ワクチンの保護効果はどのくらいですか?接種後も感染する可能性はありますか?

香織 直子
香織 直子
Immunologist studying viral immunity responses.

こんにちは!ワクチンについてのご質問ですね。多くの方が同じような疑問をお持ちですので、分かりやすく整理してお話しします。

ワクチンの予防効果はどのくらい高いですか?

まず、一つの概念を理解しておきましょう。100%の予防効果を持つワクチンは存在しません。

ワクチンは、あなたの免疫システムにハイテクな「防弾チョッキ」を着せるようなものだと想像してみてください。

  • 高性能な防弾チョッキ: 麻疹や流行性耳下腺炎(おたふく風邪)のようなワクチンは、非常に高い予防効果があり、通常90%以上に達します。これを着ていれば、ほとんどのウイルスという「弾丸」は外でブロックされ、あなたは無事です。
  • 様々な種類の防弾チョッキ: ワクチンによって、技術的なアプローチや対象となるウイルスが異なるため、「防弾チョッキ」の素材や厚さも異なり、予防効果に差が出ます。例えば、あるワクチンは80%、別のワクチンは90%の予防効果を持つといった具合です。

このパーセンテージは何を意味するのでしょうか?例えば予防効果が90%というのは、簡単に言えば、同じ感染リスクの下で、未接種者の中から100人が病気になった場合、接種者の中では10人だけが病気になる可能性がある、ということです。

核心的なポイント: ワクチンの最も主要で重要な役割は、重症化と死亡を予防することです。たとえ防弾チョッキが弾丸を完全に防ぎきれなかったとしても(感染が起こったとしても)、その弾丸の威力を大幅に弱め、せいぜいかすり傷(軽症)で済むようにし、致命的なダメージ(重症化や死亡)を直接受けることを防ぎます。

ワクチン接種後も感染することはありますか?

答えは:はい、可能性はあります。 このような状況を「ブレイクスルー感染」と呼びます。

これは少しがっかりするかもしれませんが、心配しないでください。「防弾チョッキ」の例で理解しましょう。

  1. 防弾チョッキは無敵ではない: たとえ最高級の防弾チョッキを着ていても、敵の火力が強すぎたり(例えばウイルス濃度が非常に高い環境)、弾丸がたまたま防弾チョッキでカバーされていない隙間(個人の免疫システムのわずかな違い)に当たったりすれば、やはり負傷する可能性はあります。これがブレイクスルー感染です。
  2. 負傷の程度が大きく異なる: これが最も重要な点です!防弾チョッキを着ていない人(未接種者)にとって、一発の銃弾は重傷、あるいは致命傷になるかもしれません。しかし、防弾チョッキを着ている人(接種者)にとって、たとえブレイクスルー感染が起こったとしても、ほとんどの場合、症状ははるかに軽く、普通の風邪のように感じられ、回復も早く、入院が必要になる確率は大幅に低くなります。

まとめると

複雑なことを簡単にまとめると:

  • ワクチンを打つ価値はあるか? 大いにあります! それは現在、私たち自身と家族を守る最も効果的な科学的手段です。
  • ワクチンの役割は何か? 主な目的は重症化と死亡の予防です。車のシートベルトのように考えてください。シートベルトは事故を起こさないことを保証するものではありませんが、事故が起きた際にあなたの命を大いに守ってくれます。
  • ワクチンを打てばもう安心か? いいえ、そうではありません。ウイルスが流行している間は、ワクチンを接種していても、人が多く密集する場所ではマスクを着用したり、こまめに手を洗ったりするなどの良い習慣が依然として重要です。これは、防弾チョッキを着ているだけでなく、身を隠す場所を見つける方法も学んでいるようなもので、二重の備えでより安全です。

この説明がお役に立てれば幸いです!