豊富な 食物繊維は腸内環境に良く、豊富なビタミン類は全身の健康をサポートし、視力保護や脳の健康にも役立ちます。

ですから、最善の戦略はどちらか一方を選ぶことではなく、両方を日常の食事に取り入れることです。

  • :一杯の香り高い抹茶ラテで、集中力のある一日をスタート。
  • 午後:ヨーグルトに小鉢一杯のブルーベリーを混ぜて、ヘルシーで美味しい間食に。

こうすることで、それぞれの独特の風味を楽しみながら、幅広い栄養素を摂取できます。健康的な食事の秘訣は、いつだって多様性にあり、特定の「スーパーフード」だけに固執することではないのです!