扁桃腺摘出術は、この問題の最終的な解決策でしょうか?その利点と欠点について教えてください。

作成日時: 8/15/2025更新日時: 8/18/2025
回答 (1)

こんにちは。扁桃腺結石(へんとうせんけっせき)で悩んでいるようですね。お気持ち、よくわかります。のどに何か詰まっているような違和感や、変なニオイのする小さな粒が咳(せき)とともに出てきたり、口臭が気になってしまうというのは、本当にストレスがたまりますよね。

扁桃腺摘出術(へんとうせんてきしゅつじゅつ)について、それが本当にこの問題の「最後の手段」なのか、メリットとデメリットをかみ砕いてお話ししましょう。


問題:扁桃腺摘出術は根本的な解決策ですか?その長所と短所は?

結論からハッキリお答えします:はい、繰り返し発生し、生活に支障をきたすような扁桃腺結石の場合、扁桃腺を摘出する(とる)ことが現在、唯一の「根本治療」となる最終的な解決策です。

これを「最終奥義(さいしゅうおうぎ)」のようなものと考えてください。結石を作り出す「工場」である扁桃腺自体を取り除いてしまえば、「製品」である結石が新たに作られることはなくなるからです。

ただし、この「最終奥義」は安易に使えるものではありません。はっきりしたメリットがある一方で、ためらうようなデメリットもあります。


先にメリット(長所)について、手術を検討したくなる理由

  1. 一度で、完全に結石から解放される

    • これが最大の魅力であり、手術の本質的な目的です。扁桃腺表面にあるデコボコした「陰窩(いんか)」がなくなれば、食べかすや細菌が溜まって発酵(はっこう)し、結石が形成される場所がなくなります。鏡を見ながら綿棒(めんぼう)で無理に取ろうとしたり、人と接するときに突然口臭(こうしゅう)を気にする必要もなくなります。
  2. 扁桃腺に関わる他の問題も同時に解決できる

    • 結石だけでなく、慢性扁桃炎(まんせいへんとうえん) を併発している人も多いです。例えば、のどが頻繁(ひんぱん)に腫(は)れたり痛んだり、よく熱を出すといった症状(しょうじょう)です。扁桃腺を摘出すれば、こうした問題も一緒に解決できます。何度も風邪をひかずに済み、抗生物質(こうせいぶっしつ)を飲む機会も減ります。
  3. 生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)の向上

    • 口臭、異物感(いぶつかん)、繰り返す炎症(えんしょう)といった問題が解消されると、精神的なストレスが減り、人との関わりへの自信も大きく向上します。これは一種の「心の解放」とも言えます。

次にデメリット(短所)について、手術をためらう理由

  1. 正真正銘(しょうしんしょうめい)の手術であり、リスクが伴う

    • これは、歯(は)を抜くのとはわけが違います。全身麻酔(ぜんしんますい)下で行われます。技術は進化していますが、どんな手術にも麻酔のリスク、術後の出血、感染の可能性などがゼロではありません。確率は低くても、こうしたリスクがあることは認識しておく必要があります。
  2. 回復過程が、まさに「地獄(じごく)」のようだ(特に大人の場合)

    • これが手術を躊躇(ちゅうちょ)させる最大の理由ではないでしょうか? 正直に申し上げます。子どもは比較的早く回復しますが、大人がこの手術を受けると、術後 10日から14日間 は続く激しい痛みとの戦いになります。
    • どのくらい痛いのか? 「ガラスの破片(はへん)を飲み込んでいるようだ」と表現する人が多いです。ツバを飲んだり、水を飲んだり、食事をしたりする度に、その激痛に耐えることになります。
    • 術後の最初の数日は、水を飲むことさえ困難で、冷えた飲み物や流動食(りゅうどうしょく)(アイスクリーム、冷たい牛乳など)だけで乗り切るしかなく、その結果、体重が減ってしまうことも珍しくありません。痛み止めは必須(ひっす)ですが、効果が追いつかないこともあり、自身の忍耐力(にんたいりょく)が試される困難な期間です。
  3. 免疫器官(めんえききかん)をひとつ失うことになる

    • 扁桃腺はのどの「門番(もんばん)」のような役割を担い、免疫システムの一部として、ウイルスや細菌(さいきん)の侵入を防ぐのに役立っています。大人にとって扁桃腺の免疫的役割が子どもほど重要でない(他の多くの免疫器官が働いている)ことや、逆に感染症の「温床(おんしょう)」になっている場合もあるとしても、「元々の部品」をひとつ失うことへの漠然(ばくぜん)とした不安や懸念(けねん)は残るものです。切除後は「風邪や咽頭炎(いんとうえん)に若干(じゃっかん)かかりやすくなった気がする」と感じる人がごく一部いるようですが、これを広く裏付ける統計データは存在しません。
  4. 費用(ひよう)と時間のコスト

    • 手術自体に費用がかかる上に、回復に集中するために少なくとも2週間ほど仕事等を休まなければなりません。これらも現実的に考慮すべき問題です。

では、どうしたらいいのか?

慌(あわ)てて決断する必要はありません。以下のような道筋(みちすじ)で考えてみてください。

  • ステップ1:まずは保存的治療(ほぞんてきちりょう)(手術しない方法)を試してみる

    • あなたの扁桃腺結石は、どの程度重症(じゅうしょう)ですか? たまに出る程度ですか? それとも毎日のように発生しますか? もし発見されるのが稀(まれ)な程度であれば、まずは口の中の衛生(えいせい)を徹底(てってい)しましょう。食後のうがいを入念にし、ウォーターフロス(水圧で洗浄(せんじょう)する器具)の最弱モードを使って扁桃腺の陰窩をやさしく洗い流してみる(これは十分に注意が必要です)。多くの場合、こういった方法でかなりの改善が見られます。
  • ステップ2:自分の抱える苦痛度合いを評価する

    • 保存的治療を試しても効果がなく、結石が次々と発生し、生活に深刻な影響(えいきょう)が出ている場合。具体的には:
      • 口臭が気になり、人と近距離で話すのを避けてしまい、仕事や人間関係に支障(ししょう)が出ている。
      • のどに何か詰まっている感覚(異物感)が常にあり、イライラする。ひどい場合は睡眠さえも妨(さまた)げられる。
      • 扁桃腺が頻繁(ひんぱん)に炎症を起こし、年間何度も腫れて痛み、その度に薬や注射(ちゅうしゃ)が必要になる。
    • このような「苦痛(デメリット)」が、手術回復期の痛みへの「恐怖(きょうふ)」をはるかに上回っていると感じるのであれば、手術の「メリット」の方が大きくなってきます。
  • ステップ3:信頼できる耳鼻咽喉科医(じびいんこうかい)に相談する

    • これが最も重要です。病院に行き、あなたが抱えるすべての問題(結石、口臭、扁桃腺の炎症の頻度など)を医師に伝えてください。医師はあなたの扁桃腺の状態(大きさが極端か、陰窩は深いか、いつも赤く腫れていないかなど)を診察した上で、専門的なアドバイスをくれるはずです。
    • 普通、扁桃腺結石だけの問題であまり大きなトラブルを抱えていない場合、医師は安易に手術を勧めません。しかし、頻繁な扁桃腺炎を併発している場合や、結石が明らかな苦痛の原因となっている場合には、治療の選択肢として手術を提案するでしょう。

まとめ:

扁桃腺摘出術は扁桃腺結石の究極(きゅうきょく)の解決策ですが、それは「2週間の激痛(げきつう)という代償(だいしょう)と引き換えに、残りの人生をすっきり生きる」という取引(とりひき)です。

この取引があなたにとって「値する」(得かどうか)かは、今この瞬間、結石によってあなたがどれだけ苦しんでいるかに完全に依存します。もし、その苦痛が耐えがたいものであれば、手術の価値は高いと言えます。まだ耐えられるのならば、他の痛みの少ない方法(保存的治療)を引き続き試みるのも選択肢です。

この回答がお役に立てれば幸いです。最終的な決断をする前には、よく考え抜き、家族や担当医と話し合うようにしてくださいね。

作成日時: 08-15 15:41:51更新日時: 08-15 16:11:22