YC応募者にとって必読のポール・グレアムのエッセイはどれですか?

洋介 充
洋介 充
Startup ecosystem analyst and advisor with 7 years experience.

YCに応募したいなら、ポール・グレアム(Paul Graham、略してPG)のエッセイを読むことは必須の宿題です。彼の記事は非常に多いですが、いくつか「聖書」と称されるものがあり、読まないと本当に損をします。重要度順に整理してみましょう。

  1. 「スケールしないことをする」(Do Things That Don't Scale)

    • なぜ必読か: これはYC精神の核とも言える記事です。起業初期には、何百万ものユーザーにサービスを提供できる全自動システムを考えるのではなく、自ら手を動かし、一人ひとりのユーザーを獲得し、彼らと話し、"手作業"でサービスを提供すべきだと教えてくれます。例えば、Airbnbの創業者は初期に一軒一軒家を訪れてホストの写真を撮っていました。これにより、ユーザーが何を必要としているのかを真に理解し、製品を磨き上げることができます。YCの面接官は、初期のユーザー獲得のためにどのような「スケールしないこと」をしたか、と尋ねるかもしれません。
  2. 「スタートアップのアイデアを得る方法」(How to Get Startup Ideas)

    • なぜ必読か: 多くの人はスタートアップのアイデアが「ひらめき」で生まれると思っていますが、この記事はあなたの考えを完全に変えるでしょう。PGは、最高のアイデアは創業者自身が直面した問題から生まれることが多いと語っています。流行を追うのではなく、自分が本当に苦痛だと感じる問題を解決すれば、あなたがその製品の最初のユーザーとなり、最もよく理解できるはずです。
  3. 「スタートアップ=成長」(Startup = Growth)

    • なぜ必読か: この記事は、スタートアップ企業と普通の小企業の根本的な違いを明確にします。スタートアップ企業の唯一の目標は「成長」(YCの一般的な基準は週5%〜10%の成長)です。すべてのことはこの目標を中心に据えるべきです。これを読めば、YCの応募用紙がなぜ成長データを重視するのかが理解でき、明確な評価基準を確立できます。
  4. 「スタートアップを殺す18の間違い」(The 18 Mistakes That Kill Startups)

    • なぜ必読か: これは「落とし穴回避ガイド」です。成功する方法を学ぶよりも、まず他人がどのように失敗したかを見てみましょう。この記事には、創業者の不和、間違った市場選択、資金の使いすぎなど、最も一般的な18の失敗例が挙げられています。健康診断のレポートを見るように、自分のプロジェクトと照らし合わせ、危険信号がないか確認できます。
  5. 「投資家を説得する方法」(How to Convince Investors)

    • なぜ必読か: YCへの応募と面接は、本質的にYCという最初の「投資家」を説得することです。この記事は、自分のプロジェクトを明確かつ自信を持って説明する方法を教えてくれます。核となるのは、良いチーム+良い市場+急速な成長の兆候です。曖昧な話はせず、事実とデータで語りましょう。

まとめ:

もし時間がないなら、**「スケールしないことをする」「スタートアップのアイデアを得る方法」**の2つの記事を繰り返し読み、その思想を頭に刻み込んでください。時間があるなら、上記の5つすべてを精読する価値があります。

彼の記事は高尚なビジネス理論ではなく、経験豊富な先輩が世間話をするように、素朴だが非常に役立つ道理を教えてくれるものです。幸運を祈ります!