Facebook(Meta)の野心的なステーブルコインプロジェクトLibra(後にDiemに改名)はなぜ最終的に失敗したのか?規制はどのような役割を果たしたのか?

作成日時: 8/6/2025更新日時: 8/17/2025
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FacebookのLibra(後にDiem)プロジェクトが失敗した理由とは?

やあ!私は数年前まで暗号通貨業界にいた者です。この質問を見て、自分の見解をシェアしたくなりました。Facebook(現Meta)が2019年に開始したLibraプロジェクトは、銀行を介さずに簡単に国際送金できるグローバルなステーブルコインを目指していました。画期的ですよね?しかし結局、規制の壁を越えられず失敗しました。わかりやすい言葉で段階的に説明しますね。

Libra/Diemとは何だったのか

  • 当初の構想:Libraは価値がビットコインのように乱高下せず、米ドルなどの法定通貨に連動するステーブルコインです。FacebookはこれをWhatsAppやInstagramなどのSNSと連携させ、世界中で携帯電話から送金や買い物ができる巨大決済システムを構築しようとしました。銀行口座を持たない途上国の人々が簡単に送金できる、便利な世界を想像していたのです。
  • 変更点:反発を受けてDiemに改名し、複数通貨バスケットから米ドル単独連動へ計画を縮小しましたが、効果はありませんでした。

プロジェクト発足時はVisaやMastercardなど大企業が支援していました。しかし間もなく彼らが撤退したのは、規制当局の反撃が始まったからです。

失敗の原因?規制が最大の要因

失敗理由は複数ありますが、規制問題が最大の致命傷でした。当局は既存金融システムを脅かす危険な存在と判断したのです。詳細を解説します:

  • 規制当局の懸念点

    • マネロン・犯罪リスク:グローバル流通により、犯罪組織の資金洗浄やテロ資金調達に悪用される恐れ。FRB(米連邦準備制度)やSEC(米証券取引委員会)は「銀行ではないFacebookに適切な管理ができるのか」と疑問を呈し、厳格なKYC(本人確認)やマネーロンダリング対策を要求。しかしFacebookの規模では監視が極めて困難でした。
    • 金融システムの不安定化:普及すれば銀行預金が流出し、従来の金融システムが不安定化する可能性。ユーザー20億人超のFacebookが関わるため、欧州中央銀行や米政治家は「問題発生時に世界経済が揺るがされる」と強く懸念。
    • プライバシー・データ濫用:データ不正利用で悪名高いFacebookが、さらに個人情報を収集するのではないかとの疑念。当局はプライバシー侵害や決済市場の独占化を危惧しました。
  • 具体的な規制対応

    • 米議会の圧力:発表直後から米議員が猛反発。マーク・ザッカーバーグCEOは議会公聴会に召喚され、「国家安全保障の脅威」と厳しい質問を浴びせられました。結果、FRBと財務省が「条件満たさず承認しない」と明言。
    • 国際的反対:EU、インドなども追随。仏独当局者は「ユーロの主権を脅かす」と公言し、G7(主要7カ国)は規制方策を協議する特別会合を開催。
    • プロジェクトの変質:対応策としてスイスから米国に移転しDiemに改名、銀行パートナーを導入。しかし規制は緩和されず、2022年にSilvergate銀行へ事業売却。事実上の完全撤退となりました。

規制以外にも技術的複雑さ、ケンブリッジ・アナリティカ事件で傷ついた信用不安、USDCなど競合ステーブルコインの先行といった要因はありましたが、致命的ではなかった。結局、規制の「青信号」なしでは成功不可能だったのです。

私の総括と教訓

暗号プロジェクトは革新的でも規制順応が必須。Libraの失敗は、大企業が金融分野に参入するには資金力・技術力だけでなく、政府の承認が必要なことを示しました。Metaがメタバースに軸足を移したのは、この厄介な問題を避ける教訓を活かしたのでしょう。ステーブルコインに興味があれば、現状ではUSDTやUSDCが比較的安定していますが、規制環境は常に変化する点に注意してください。質問があればどうぞ!

作成日時: 08-06 13:25:25更新日時: 08-09 22:34:49