歴史的に有名なステーブルコインのデペッグイベントは何ですか?そこから何を学べますか?
歴史上著名なステーブルコインのペッグ喪失事例
やあ、みんな。仮想通貨業界で何年も過ごしてきたベテランとして、様々な荒波を見てきたよ。今日はステーブルコインの「ペッグ喪失」について話そう。ステーブルコインは本来、米ドルのように価値を安定させるものだが、時に「ペッグが外れる」──つまり価格が1ドル(または目標価値)から乖離することがあり、これは往々にして大問題を引き起こす。有名な事例を分かりやすく解説し、そこから学べる教訓を話していくよ。順を追って説明しよう。
1. TerraUSD (UST) と Luna の崩壊(2022年)
最も有名な惨事だ。TerraUSDはアルゴリズム型ステーブルコインで、実際の資産担保ではなく、別の通貨Lunaとの連動メカニズムで価値を維持していた。簡単に言えば自動調整システムのようなもの:USTが1ドルを下回ると、Lunaをバーン(焼却)して価格を引き上げる仕組みだ。
しかし2022年5月、市場のパニックと大口保有者の売りが重なり、USTは瞬時に0.9ドルを割り込んだ。システムがLunaで救済しようとした結果、Lunaは99%暴落し、エコシステム全体が崩壊。数百億ドルが消失し、多くの個人投資家が大損した。
2. Iron Finance の TITAN と IRON(2021年)
Iron FinanceはDeFiプロジェクトで、IRONはUSDCと独自通貨TITANで部分担保されたステーブルコインだった。2021年6月、大口保有者がTITANを売却し始めたことでIRONは1ドルからほぼゼロまで暴落。ドミノ倒しのように数日でプロジェクトは消滅した。
この事例から学んだのは、DeFiの仕組みはアルゴリズムへの依存度が高すぎると、パニック時に連鎖反応を起こしやすいということだ。
3. シリコンバレー銀行危機におけるUSDCのペッグ喪失(2023年)
Circle社が発行するUSDCは現金と債券で100%担保されていると主張していた。2023年3月、シリコンバレー銀行(SVB)が破綻し、USDCの準備金の一部が同銀行に預けられていた。これによりUSDCは一時0.88ドルまで下落、市場は大混乱に陥った。
幸いCircleが準備金の安全性を説明したため価格は速やかに回復したが、「安全」とされるステーブルコインですら伝統的な銀行の影響を受けることが露呈した事件だった。
4. Tether (USDT) の複数回にわたる小規模ペッグ喪失
最大のステーブルコインUSDTも過去に何度か問題を起こしている。例えば2018年には規制懸念や準備金への疑念から0.92ドルまで下落。2022年のTerra崩壊時にも一時0.95ドルを記録した。
USDTは準備金の不透明性を常に指摘されながらも、その都度回復している。ただし表面的な宣伝文句を過信すべきでないという教訓は残した。
その他、DAI(MakerDAOのステーブルコイン)も2020年「暗黒の木曜日」市場暴落時に一時ペッグが外れたが、コミュニティガバナンスによって回復を果たしている。
これらの事例から学べること
これらの事件から得た重要な教訓を共有する。皆さんの損失回避に役立ててほしい:
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ステーブルコインは100%安定ではない:米ドル同様に見えるが、背景の仕組み(準備金・アルゴリズム)にリスクがある。全資金を一種類のステーブルコインに集中せず、分散投資が鉄則だ。
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基盤技術の理解が不可欠:USTのようなアルゴリズム型は市場の信頼に依存するためリスクが高い。信頼が崩れれば雪崩式の崩壊を招く。一方USDCのような資産担保型は相対的に安定するが、担保資産の質も確認すべきだ。
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市場パニックが最大の破壊要因:ペッグ喪失は売りから始まり悪循環に陥りやすい。相場が乱高下しても慌てて売却せず、ニュースとデータを冷静に分析しよう。
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規制と透明性が成否を分ける:USDTの準備金論争に見られるように、不透明性が問題の根源だ。ステーブルコインを選ぶ際は監査報告書の有無や規制当局の承認を確認すべき。今後規制が強化されれば安全性は向上するだろう。
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暗号資産と伝統的金融は連動する:USDCのSVB事件が証明したように、銀行危機は暗号資産市場にも波及する。マクロ経済ニュースも軽視してはならない。
総じて、ステーブルコインは暗号資産界の「安全地帯」ではあるが絶対ではない。この世界で生き残るには、学び続け、観察し続け、オールインは避けよう。皆さんも似た経験がある? ぜひ議論に参加してほしい!