「年末調整」と「確定申告」とは何ですか?自分で確定申告をする必要がありますか?

作成日時: 8/11/2025更新日時: 8/17/2025
回答 (1)
こんにちは!この質問にはすごく共感します。私も日本に来たばかりの頃、この2つの言葉に混乱しました。ご心配なく、実は思っているよりずっと簡単です。分かりやすく説明しましょうね。

簡単に言うと、どちらも個人所得税の「最終決算」に関するものです。政府は普段、あなた(またはあなたの会社)に概算で税金を前払いさせておき、年末に1年分の実際の状況に基づいて最終計算を行い、払い過ぎた分は戻り、足りない分は追加で支払います。**「年末調整」は会社が計算してくれ、「確定申告」は自分で計算するものです。**

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### 「年末調整」(Nenmatsu Chōsei) とは?

**会社が代わりに行ってくれる「簡易版の納税手続き」** と考えてください。

*   **対象者は?**
    ほとんどの会社員(「会社員」)。

*   **どういう仕組み?**
    1.  **普段の源泉徴収**: 毎月の給与から、会社はあなたの給与をもとに概算した所得税を事前に差し引きます。このお金を「源泉徴収税」といいます。これは毎月「税金を前払い」しているようなものです。
    2.  **年末の調整**: 年末(通常11月~12月)に、会社がいくつかの書類を渡します。そこに以下のような個人情報を記入します:
        *   今年、生命保険や地震保険に入りましたか?(税額控除の対象)
        *   扶養家族(配偶者、子供、親)はいますか?(税額控除の対象)
    3.  **会社が最終計算**: 会社はあなたの情報をもとに、**1年間で本当に支払うべき税金の総額**を再計算します。そして、その年に「前払い」した税金の総額と比較します。
        *   **前払いが多かった場合**: おめでとう!払い過ぎた分は戻ってきます。通常、12月または1月の給与明細に反映され、給料が少し増えていることに気づくでしょう。
        *   **前払いが少なかった場合**: 不足分を追加で支払う必要があり、会社はその差額を給与から差し引きます。

*   **あなたがすることは?**
    会社から書類を渡されたら、保険証書などの証明書類を提出し、正直に記入するだけです。残りの計算や申告手続きは会社がすべて行います。**一か所からしか給与をもらっていないほとんどの会社員にとって、「年末調整」をすればそれで終わり。税務上の問題は解決したことになります。**

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### 「確定申告」(Kakutei Shinkoku) とは?

**「正式かつ包括的な個人の年間納税申告」** と考えてください。これは**自分自身で行う必要があります**。

*   **対象者は?**
    1.  **フリーランス、個人事業主**: 税金を源泉徴収してくれる会社がないため、すべての収入を自分で計算し、申告する必要があります。
    2.  **年収2000万円を超える会社員**: 法律で、高所得者は自分で申告することが義務付けられています。
    3.  **副業収入がある人**: 例えば、本業の傍ら個人で仕事を請け負ったり、転売をしたり、動画配信者(UP主)として活動したりする場合、副業の年間所得(売上ではなく、経費を差し引いた利益)が20万円を超えると、その部分を自分で申告する必要があります。
    4.  **年度途中で転職・退職した人**: 年末調整の時期より前に退職し、新しい会社がまとめて「年末調整」をしてくれない場合、自分で「確定申告」を行う必要があります。
    5.  **特別な税額控除を申請したい会社員**: 会社が「年末調整」をしてくれていても、会社では扱えない控除項目があり、自分で申告しなければ還付を受けられないものがあります。最も一般的なのは:
        *   **医療費控除**: 1年間に自分や家族の医療費・薬代が高額(通常10万円超)だった場合、還付を申請できます。
        *   **住宅ローン控除**: 住宅を購入し、ローンを組んでいる場合、初年度の住宅ローン控除の申請は自分で「確定申告」を行う必要があります。
        *   **ふるさと納税**: 人気のある寄付による税額控除制度で、これを行った場合も自分で申告する必要があります。

*   **あなたがすることは?**
    **翌年の2月16日から3月15日**の間に、すべての収入証明(会社の「源泉徴収票」など)や、各種経費・控除項目の領収書・証明書類を準備し、お住まいの地域の**税務署**で手続きするか、オンラインで申告します。

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### では、結局自分で申告する必要があるの?

この質問はとてもシンプルです。以下の考え方で判断できます:

*   **状況A:基本的に必要なし**
    あなたが**一般的な会社員**で、一社のみで働き、年収が2000万円未満、副業もなく、上記の自分で申告が必要な特別な控除項目も当てはまらない場合。
    **➡️ 会社が行う「年末調整」で十分です。あなたは何も心配する必要はありません。**

*   **状況B:自分で申告必須**
    上記の「確定申告」対象者のいずれかに該当する場合(フリーランス、副業収入20万円超、医療費控除の申請希望など)。
    **➡️ 決められた期間内に、自分で「確定申告」を行う必要があります。**

### まとめ

| 項目 | 年末調整 (Nenmatsu Chōsei) | 確定申告 (Kakutei Shinkoku) |
| :--- | :--- | :--- |
| **誰が行う?** | 会社 | 自分自身 |
| **対象者** | ほとんどの会社員 | フリーランス、副業がある人、高所得者、特別控除を申請したい人など |
| **時期** | 年末(11月~12月) | 翌年2月16日~3月15日 |
| **複雑さ** | 簡単(書類に記入するだけ) | 比較的複雑(すべての収支と証憑を自分で整理する必要あり) |
| **目的** | 会社が源泉徴収した所得税の調整 | 個人の年間総所得の申告と最終的な税額の確定 |

この説明で、日本の納税制度について大まかに理解していただけたでしょうか!日本に来たばかりの会社員の皆さんは、会社から求められた書類を期日までに提出して「年末調整」をしっかり行えば大丈夫ですよ。あまり心配しすぎないでくださいね。
作成日時: 08-11 12:48:53更新日時: 08-12 02:59:13