日本人は本当に株式投資が嫌いで、お金を銀行に預ける方が好きなのでしょうか?

作成日時: 8/8/2025更新日時: 8/17/2025
回答 (1)

はい、この問題についてお話ししましょう。「日本人は株を好まない」という説は、長い間ほぼ事実でしたが、今、非常に興味深い変化が起きています。二つの部分に分けて見ていきましょう。

「日本人は貯金好きで株嫌い」という印象が生まれた理由

この印象は根拠のないものではなく、いくつかの深い理由があります:

  • 歴史的なトラウマ:「バブル経済」の崩壊

    • これが最も核心的な理由と言えます。1980年代末、日本経済は絶頂期にあり、東京の地価はアメリカ全土を買えるほどで、株価はロケットのように上昇しました。当時は国民のほとんどが株や不動産に投資し、明日にも経済的自由を手に入れられると考えていました。
    • しかし、90年代初頭にバブルが崩壊。株価は暴落し、多くの人が生涯の貯蓄を失い、重い負債を背負うことになりました。この世代はひどく傷つき、「株式市場は賭博場、入れば損をする」という集合的記憶が形成されました。この恐怖感は、一度火傷をしたら二度とストーブに触れなくなるように、骨の髄まで刻まれ、次の世代にも語り継がれています。
  • 数十年にわたる「デフレ」

    • 専門的に聞こえるかもしれませんが、概念は単純です。デフレとはお金の価値が上がり続けること。例えば、今日の1万円は、来年には今日よりも多くの物を買えるようになる可能性があります。
    • このような状況では、リスクを冒して投資する必要があるでしょうか? もちろんありません! 銀行にお金を預けておけば、利息はほとんどゼロでも、お金自体の価値が上がるため、購買力は低下せず、むしろ増える可能性さえあります。貯金こそが最も確実な「資産運用」であり、株式投資の魅力は大きく低下しました。
  • 文化と社会的習慣

    • 日本社会は「安定」と「堅実」を非常に重視します。伝統的な考え方は、真面目に働き、一つの会社で定年まで勤め上げれば、会社が年金を支給し、生活が保障されるというものです。人々が求めるのは、ハイリスクな投資による「一攫千金」ではなく、予測可能で安定した生活です。
    • また、日本の郵便貯金システム(現在の「ゆうちょ銀行」)は非常に発達・普及しており、国民的銀行とも言えます。子供の頃から、大人は子供に小遣いやお年玉を貯めるよう教え込みます。貯蓄は骨の髄まで染みついた美徳であり習慣なのです。

しかし!状況は静かに変化している

上記の伝統的な印象は根強いものですが、今の日本の若者に同じ質問をすれば、答えは全く異なるかもしれません。近年、状況は逆転しつつあります:

  • 政府の強力な後押し:NISA制度

    • 日本政府も焦っています。皆が銀行に預金ばかりしていては、経済に活力が生まれません。そこで「NISA(ニーサ)」と呼ばれる制度を導入しました。これは「非課税の個人投資口座」と理解すれば良いでしょう。
    • 簡単に言えば、この口座を通じて株式や投資信託を購入し、得られた利益は一定額まで非課税になります。これは政府が「おまけ」を付けて、銀行預金を投資に回すよう奨励しているようなものです。2024年からはNISA制度がさらに拡充され、限度額が増え、より柔軟になり、その魅力は爆発的に高まっています。
  • 経済環境の変化:デフレ終焉、インフレ到来

    • 現在、世界中でインフレが進行しており、日本も例外ではありません。物価が上昇し始め、今の1万円で来年に買えるものは、今より少なくなります。お金を銀行に預けているだけでは、購買力が「溶けて」いくのと同じです。
    • これにより、人々は考えざるを得なくなりました:どうすればいいのか? 現金を死守していてはいけない。こうして、株式投資によるインフレ対策は、「選択肢の一つ」から「必須事項」へと変わりつつあります。
  • 新世代の意識変化

    • 現在の若者はバブル経済崩壊の惨劇を経験しておらず、株式市場に対する恐怖心がそれほど強くありません。
    • 終身雇用制もほぼ崩壊し、一つの仕事の給料と年金だけでは将来の生活が不安です。彼らはより強い危機感を持ち、自ら老後の備えを考える必要に迫られています。
    • ネット証券(楽天証券、SBI証券など)の台頭により、口座開設や取引が非常に便利になり、スマホアプリで簡単に操作できるようになりました。これにより投資のハードルは大幅に下がっています。

まとめ

したがって、ご質問への回答はこうなります:

「日本人は株を好まず、貯蓄を好む」という説は、過去数十年の日本社会を的確に表したものですが、それは急速に時代遅れになりつつあります。

以下のように理解できます:

  • 高齢層(50歳以上):大部分は未だに恐怖心が残っており、銀行預金に深い信頼を寄せています。
  • 中堅・若年層(特に40歳未満):積極的に投資を受け入れつつあります。政府の後押しとインフレの圧力のもと、預金を株式市場に移すことが新たなトレンドになりつつあります。最近の日経平均株価の史上最高値更新も、市場の熱気にさらに拍車をかけています。

ですから、次にこの説を耳にした時は、自信を持ってこう言ってください:それはもう「昔話」ですよ。今の日本では、「貯蓄から投資へ」という国民的な動きが活発に展開されているんです!

作成日時: 08-08 21:49:21更新日時: 08-10 02:27:08