尿酸値の上昇は必ず痛風を引き起こすのでしょうか?(高尿酸血症だからといって必ずしも痛風になるわけではありませんが、痛風の患者さんは全員高尿酸血症です)

Ottfried Dörschner
Ottfried Dörschner
Clinical researcher with 7 years in metabolic diseases.

必ずしもそうではありません。これらは別物ですが、非常に密接な関係があります。

このように理解してください。私たちの血液は一杯の水のようなもので、尿酸は塩です。

**尿酸値が高い(高尿酸血症)**というのは、この水に溶けている塩が多すぎて、濃い塩水になっているようなものです。この段階では、この水はただ「塩辛い」だけで、他に問題は起きていません。多くの人は、この「濃い塩水」の状態が長く続いていても、体に特別な自覚症状がないかもしれません。

では、痛風とは何でしょうか?それは、この濃い塩水の中の塩があまりにも多すぎて、水に溶けきれなくなり、結晶化して固体の塩粒に戻ってしまった状態です。これらの「塩粒」(尿酸塩結晶)が、足の指、足首、膝などの関節に沈着し、激しい赤み、腫れ、熱感、痛みを引き起こします。この発作が起きるプロセスこそが痛風なのです。

したがって、結論は非常に明確です。

  1. 尿酸値が高いのは、痛風の「前兆」あるいは「土壌」に過ぎません。この土壌があって初めて痛風という「悪しき結果」が生じる可能性がありますが、必ずしもそうなるわけではありません。尿酸値が高い状態が一生続いても、一度も痛風を発症しない人も多くいます。
  2. しかし、痛風を発症した場合は、必ず尿酸値が高いことが原因です。なぜなら、あの「濃い塩水」という基礎がなければ、「塩粒」が析出することはないからです。

要するに、健康診断で尿酸値が高いと指摘されたら、それは警告信号です。食事に気をつけ、水分を多く摂り、あの水が「もっと塩辛く」ならないように注意すべきだというサインです。しかし、すぐに痛風になったと過度に恐れる必要はありません。関節に実際に赤み、腫れ、熱感、痛みが出たとき、それが痛風が訪れた時なのです。