ベンジャミン・グレアムは、防御的投資家に対し、どのような種類の株式を推奨していますか?
作成日時: 8/15/2025更新日時: 8/17/2025
回答 (1)
おい、君!グレアムが我々一般人(彼の言う「防御型投資家」)に与えた助言といえば、これは古典的なテーマだ。彼の核心思想は実にシンプル:**損するな、買い被るな**。流行りの天井知れず株を追いかけるなと言う。八百屋やスーパーで買い物するように、実質的で中身が充実、価格が適正な「良い品」を選べということだ。
彼が防御型投資家に勧める銘柄は特定業種ではなく、厳格な基準を満たす「優良企業」だ。買い物リストのように、以下の条件をすべて満たしたものだけがショッピングカートに入れられる:
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### 防御型投資家のための選定「七大原則」
グレアムは銘柄選別に役立つ具体的で実践的なチェックリストを示している。
#### **1. 十分な企業規模 (The Big Guys)**
業界で名の知られた大企業への投資を推奨。大企業は通常、事業が安定し、体力がある。嵐の中でも小型ボートより大型空母の方が圧倒的に安定しているように、リスク耐性が高く、小さな変動で倒れにくい。
#### **2. 健全な財務状態 (The Pocketbook Check)**
極めて重要。端的に言えば、企業の「手元資金」(流動資産)が短期負債(流動負債)を大幅に上回ること。グレアムの基準は**流動比率が最低2以上**(手元資金が短期負債の2倍)。同時に長期債務も過剰であってはならない。これにより資金繰りが健全化され、資金ショートによる窮地を回避できる。
#### **3. 長期黒字継続 (A Consistent Earner)**
**過去10年間、毎年利益を計上していること**が条件。利益が毎年急増する必要はないが、赤字年度が絶対にあってはならない。安定した職を持つ友人を探すように、堅実な経営と信頼性の証だ。
#### **4. 継続的配当実績 (Willing to Share the Profits)**
**20年間連続で配当を実施している記録**が必須。長期にわたり株主へ配当を続ける企業は、少なくとも二点を示す:
* 現実的なキャッシュフローが確立されている
* 経営陣が株主を意識し、利益を還元する意思がある
#### **5. 適度な利益成長 (Not Standing Still)**
防御的投資とはいえ、衰退企業は避けるべき。**過去10年のデータで、一株当たり利益(EPS)が最低3分の1以上成長していること**。ハードルは高くないが、これにより緩やかかつ着実に前進する企業を選べる。
#### **6. 過大評価の排除 (The Price Tag Check - P/E Ratio)**
これが価値投資の核心!優良銘柄でも買値が高ければ意味がない。グレアムの指針は、株価が**過去3年平均EPSの15倍を超えないこと**。PER(株価収益率)は「現在の収益力で投資額を回収するのに必要な年数」と理解すれば良い。数値が高すぎると株価が過大評価されている可能性が高い。
#### **7. 純資産比率の適正化 (The Price Tag Check - P/B Ratio)**
収益性だけでなく「企業の基礎体力」(純資産)も見よ。株価が**簿価(純資産)の1.5倍を超えないこと**が推奨される。
> **グレアムの奥の手**:特定基準の緩みを防ぐため、**PER × PBR < 22.5**という総合基準を提案。この式で過大評価株を素早くふるい落とせる。
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### まとめると
グレアムが描く防御型投資家向けの理想像は:
**規模が十分巨大・財務が健全・長期黒字持続・継続的配当実績・安定成長・市場価格が非常に適正(あるいは割安)な「優良企業」**
現代では全ての厳格な条件を満たす企業を見つけるのは困難かもしれないが、この思考法は永遠に色褪せない:**理解不能・過大評価・財務不健全な企業に汗水垂らして稼いだ金を投げるな。安全な価格で堅実な優良企業を買い、農家のように我慢強く保有し、収穫を待て。**
これこそがグレアムが一般人に遺した最も貴重な投資の知恵である。
作成日時: 08-15 15:53:37更新日時: 08-16 01:12:03