バフェットはレバレッジ(負債)の利用をどのように考えていますか?バークシャー・ハサウェイ自身の貸借対照表は何を明らかにしていますか?

作成日時: 7/30/2025更新日時: 8/17/2025
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### バフェットのレバレッジ(負債)に対する見解

ウォーレン・バフェットは一貫してレバレッジの使用に慎重、むしろ反対の姿勢を示しています。彼はレバレッジがリターンを増幅する一方でリスクも拡大し、特に市場の変動や景気後退時には壊滅的な結果を招く可能性があると考えています。バフェットは複数の株主への手紙で以下の点を強調しています:

- **高レバレッジの回避**:バフェットはレバレッジを「諸刃の剣」と見なし、優良企業をさらに強くする一方、脆弱な企業を急速に崩壊させると指摘します。「レバレッジは投資家の敵」といった表現を用い、無借金または低負債企業を優先するよう助言しています。
- **保守的な財務原則**:バフェットは債務依存ではなく、内部キャッシュフローと株式発行による成長を主張します。1987年の株主への手紙では、優良企業であっても負債が破綻リスクを高めると述べています。
- **保険事業におけるレバレッジ**:バークシャー・ハサウェイは保険「浮存金」(前受け保険料)を低コストの「レバレッジ」として活用していますが、これは高利子を伴わず投資に充てられるため、従来の借入とは性質が異なります。

総じてバフェットは、一般投資家に対しレバレッジを避け、短期投機ではなく長期のバリュー投資に集中するよう推奨しています。

### バークシャー自身の貸借対照表が示すもの

バークシャー・ハサウェイの貸借対照表は、バフェットの保守的な財務哲学を体現し、極めて低いレバレッジ水準と堅牢な財務健全性を示しています。主なポイントは以下の通りです:

- **低い負債比率**:直近の財務報告によれば、バークシャーの負債資本比率(D/Eレシオ)は通常0.5未満(例:2022年は約0.25)であり、同業他社を大きく下回ります。これは外部借入ではなく、主に株式資本と内部資金に依存していることを示しています。
- **高流動性資産**:多額の現金及び短期投資(2023年時点で1000億ドル超の現金準備)を保有し、債務依存を回避する緩衝材となっています。保険子会社が生み出す浮存金(約1600億ドル)は再投資に活用される「無利子レバレッジ」として機能します。
- **反映される哲学**:これはバフェットの安全性重視を反映しており、精密鋳造会社(Precision Castparts)やアレガニー(Alleghany)の買収時にも、借入より現金での支払いを優先しています。同社の貸借対照表は、2008年金融危機時に深刻な打撃を受けなかったように、経済的ショックに耐え得る体力を示しています。
- **潜在的なリスク**:低レバレッジながらも、保険浮存金には請求リスクが潜んでいますが、バフェットは厳格な引受審査によりその持続可能性を確保しています。

バークシャーの貸借対照表は財務健全性の模範であるだけでなく、年率20%超の複利成長を実現する「無借金経営」戦略の有効性を証明しています。
作成日時: 08-05 08:30:36更新日時: 08-09 02:25:25