Tammy Molina
Tammy Molina
Nutritionist specializing in plant-based diets.
こんにちは!これはとても興味深い質問ですね。抹茶味の様々なスイーツが好きな人は多いですが、「スーパーフード」としての栄養がどれだけ残っているのか、確かに気になります。
結論から言うと、これは一律でパーセンテージまで正確な答えがあるわけではありません。加熱温度や時間、他の材料(砂糖、牛乳、油など)の配合など、様々な要因に影響されるからです。
しかし、食品加工の原理に基づいて、明確な結論を導き出すことはできます。アイスクリームと焼き菓子の二つのケースに分けてご説明しましょう。
1. 抹茶アイスクリーム:栄養保持の「優等生」
アイスクリームの製造工程では、抹茶粉は概ね勝者です。
- 加工環境: 全工程が低温または常温で行われます。抹茶粉が牛乳、クリームなどの液体と混ぜられた後、すぐに凍結されます。
- 栄養素の変化:
- カテキン (EGCG): 抹茶の最も価値ある抗酸化物質です。高温に弱いですが、低温環境では非常に安定しています。そのため、抹茶アイスクリームではその含有量がほぼ完全に保たれます。
- テアニン: 抹茶に旨味やリラックス効果をもたらす成分です。熱に比較的強く、低温下ではなおさら問題ありません。
- クロロフィル(葉緑素)とビタミン類: これらも熱に弱い成分です。低温加工のアイスクリームではこれらの成分がよく保たれ、良い抹茶アイスが鮮やかな緑色を保てる理由でもあります。
まとめ: 抹茶の栄養を摂取したいならば、抹茶アイスクリームは非常に良い選択肢です。栄養保持率が非常に高く、抹茶を「急速冷凍保存」したようなものと想像してください。
2. 抹茶焼き菓子(ケーキ、クッキー、パンなど):風味は残るが、栄養は「目減り」
こちらは全く状況が異なり、高温の焼成工程が抹茶の栄養素にとって「大きな試練」となります。
- 加工環境: 焼成温度は通常150°Cから200°C、それ以上になることもあり、持続時間は短くて十数分、長いと数十分にもなります。
- 栄養素の変化:
- カテキン (EGCG): ここでの損失が最も深刻です。研究によると、高温下では大量のカテキンが分解・破壊されます。温度が高いほど、焼成時間が長いほど、損失は大きくなります。全てが失われるわけではありませんが、大部分が失われるのは確実です。
- テアニン: 比較的安定していますが、長時間の高温焼成では一部が失われます。
- クロロフィル(葉緑素): これは目で見て分かります。抹茶粉は鮮やかな緑色なのに、焼き上がった抹茶ケーキやクッキーは黄色みがかった暗い「くすんだ緑色」または「オリーブグリーン」になるのにお気づきでしょうか?これが高温による葉緑素の破壊です。
- カフェイン: これはあまり心配いりません。カフェインは非常に安定しており、焼成後もほぼ残存します。
まとめ: 高温で焼かれた抹茶焼き菓子では、私たちが味わうのは主にその風味です。コアとなる抗酸化作用など健康へのメリットは大きく目減りしています。もちろん一部の栄養は摂取できますが、抹茶を直接一杯飲むのと同じ効果を期待するのは無理があります。
簡単にまとめると
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抹茶の栄養をフルに得たい?
- 最優先: 抹茶を直接点てて飲むこと。
- 次善策: 抹茶アイスクリーム、抹茶ラテ(熱すぎないもの)、ムースケーキなど、高温加熱されていない冷製または温製の加工食品を選ぶ。
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単に抹茶の風味を楽しみたい?
- それなら抹茶クッキー、ケーキ、パンなどの焼き菓子は全く問題ありません!独特の抹茶の香りとほろ苦い後味は引き続き楽しめます。ただ、「スーパーフード」という輝きはやや弱まってしまいます。
この説明がお役に立てば幸いです!抹茶スイーツをお楽しみください!