扁桃腺を切除した方で、喉の他の部位に似たような「結石」が見つかった事例はありますでしょうか?

作成日時: 8/15/2025更新日時: 8/18/2025
回答 (1)

この質問は本当に的を射ていますね、同じ疑問を持つ方は多いと思います。私自身もかつて扁桃結石に悩まされ、その後切除手術を受けた経験があるので、この話題については多少理解しています。

端的に言いましょう:はい、完全に可能性があります。

「扁桃腺を取ったはずなのに、どうして『結石』ができるのか?」と不思議に思うかもしれませんね。これは、一般に「扁桃腺」と呼ばれているのは口蓋扁桃、すなわち口を大きく開けた時に喉の両側に見える二つの小さな肉の塊のことだからです。扁桃結石はここにある陰窩(小さなくぼみ)で形成されます。

しかし、私たちの咽頭部には実際には「ワルダイエル咽頭輪(Waldeyer's ring)」と呼ばれるリンパ組織の輪があり、切除された二つの組織の他に以下を含みます:

  • 舌扁桃 (Lingual Tonsils)
  • 咽頭扁桃 (Pharyngeal Tonsil、いわゆるアデノイド)

手術で切除されるのは通常口蓋扁桃だけで、他の組織はそのまま残っています。

では「結石」はどこにできやすいのか?

最も一般的なのは、舌扁桃にできるケースです。

  1. 新たな"異物のたまり場"の誕生:

    • 舌扁桃は舌の付け根、すなわち舌の最も奥で喉に最も近い部分にあります。この表面にも、切除された口蓋扁桃と同じように、でこぼこした陰窩がたくさんあります。
    • 同じようにここにも食物残渣、死んだ細胞、細菌が堆積し、時間の経過とともに石灰化することで、扁桃結石とほぼ同じものになってしまうのです。
  2. 代償性肥大:

    • 口蓋扁桃を切除した多くの人では、失われた免疫機能を補うため、舌扁桃が「代償性」にやや大きくなることがあります。
    • 大きくなると陰窩の深さが増し、異物が溜まりやすくなるため、結石が発生する確率が高くなります。

手術後数年経ってから、突然また喉に異物感を覚えたり、時折白い小粒を吐き出したりして、その臭いを嗅ぐとあの嫌な臭いがしたため病院で診てもらったら、舌扁桃に結石ができていたというケースはよくあります。

舌扁桃以外にも可能性はある?

ありますが、比較的稀です:

  • 唾石症 (Salivary Stone): これは扁桃結石とは発生メカニズムが異なり、唾液腺の導管が詰まって生じます。ただし、口腔後部に開口する小さな唾液腺に小さい結石ができると、喉の「結石」と誤解される場合があります。
  • 濃縮された喉の分泌物: 鼻炎による後鼻漏や慢性の咽頭炎などの場合、濃くなった分泌物と食物残渣が混ざり合い、一見結石のように見える白い小粒を形成することがあります。ただし通常はそれほど硬くはありません。

まとめ:どう対処すれば良いか

扁桃腺を切除した後にも、似たような小石を見つけても、まずは慌てないでください。

  • 口腔衛生を徹底する: 歯磨きの際、柔らかい歯ブラシで舌苔や舌の付け根の奥を優しく軽くブラッシングし、残渣物の一部を取り除く助けになります。
  • 食後にうがいをする: 水や塩水でうがいをし、特に喉の奥をすすぐことで、「固まる前」の汚れを洗い流せます。
  • ウォーターフロスを使用する: 低い水流設定にし、舌の付け根を狙って優しく洗浄します。ただし、自分を傷つけないよう十分に注意してください。
  • 医師の診察を受ける: 強い異物感がある場合、または口臭の問題が気になる場合、最も直接的な方法は耳鼻咽喉科を受診することです。医師が専用器具で簡単に確認でき、処置が必要かどうか判断してくれます。

つまり、扁桃腺を切除すれば確かに「扁桃腺」結石は完全除去できると言えますが、私たちの喉は複雑な生態系です。その「兄弟分」とも言える関連組織によって、また少しだけ手間がかかる可能性があります。しかし一般的には大きな問題ではありません。清潔を心がけることが大切です。

作成日時: 08-15 15:43:09更新日時: 08-16 01:01:15