家畜(牛、馬、羊など)は狂犬病に感染しますか?また、その症状は何ですか?
作成日時: 8/15/2025更新日時: 8/18/2025
回答 (1)
家畜(牛、馬、羊)は狂犬病に感染しますか?症状は?
はい、その通りです。
すべての哺乳類は、牛、馬、羊といった一般的な家畜も含め、狂犬病に感染する可能性があります。
これらは通常、主な感染源というよりも「被害者」としての側面が強いと言えます。感染経路は人間と同じで、大多数のケースは狂犬病に罹患した野生動物(キツネ、アライグマ、コウモリなど)や野犬に咬まれることで、傷口からウイルスが侵入し、神経系を侵します。
家畜が狂犬病に感染した場合、一般的な「狂犬」のイメージとは異なる症状を示します。狂犬病の症状は主に狂躁型(いわゆる凶暴化)と麻痺型(別名「沈静型」、四肢麻痺などの症状)に大別され、牛・馬・羊では麻痺型がより頻繁に見られます。
種類別の具体的な症状を分かりやすく説明します:
牛の狂犬病症状
初期段階では症状が目立たず、他の疾患と誤診されるケースがあります。
- 行動異常:まず抑うつ状態や採食量低下、群れからの孤立が見られる
- 鳴き声の変化:声がかすれ、低く奇妙な声で、苦しそうに絶え間なく鳴き続ける
- 嚥下障害:典型症状の一つ。大量のよだれを流し、喉に何か詰まったような仕草を見せ、水が飲めなくなる。経験豊富な獣医はこの「偽嚥下障害」症状で狂犬病を強く疑う
- 攻撃性(狂躁型):壁や柵に頭突きを繰り返し、人や他動物へ襲いかかる個体もいる
- 麻痺(麻痺型):より一般的な経過。後肢から立ち上がれないほどのふらつきが始まり、次第に全身麻痺で倒れ、数日以内に死亡する
馬の狂犬病症状
大型動物であるため、特に狂躁型発症時は非常に危険です。
- 気性の激変:従順な馬が異常な警戒心・焦燥を示すか、逆に抑うつ状態となり無気力になる
- 幻覚性掻痒:咬傷部位を狂ったように噛んだり擦ったりし、重篤な自傷行為に至ることも
- 疝痛様症状:初期に「コロック(疝痛)」に似た行動(腹部を頻繁に見返る、足掻く、転げ回る)を示す
- 攻撃行動:狂躁型は予告なく急襲し、蹄で蹴る、牙で咬むなどの危険行動が見られる
- 麻痺:牛と同様、最終段階で喉頭麻痺(嚥下不能・流涎)→四肢麻痺を経て倒れ死亡する
羊(ヒツジ・ヤギ)の狂犬病症状
牛の症状に類似しています。
- 離群と不安:群れから離れ、不安や恐怖を示す
- 鳴き声異常:ヒツジの鳴き声がかすれたり異常となる
- 攻撃性増加:特に雄羊が好戦的になり、物体や人への頭突きを繰り返す
- 性的行動の異常:性欲亢進といった異常行動が見られる場合がある
- 麻痺と死亡:最終的に嚥下障害・流涎が現れ、後肢麻痺から全身麻痺で死亡
重要な注意点
- 絶対に近づかないこと! 飼育する牛・馬・羊に行動急変・攻撃性増加・流涎・麻痺など神経症状が現れた場合、安楽や治療を試みずに距離を置いてください
- 即時隔離と通報! 安全が確保できる場合は患畜を隔離し、直ちに地域の獣医師・家畜保健衛生所へ連絡してください。診断と処置は専門家が行う必要があります
- 致死率100%の感染症! 発症後の生存は不可能で有効な治療法はありません。動物の健康管理よりも、人の安全確保が最優先です
総じて、狂犬病罹患家畜は著しい異常行動を示し平常時とは全く異なります。重要な判断基準は:異常行動 + 神経症状(攻撃性または麻痺)= 狂犬病強く疑うです。遠ざけて速やかに専門機関へ通報することが肝心です。
作成日時: 08-15 04:28:46更新日時: 08-15 09:11:17