記録に残る歴史上、富士山に初めて登頂した人物は誰ですか?
Diane Renard
Diane Renard
Artist inspired by Mount Fuji's beauty.
ハロー!この問題について、実は答えは想像以上に複雑なんです。「伝説」と「確かな歴史的記録」の区別に関わるからです。順を追って説明しましょうね。
伝説上の最初の人物:役小角(えんのぎょうじゃ)
最も古い伝説まで遡るなら、富士山に初めて登った人物は役小角とされています。
- 人物背景:飛鳥時代(7世紀末頃)の半ば伝説的人物。呪術師・山岳修行者で「修験道」の開祖とされる。修験道とは神道・仏教・山岳信仰が融合した日本独自の宗教。
- 伝承内容:超自然的な能力で鬼神を駆使したとされる役小角は、663年に法力で富士山に登頂したと言い伝えられる。
補足:これはあくまで神話的な物語であり、今日的な意味での確たる史料は存在しません。古代の富士山は神山と崇められ、山に神々が宿ると信じられていたため、最初期の登山は「征服」や「観光」ではなく、宗教的修行が目的でした。
歴史記録上「初」とされる人物たち
「明確で考証可能な文献記録」、特に近世以降の記録を基準とするなら、答えは変わります。
初登頂の外国人:サー・ラザフォード・オールコック(Sir Rutherford Alcock)
長らく富士山は女人禁制で、外国人もほぼ立ち入り禁止でした。
- 時期:1860年9月
- 肩書:初代駐日英国公使
- 意義:記録に残る最初の非日本人登頂者と認定。富士山が世界に開かれる契機となった。
初登頂の女性:レディ・ファニー・パークス(Lady Fanny Parkes)
オールコックの登山後、もう一つの「禁」が破られました。
- 時期:1867年
- 肩書:当時の英国公使サー・ハリー・パークスの夫人
- 意義:記録上初の女性登頂者(かつ初の非日本人女性)。当時は極めて大胆な行動で、女人禁制は明治政府が禁止令を廃止する1872年まで続きました。
まとめ
この問題は概念を分けて考える必要があります:
- 伝説レベル:7世紀の修行者役小角が初登山者
- 近世史レベル:記録上の外国人初登頂は1860年のオールコック、女性初登頂は1867年のファニー・パークス
日本人初登頂者は、古い時代の登山者が無名の僧侶や修行者だったことが多く、特定はほぼ不可能です。そのため伝説上の答えとして「役小角」が通説となっています。
ご理解いただけましたか?なかなか興味深い話ですね!