スリランカのウミガメ孵化保護区は訪れる価値がありますか?

Immo Täsche
Immo Täsche
Wildlife enthusiast and photographer with extensive travels across Sri Lanka.

この質問は、スリランカを訪れる多くの友人が尋ねるものです。私個人の意見では、行く価値はありますが、場所を慎重に選び、正しい期待を持つことが重要です。

そのメリットと注意点を整理しますので、あなたに合っているかどうか判断できるでしょう。

なぜ行く価値があるのか?

  1. 間近で触れ合える素晴らしい体験:これが最大の魅力です。生後1、2日の手のひらサイズの小さなウミガメが目の前でバタバタするのを見ることができます。その生命力は本当に癒されますし、特に子供連れなら忘れられない経験になるでしょう。怪我をして保護された大人のウミガメを見ることもでき、彼らの物語を知ることができます。

  2. 教育的な意義がある:世界にはさまざまな種類のウミガメ(アオウミガメ、タイマイなど)がいること、彼らの生態、そして海洋プラスチック、漁網による被害、密猟など、彼らが直面している生存の脅威について学ぶことができます。ドキュメンタリーを見るよりも深く感じられる、生きた自然教室です。

  3. 保護活動の支援(理論上):正規の保護区であれば、あなたの入場料はウミガメの卵の保護(砂浜から集めて動物や人間に盗まれるのを防ぐ)、怪我をしたウミガメの救助、スタッフの運営費に充てられます。これらの愛らしい生き物の保護に貢献していると感じられるでしょう。

  4. 小さなウミガメを放流する儀式感:多くの保護区では、夕方に小さなウミガメを放流するイベントがあります。夕日の中、自分の手で小さなウミガメを海に返し、波に向かって懸命に這っていく姿を見るのは、非常に特別で儀式的な感覚です。

しかし、注意すべき「落とし穴」もあります:

  1. 商業化と倫理的論争:これが最も重要な点です。スリランカ沿岸にはウミガメの孵化場が非常に多くありますが、質はまちまちです。中には、はっきり言って「保護区」ではなく、ただの「観光地」になっている場所もあります。彼らは小さなウミガメを狭いコンクリートの池で長く飼育し、観光客がいつでも見たり触ったりできるようにしています。さらには、お金のために時間に関係なく放流することもありますが、これはウミガメの本来の習性(通常、夜間に孵化し、月の光と温度を頼りに天敵から逃れるために海へ向かう)に反しており、生存率を低下させる可能性があります。

  2. 体験が期待外れになる可能性:大きな水族館や国立公園のような場所だと想像しないでください。ほとんどの保護区は非常に質素で、海辺に建てられたいくつかの小屋と、いくつかの大きな水槽があるだけです。見学全体にかかる時間は30分から1時間程度かもしれません。

  3. 「本物」と「偽物」の保護区を見分ける方法:これは難しい問題です。簡単な判断方法は観察することです。

    • 環境:水槽は清潔か?ウミガメの活動スペースは十分か?過密状態ではないか?
    • 動物への接し方:スタッフは観光客が自由に小さなウミガメに触ったり、捕まえたりすることを許しているか?(正規の場所では通常、許可しないか、厳格な指導があります)
    • 大人のウミガメ:そこにいる大人のウミガメは、すべて怪我や障害のために海に戻れない個体か?もし健康な大人のウミガメがたくさん飼育されているなら、問題があるかもしれません。
    • 知識の説明:スタッフは熱心に保護に関する知識を説明してくれるか、それともただお金を払って放流するように急かすだけか?

私の提案:

  • 事前調査をする:Googleマップ、トリップアドバイザー、または旅行ガイドなどで、特に悪い評価に書かれている問題点に注意して、多くのレビューを確認してください。非営利団体、国際機関に認定されている、または評判が特に良い保護センターを探しましょう。
  • 期待値を下げる:ウミガメについて学び、保護活動を支援する小さなアクティビティとして捉え、主要な観光スポットだとは思わないでください。
  • より自然な体験を選ぶ(条件が許せば):南部のレカワビーチでは、いくつかの環境保護団体が夜間の観察ツアーを企画しています。ウミガメを邪魔しないように、ガイドの案内で砂浜で野生のウミガメが産卵のために上陸するのを静かに待つことができます。この体験は大変ですが(夜更かしが必要で、必ず見られるとは限りません)、孵化場で見るよりもはるかに感動的でリアルなものです。

まとめると:あなたが動物好き、または子供連れで旅行していて、ユニークな交流や教育的な体験をしたいのであれば、信頼できるウミガメ孵化センターを見つける価値は十分にあります。しかし、動物福祉に対する要求が非常に高い、または商業化された観光地に強い抵抗がある場合は、慎重に選択するか、いっそのことレカワビーチでより純粋な自然の驚異を体験することをお勧めします。