新NISAの「成長投資枠」と「つみたて投資枠」は併用できますか?

Cory Kim
Cory Kim
Experienced investment banker with 15+ years.

もちろんです!新NISAの成長投資枠とつみたて投資枠は、完全に併用可能です。これこそが、旧NISAと比較した新NISAの最大の利点であり、より柔軟になった点です。

これら2つの枠は、それぞれ独立した「カゴ」としてイメージできます。

  • つみたて投資枠:年間最大120万円まで投資できます。この枠は主に、リスクが比較的低く、長期的な積立投資に適した投資信託を対象としています。毎月決まった額を貯金して「安定型」の資産を購入するようなイメージです。
  • 成長投資枠:年間最大240万円まで投資できます。この枠はより自由度が高く、つみたて投資枠の対象商品に加え、個別株やETFなど、より幅広い投資商品に利用できます。まるで、追加の資金を使って、ご自身が有望だと判断した企業の株式に投資するようなものです。

どうやって同時に使うの?

これら2つの枠は独立していますが、年間で投資できる合計額は360万円を超えることはできません。ご自身の状況に合わせて自由に組み合わせることができます。

いくつか例を挙げます。

  • フル活用型:今年資金に余裕がある場合、両方の枠を最大限に利用できます。120万円を積立投資(「つみたて投資枠」へ)、さらに240万円を有望な株式の購入(「成長投資枠」へ)に充てるといった形です。
  • 堅実重視型:積立投資のみを行いたい場合、毎年「つみたて投資枠」のみを利用し、最大120万円まで投資できます。
  • 積極投資型:ご自身の銘柄選定に自信がある場合、「つみたて投資枠」を全く使わず、360万円全額を「成長投資枠」に充てることも可能です(ただし、成長投資枠の年間上限は240万円です)。正しい利用法としては、成長投資枠の240万円を使い切り、残りの120万円をつみたて投資枠で利用するという形になります。
  • 柔軟配分型:今年100万円だけ投資したい場合。50万円を積立投資に、50万円を株式購入に充てるなど、完全に自由に配分できます。

重要な注意点

毎年自由に組み合わせることができますが、生涯の非課税保有限度額があることを覚えておいてください。

  • 生涯非課税保有限度額:一人あたり生涯で最大1,800万円の非課税投資枠を利用できます。
  • 成長投資枠の生涯限度額:この1,800万円の総枠のうち、「成長投資枠」で投資できる金額は、生涯で1,200万円までです。

簡単に言うと、より自由度が高く、株式を購入できる「成長投資枠」は、生涯で最大1,200万円までしか利用できません。残りの600万円は「つみたて投資枠」で埋める必要があります。

まとめると:

これら2つの枠は、あなたの資産形成を助ける2つの頼もしい味方だと考えてください。一方は堅実に貯蓄する役割(つみたて投資)、もう一方はチャンスを掴む役割(成長投資)を担っています。これら2つを同時に活用し、どのように組み合わせるかは、あなたの戦略とアイデア次第です。