糖尿病

糖尿病とは何ですか？

糖尿病 (Diabetes Mellitus)

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用が不足したり、その働きが悪くなったりすることで、血液中のブドウ糖濃度（血糖値）が慢性的に高くなる疾患です。血糖値が高い状態が続くと、全身の血管や神経が傷つき、様々な合併症を引き起こす可能性があります。

■ 糖尿病の主な種類

糖尿病は、その原因によって主に以下の4つのタイプに分類されます。

種類	特徴	主な原因
1型糖尿病	インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が自己免疫などによって破壊され、インスリンが絶対的に欠乏する状態。若年層での発症が多いが、どの年齢でも発症しうる。	自己免疫、ウイルス感染、遺伝的要因など。生活習慣とは直接関係しない。
2型糖尿病	インスリンの分泌量が低下したり、インスリンの効きが悪くなる（インスリン抵抗性）状態。日本の糖尿病患者の9割以上を占める。	遺伝的要因に加え、過食、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣が大きく関与する。
妊娠糖尿病	妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常。胎児への影響や、将来母親が2型糖尿病になるリスクが高まる。	妊娠によるホルモンバランスの変化がインスリンの働きを妨げることが原因。
その他の特定の機序・疾患による糖尿病	遺伝子異常、他の疾患（膵臓の病気、内分泌疾患など）、薬剤などが原因で発症する糖尿病。	原因となる疾患や薬剤が明確である。

■ 主な症状

初期の糖尿病は自覚症状がほとんどないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

異常な喉の渇き（口渇）
頻繁な排尿（多尿）
大量の水分摂取（多飲）
理由のない体重減少
全身の倦怠感、疲れやすさ
視力のかすみ（かすみ目）
手足のしびれや痛み
感染症にかかりやすくなる（特に皮膚や歯周病）

■ 深刻な合併症

高血糖の状態を放置すると、全身に深刻な合併症を引き起こすリスクが高まります。

細小血管症（三大合併症）

合併症	概要
糖尿病網膜症	目の網膜にある細い血管が傷つき、視力低下や失明に至る可能性がある。
糖尿病腎症	腎臓の糸球体にある毛細血管が傷つき、腎機能が低下する。進行すると人工透析が必要になる。
糖尿病神経障害	手足の末梢神経が障害され、しびれ、痛み、感覚の麻痺などが起こる。足の壊疽の原因にもなる。

大血管症

合併症	概要
心筋梗塞・狭心症	心臓に栄養を送る冠動脈の動脈硬化が進行し、心臓の血流が滞る。
脳梗塞	脳の血管の動脈硬化が進行し、血管が詰まることで脳組織が壊死する。
末梢動脈疾患 (PAD)	足の血管の動脈硬化により血流が悪化し、歩行時の痛みや、重症化すると足の切断に至る。

■ 診断基準

糖尿病の診断は、主に血液検査によって行われます。以下のいずれかの基準を満たす場合に「糖尿病型」と判定されます。

検査項目	診断基準値
空腹時血糖値	126 mg/dL以上
75g経口ブドウ糖負荷試験 (OGTT) 2時間値	200 mg/dL以上
随時血糖値	200 mg/dL以上
HbA1c (ヘモグロビンA1c)	6.5%以上

※HbA1cは過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映する指標です。 ※血糖値とHbA1cの両方が基準値を超えている場合、または別の日に行った検査で再度「糖尿病型」が確認された場合に、糖尿病と診断されます。

■ 治療の基本

糖尿病治療の目的は、血糖値を良好な状態にコントロールし、合併症の発症や進行を防ぐことです。治療の基本は以下の3つです。

食事療法:
- 適切なエネルギー量を摂取する。
- 栄養バランスの取れた食事を心がける（主食・主菜・副菜）。
- 食物繊維を多く摂り、血糖値の急上昇を抑える。
- 1日3食、規則正しく食べる。
運動療法:
- ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動が中心。
- 筋力トレーニングを組み合わせることで、インスリンの効果が高まる。
- 食後1時間頃に行うのが効果的。
薬物療法:
- 食事療法と運動療法で血糖コントロールが不十分な場合に行う。
- 経口血糖降下薬: インスリンの分泌を促す薬、インスリンの効きを良くする薬など、様々な種類がある。
- 注射薬 (インスリン、GLP-1受容体作動薬): 不足しているインスリンを直接補充したり、インスリン分泌を助けるホルモンを補う。

良好な血糖コントロールを維持し、健康な生活を送るためには、これらの治療法を継続し、定期的に医療機関を受診することが極めて重要です。

糖尿病の最新の質問 (122)

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痛風

はい、それらは非常に密接な関係にあり、いわば「悪党仲間」のようなものです。このように理解してください。私たちの体は精密な化学工場のようなもので、毎日さまざまな複雑な化学反応を行っています。このプロセスを「新陳代謝」と呼びます。痛風の根本原因は、「尿酸」という代謝老廃物が多すぎることです。排出されずに体内で悪さをし、特に関節で破壊活動を行います。

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流行性耳下腺炎

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はい、おたふく風邪（流行性耳下腺炎）に膵炎が合併した場合に、体が発する「危険信号」についてお話ししましょう。おたふく風邪にかかったことのある方ならご存知かもしれませんが、顔がパンパンに腫れるのが典型的な症状です。しかし、時にはウイルスが大人しくせず、他の臓器にまで侵入してしまうことがあります。膵臓もその標的になりやすい、比較的厄介な場所の一つです。

おたふく風邪は永続的な難聴を引き起こす可能性がありますか？

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こんにちは、ご質問について、私の理解を共有させていただきます。おたふく風邪は永続的な聴力障害を引き起こす可能性がありますはい、その通りです。発生する確率は高くありませんが、おたふく風邪は小児および青年における永続的な片側性感音難聴の後天性原因の一つです。おたふく風邪の最も深刻な合併症の一つとされています。

女性が流行性耳下腺炎（おたふく風邪）にかかった場合、どのような特有の合併症が現れる可能性がありますか？

流行性耳下腺炎

こんにちは！女性がおたふく風邪にかかった際に起こりうる特有の合併症について、お話ししましょう。おたふく風邪は「流行性耳下腺炎」とも呼ばれ、子どもの病気だと思われがちですが、実は大人もかかることがあり、その場合、症状がより重く、合併症も多くなる傾向があります。特に女性の場合、注意すべき点がいくつかあります。女性特有の合併症：卵巣炎 (Oophoritis) これは最も注意すべき点です。

流行性耳下腺炎の最も一般的な合併症は何ですか？

流行性耳下腺炎

はい、おたふく風邪の合併症について、私の理解を共有させてください。これで、この病気についてより深く理解できることを願っています。おたふく風邪自体は、ご存知の通り、顔が腫れておたふくのようになる、主に耳下腺がウイルスに感染する病気です。ほとんどの場合、特に子供では、1週間ほど安静にしていれば治ります。しかし、このウイルスは時々「暴れん坊」で、体中を「駆け巡り」、他の場所で悪さをすることがあります。

免疫不全者がヘルペスに感染した場合、どのような特別な状況が考えられますか？

ヘルペス

はい、免疫機能が比較的低下している方がヘルペスウイルスに感染した場合に、どのような特殊な状況に遭遇する可能性があるかについてお話ししましょう。私たちの免疫システムは、体内の「警察」のようなものだと想像してみてください。健康な人にとって、この「警察」は非常に強力なので、ヘルペスウイルスという「ちっぽけな悪者」は、せいぜいたまに悪さをする程度で、すぐに鎮圧されてしまいます。

ヘルペス脳炎は重篤な合併症ですか？

ヘルペス

はい、この件についてご説明します。ヘルペス脳炎は重篤な合併症ですか？はい、非常に重篤です。これは神経内科において、最も危険で緊急性の高い疾患の一つと理解してください。単なる風邪や発熱とは異なり、脳内で「火災」が起きているような災害です。少し脅かすような言い方かもしれませんが、その重要性を理解していただきたいのです。なぜこれほど重篤なのか、いくつかの側面からご説明します。 1.

ヘルペスの潜在的な合併症は何ですか？

ヘルペス

こんにちは。ヘルペスという話題は、確かに少し緊張するかもしれませんね。でもご安心ください。ヘルペスにかかった人のほとんどは、ごく普通の生活を送っており、合併症は稀です。とはいえ、知っておいて損はありません。備えあれば憂いなし、というわけです。ヘルペスを、あなたの体内に「潜伏」しているウイルスだと考えてみてください。ほとんどの時間は眠っていますが、たまに目を覚まして悪さをします。