この質問の答えは、簡単に言えば「はい、理論的にも実践的にも、その通りであることがよくあります」です。
なぜそうなのか、分かりやすい言葉で説明しましょう。
想像してみてください。資本規制とは、ある国が自国に「富の囲い」を設けるようなものです。この囲いの中に住む人々が、自分のお金(例えば人民元)を外貨(例えば例えば米ドル)に両替して海外に送金しようとすると、非常に困難に直面します。政府は、送金限度額や複雑な承認プロセスなど、さまざまな障壁を設けているのです。
このような状況で、ビットコインの二つの特徴が際立ってきます。
- 国境がない:ビットコインはどの国や銀行にも属していません。地球上のどこでもインターネットがあれば、銀行の承認なしに誰かに送ることができます。
- 交換が容易:世界のほとんどの場所で、ビットコインを簡単に売却し、現地の法定通貨に交換することができます。
さて、あなたは今、「富の囲い」の中にいるとしましょう。100万の資産を持っているが、自国通貨の価値下落を心配している、あるいは海外に投資したいと考えている。しかし、政府は年間5万ドルしか海外に送金することを許可していません。どうしますか?
多くの人が、ビットコインという「秘密の通路」を思いつくでしょう。
通常、操作手順は次のようになります。 あなたは国内で、自分のお金(人民元)を使って何とかビットコインを購入します。このプロセスでは、国際市場価格よりも高い価格を支払う必要があるかもしれません。なぜなら、この方法で資産を移動させたい国内の人が多く、ビットコインを売りたい人が比較的少ないため、需要が供給を上回り、価格が自然と高くなるからです。この高くなった部分を「プレミアム(割増金)」と呼びます。
次に、そのビットコインをインターネット経由で海外のウォレットに送金します(このプロセスにはほとんど障害がありません)。
最後に、海外でそのビットコインを売却し、米ドルに交換します。
ご覧の通り、この一連のプロセスにおいて、ビットコインは「中継地点」あるいは「渡し船」のような役割を果たしているのです。それは、あなたの資産を「囲い」の中から「囲い」の外へと運ぶ手助けをします。
では、あなたの質問に戻りましょう。「なぜこれらの国々ではビットコインの価値が高いのか?」
その核心的な理由は、資本規制を回避するための「サービス機能」を提供しているからです。
人々はこの「サービス」に対して追加料金を支払うことをいとわず、その料金がビットコインの現地価格に反映されているのです。例えるなら、人気コンサートのチケットを正規価格500で買いたいのに手に入らず、ダフ屋から800で買うしかないようなものです。余分な300は、「チケットを手に入れる」というサービスに対して支払ったお金です。
資本規制が厳しい国では、ビットコインの現地価格 = 国際標準価格 + 規制回避の「サービス料」(つまりプレミアム)となります。
したがって、ある国の経済が不安定になり、資本規制が強化されると、現地のビットコインのプレミアムが急騰する傾向が見られます。それは、多くの人々にとって資産のヘッジや移動のための最後の頼みの綱となるからです。