前立腺炎は前立腺特異抗原(PSA)の上昇を引き起こすことがありますか?がんを心配する必要がありますか?
はい、兄弟。君のこの質問を見ると、たぶん健康診断の結果を貰ったばかりで、気持ちが不安定なんだろうな。落ち着いて、これはよくあることだから、ちゃんと説明するね。
前立腺炎はPSA値を上昇させるのか?
答え:はい、しかも非常に一般的です!
こんな風に考えてみよう:
-
前立腺って何? 前立腺液を専門に生産する小さな工場みたいなものだよ。PSA(前立腺特異抗原)は、この工場の主要な製品の一つ。正常な状態では、PSAのほとんどは前立腺液と一緒に排出され、ごく一部だけが血液中に「漏れ出る」。
-
前立腺炎って何? 文字通り、この「小さな工場」が炎症を起こして、赤く腫れたり、ひどい時には「傷ついたり」する状態。工場の壁が壊れたら、中の製品(PSA)が大量に血液中に漏れ出しやすくなるよね?
だから、前立腺に炎症が起きると、血液中のPSA値が急上昇するんだ。風邪をひいて熱が出ると白血球が増えるのと同じで、体の炎症に対する正常な反応なんだよ。
前立腺炎以外にも、PSAを上昇させる要因は他にある:
- 前立腺肥大症(BPH): 年を取って前立腺が「太って」大きくなること。工場の規模が大きくなれば、総生産量も増え、血液中に漏れ出す量も増える。
- 最近の性行為: 射精は前立腺を刺激し、PSAを一時的に上昇させる。
- 激しい運動: 特に長時間の自転車は、前立腺を圧迫・刺激する。
- 泌尿器科の検査を受けた: カテーテル挿入、膀胱鏡検査、医師による直腸診などで刺激される可能性がある。
- 尿路感染症: 炎症が前立腺に波及することもある。
ほら、PSAを上昇させる「がん以外の」原因は山ほどあって、前立腺炎はその中でも主な「原因」の一つなんだ。
がんを心配すべき?
結論から言うと:すぐにパニックになる必要はない!でも真剣に受け止めて、専門医の判断を仰ぐこと。
PSAの上昇は確かに前立腺がんの重要なスクリーニング指標だが、それは決定的な診断基準(ゴールドスタンダード)ではない。医師は数字一つだけで「判決」を下したりしない。
医師は通常、どう判断する? 鍵は「経過」と「形態」を見ること:
-
経過観察が重要:
- 前立腺炎が原因の場合: 医師はまず抗生物質などの抗炎症薬で前立腺炎の治療を始める。炎症が治まってから(通常、治療開始後4~6週間)、PSAを再検査する。PSA値が明らかに下がり、正常値に戻れば、がんの心配はほぼなく、前の上昇は炎症のせいだったと判断できる。
- がんが原因の場合: PSA値は通常、持続的で、制御不能に上昇し続ける。抗炎症薬を飲んでも「我が道を行き」、下がらないか、少し下がってもすぐにまた上がってしまう。
-
PSAの「質」を見る——遊離PSA(fPSA)比率:
- 必要と判断されれば、「遊離PSA」という追加検査を行う。簡単に言うと、血液中のPSAには「縛られている状態」(結合PSA)と「自由な状態」(遊離PSA)の2種類がある。
- 良性疾患(前立腺炎/肥大症など): 「自由な」PSAの割合が比較的高い(通常、fPSA/tPSA > 0.25)。
- がん: 「自由な」PSAの割合が比較的低い(通常、fPSA/tPSA < 0.15)。
- この比率は、医師がさらに鑑別するのに役立つ。
まとめると、今すべきことは?
- 自分で怖がらない: PSA上昇を見たら、まず深呼吸。覚えておいて、第一の原因は前立腺炎であって、がんではない。
- 泌尿器科を受診: 結果を持って、専門の泌尿器科医に診てもらう。
- 医師としっかりコミュニケーションを取る: 最近、頻尿、尿意切迫感、下腹部の重だるさなどの前立腺炎症状があったか、自転車に乗ったか、性行為があったかなどを医師に伝える。情報が多ければ多いほど、医師の判断は正確になる。
- 医師の指示に従い、計画通り再検査する: おそらく医師はまずしばらく治療してからPSAを再検査するよう指示する。これが最も重要なステップで、必ず従うこと。2回の結果を比べれば、ほぼ答えは出る。
要するに、前立腺炎によるPSA上昇は「よくあること」で、過度に心配する必要はない。体からの注意信号として捉え、早めに医師に相談して状況をはっきりさせ、積極的に治療すれば、問題は解決する。お大事に!