高血糖と低血糖とはそれぞれ何ですか?どちらがより危険ですか?
作成日時: 8/13/2025更新日時: 8/18/2025
回答 (1)
はい、血糖値の高低についてお話ししましょう。できるだけ分かりやすく説明しますね。
高血糖と低血糖、どちらが命に関わる? 体の中の「糖」について
「血糖値」と聞くと糖尿病の人の問題だと思いがちですが、実は私たち一人ひとりの健康に深く関わっています。血糖値は、体という「機械」を動かす「燃料」のようなものと考えてください。燃料が多すぎても少なすぎても、車はトラブルを起こします。
1. 高血糖:体の中の「糖水」が濃すぎる
簡単に言うと、高血糖とは血液中の糖分(ブドウ糖)が多すぎる状態です。
- 例えるなら: コップの水に砂糖を入れすぎて溶けきらず、ベタベタ・ドロドロになるようなものです。血液も同じで、糖分が多すぎると粘り気が強くなり、流れにくくなります。
- なぜ起こる? 主な原因は、糖分を「運ぶ」役割の「作業員」であるインスリンが、数が足りないか、働きが悪いかのどちらかです。糖分が細胞にうまく運ばれてエネルギーとして使われないため、血液中に溜まってしまうのです。
- 体のサイン:
- 「三多一少」: 食べる量が増える(多食)、飲む量が増える(多飲)、尿の量・回数が増える(多尿)、それなのに体重が減る(体重減少)。これは体が「たくさん飲んでたくさん尿を出す」ことで、余分な糖分を排出しようとしているためです。
- 疲労感、だるさ: 糖分が血液中で「渋滞」し、本当にエネルギーを必要とする細胞が「空腹」状態になるため、当然疲れを感じます。
- 視界のかすみ: 血液が「甘すぎる」状態が続くと、目の水晶体に影響し、一時的な視力障害を引き起こすことがあります。
2. 低血糖:体の「エネルギー」が危機的状況
低血糖はその逆で、血液中の糖分が少なすぎて、体の「燃料」が切れかけている状態です。
- 例えるなら: スマートフォンのバッテリーが突然1%になり、いつでも電源が落ちそうになるようなものです。私たちの体、特に脳は血糖値にとても敏感で、「燃料」の供給が不足すると、すぐに警報を鳴らします。
- なぜ起こる? 薬の量が多すぎる(インスリンの打ちすぎなど)、食事の量が少なすぎる・遅すぎる、激しい運動でエネルギーを消費しすぎた、などが原因です。
- 体のサイン: 症状は非常に速く現れ、明らかです:
- 初期の警告: 動悸、手の震え、冷や汗、猛烈な空腹感、全身の脱力感。これは体が「早く!糖分が必要だ!エネルギー切れだ!」と訴えているサインです。
- 悪化すると: めまい、集中力の低下、イライラ、ろれつが回らない。これは脳が「停電」し始めている兆候です。
- 重症の場合: 意識喪失(昏睡)、けいれん。脳の「燃料」が完全に枯渇すると、深刻な結果を招きます。
では、結局どちらがより危険なのか?
これは非常に重要な質問です。答えは:緊急性と致死的な観点から見ると低血糖がより危険、長期的で破壊的な観点から見ると高血糖がより恐ろしい。
💥 「急性」の面から:低血糖の方が命に関わる!
低血糖の発作は非常に急速で、「緊急事態」と言えます。
- 突然の火災のようなもので、すぐに消火しなければなりません。なぜなら、私たちの脳はほぼ完全にブドウ糖にエネルギーを依存しているため、血糖値が低すぎると、脳の機能は数分以内に深刻な影響を受けるからです。
- 適切な処置が遅れると、短時間で意識喪失、脳障害、さらには死に至る可能性があります。そのため、糖尿病患者は、ポケットに数個のキャンディや糖分を含む飲み物を常備しておくことが「命を救う」ことになるのです。
🐢 「慢性」の面から:高血糖は「カエルを温水でゆっくり煮る」ようなもの
高血糖の危険性は、その「慢性的」で「目立たない」性質にあります。
- 温水でカエルをゆっくり煮るようなもので、最初はほとんど自覚症状がないかもしれませんが、体を絶えず「蝕み」続けます。
- 長期間にわたる高血糖は、特に最も細い血管や神経を含む全身の血管をゆっくりと傷つけ、様々な恐ろしい合併症を引き起こします:
- 目: 網膜症を引き起こし、最終的には失明する可能性があります。
- 腎臓: 腎不全を引き起こし、透析で生命を維持する必要が出てきます。
- 足: 神経障害や血管閉塞を引き起こし、小さな傷でも治りにくくなり、最終的には切断のリスク(糖尿病性足病変)に直面します。
- 心臓・脳血管: 心臓病や脳卒中のリスクを大幅に高めます。
まとめ
低血糖 | 高血糖 | |
---|---|---|
危険性 | 急性、致死的 | 慢性、長期的な損傷 |
特徴 | 発症が速く、数分から数時間で深刻な事態に | 長期間コントロール不良が続き、様々な重篤な合併症を引き起こす |
対処 | 一刻を争う、すぐに糖分を補給(キャンディ、ジュースなど) | 長期戦、生活習慣の改善と薬物療法が必要 |
例え | 突然の火災 | カエルを温水でゆっくり煮る |
最後に:
高血糖も低血糖も、どちらも体からの警告サインです。低血糖は即座に対処が必要な「急な病(急驚風)」、高血糖は長期的な管理が必要な「慢性的な病(慢郎中)」です。私たち一般人にとって、健康的な生活習慣を保ち、定期的に健康診断を受け、自身の血糖値の変化に注意を払うことは非常に重要です。血糖値をうまく管理することは、将来の健康的な生活にとって最も重要な保険をかけるようなものなのです。
作成日時: 08-13 13:01:31更新日時: 08-13 16:20:56