香織 直子
香織 直子
Immunologist studying viral immunity responses.
流行性耳下腺炎の腫れや痛みに、局所的な冷湿布や温湿布は効果がありますか?どちらの方法がより推奨されますか?
流行性耳下腺炎にかかると、本当に辛いですよね。顔がパンパンに腫れて、痛みと張りがひどいでしょう。冷湿布と温湿布についてですが、どちらの方法も効果はありますが、重要なのは適切なタイミングで使うことです。使い方を間違えると、かえって症状を悪化させる可能性があります。
簡単な原則として覚えておくと良いでしょう。急性期には冷湿布、回復期には温湿布です。
急性期(腫れや痛みが始まった最初の1~2日間):冷湿布が推奨されます
流行性耳下腺炎の炎症を、足を捻挫した時と想像してみてください。捻挫したばかりの足が赤く腫れて痛むように、この時期には、氷で冷やして「炎症を抑える」必要があります。
- なぜ?
- 鎮痛効果: 低温は神経の末端をわずかに麻痺させ、痛みを和らげます。
- 腫れの軽減: 局所の毛細血管を収縮させ、組織液の浸出を減らし、腫れや炎症のさらなる拡大を抑えます。
- どうする?
- 乾いたタオルで氷嚢(ひょうのう)を包み、(アイスキャンディーや冷蔵庫から出した袋入りの牛乳でも代用できます)最も腫れて痛む部分に当てます。
- 絶対に氷を直接肌に当てないでください。凍傷になる恐れがあります。
- 1回につき15~20分間冷やし、その後しばらく休ませ、1日に3~4回繰り返すことができます。
回復期(腫れや痛みのピークが過ぎた後、およそ2~3日後):温湿布を検討できます
最も辛い時期が過ぎ、腫れが徐々に引き始め、痛みも和らいできたら、この段階で温湿布に切り替えて「仕上げ」をすることができます。
- なぜ?
- 血行促進・うっ血改善: 温湿布は局所の血行を促進し、体が残った炎症や腫れをより早く吸収・散らすのを助けます。
- どうする?
- 温かいタオル(固く絞って水が垂れないように)を腫れた部分に当てます。
- 温度に注意し、気持ち良いと感じる程度の温かさで十分です。熱すぎると皮膚を火傷する恐れがあります。
- 1回につき15~20分間、1日に2~3回行います。
まとめと最終的なアドバイス
全体として、より推奨される方法は、**「まず冷やし、次に温める」**という順序に従うことです。
- 発症したばかりで、腫れて痛む場合 → 迷わず冷湿布を使用してください。
- 腫れや痛みが和らいだが、まだ少し腫れている場合 → 温湿布に切り替えて、腫れを引かせるのを助けます。
自分がどの段階にいるのか分からない場合や、全体的に痛みがひどい場合は、冷湿布を優先的に選択してください。急性炎症期に温湿布を使うと、「火に油を注ぐ」ことになり、腫れや痛みを悪化させる可能性があるからです。
非常に重要な注意点!
- これらはあくまで補助的な手段であり、治療ではありません! 流行性耳下腺炎はウイルス感染症であり、冷湿布も温湿布も、表面的な症状を和らげるのに役立つだけで、ウイルスを殺すことはできません。
- 必ず医師の診察を受けてください! 医師に診断してもらい、適切な治療計画を立ててもらいましょう。流行性耳下腺炎は、合併症(髄膜炎や睾丸炎など)を引き起こす可能性があり、決して軽視してはいけません。
- 病気の間は、十分な休息をとり、水分をたくさん摂り、柔らかく、飲み込みやすい食べ物(お粥や柔らかい麺類など)を摂るようにしてください。頬が痛むため、口を開けたり噛んだりするのが辛くなるからです。
この説明がお役に立てれば幸いです。一日も早い回復をお祈りしています!