香織 直子
香織 直子
Immunologist studying viral immunity responses.
はい、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)に膵炎が合併した場合に、体が発する「危険信号」についてお話ししましょう。おたふく風邪にかかったことのある方ならご存知かもしれませんが、顔がパンパンに腫れるのが典型的な症状です。しかし、時にはウイルスが大人しくせず、他の臓器にまで侵入してしまうことがあります。膵臓もその標的になりやすい、比較的厄介な場所の一つです。
もしおたふく風邪ウイルスが膵臓を攻撃し、膵炎を引き起こした場合、通常、耳下腺の腫れが出てから約4日から10日以内に、以下のような症状が現れますので、注意が必要です。
主な危険信号
1. 突然の激しい腹痛
これは最も典型的で、最も警戒すべき信号です!
- 場所:痛みは主にみぞおちから上腹部に集中します。胃の痛みと似ていますが、通常の胃痛よりもはるかに激しいです。
- 感覚:通常は突然発症する、持続的な激痛または差し込むような痛みで、まるでナイフで刺されるような感覚です。
- 特徴:この痛みはしばしば背中に放散し、まるで誰かがお腹から背中にかけて帯で締め付けているような感覚です。体をかがめたり、丸まったりすると、痛みが少し和らぐことがあります。
2. 吐き気と頻繁な嘔吐
腹痛にはしばしば吐き気が伴います。
- 嘔吐は非常に頻繁で、時には「噴水状」に吐くこともあります。
- 重要なのは、吐いた後も腹痛が軽減しないことです。これは、多くの一般的な胃腸炎とは異なる点です。
3. 発熱
元々おたふく風邪で微熱があったとしても、体温が再び上昇し、高熱(通常38.5℃以上)が出ることもあります。これは体内の炎症反応が悪化していることを示します。
4. 腹部膨満感と食欲不振
膵臓が炎症を起こしているため、消化器系全体が「ストライキ」を起こし、お腹が張って苦しく、全く食欲がなくなり、食べ物を見るのも嫌になります。
その他の可能性のある信号
- 倦怠感:体全体が非常にだるく、元気が出ず、横になりたがります。
- 黄疸(比較的まれ):膵臓がひどく腫れて胆管を圧迫すると、皮膚や白目が黄色くなり、尿の色が濃いお茶のようになることがあります。
要点のまとめ
簡単に言うと、もしあなたやご家族がおたふく風邪にかかり、顔が腫れて数日後、突然:
「上腹部の激痛 + 背中への放散痛 + 吐き気・嘔吐 + 発熱」
これらの症状がまとめて現れたら、すぐに、直ちに病院を受診してください!決して、ただの胃腸炎や胃の病気だと思って自己判断で薬を飲んで我慢しないでください。
医師は血液検査でアミラーゼ値(この数値が急上昇します)や超音波検査などを行い、診断を確定します。少し怖い話に聞こえるかもしれませんが、早期に発見し、適切な治療を受ければ、ほとんどの場合、順調に回復できます。心配しすぎず、しかし必ず重視してください!