看護師の回診時、何を観察し、記録するのか?

作成日時: 8/9/2025更新日時: 8/18/2025
回答 (1)

はい、問題ありません!分かりやすい言葉でこのことについてお話ししましょう。


看護師の回診時、観察・記録する内容は?

こんにちは!とても良い質問ですね。看護師がワゴンを押して病室を行き来しているのを見て、いったい何をしているのか気になる方は多いと思います。

看護師の回診は、患者さんへの「毎日の安全点検」のようなものだと考えてください。単なる挨拶や薬の配布ではなく、体系的な観察、評価、コミュニケーションのプロセスです。目的は、患者さんが回復の正しい道筋を歩んでいることを確認し、潜在的なリスクをいち早く発見することにあります。

理解しやすいように、いくつかのパートに分けて説明しますね:

パート1:「人」を見る ― 患者さん自身の状態

これが回診の核心です。まずは患者さんという「人」に注目します。

  1. 精神状態と全体的な様子:

    • 意識は清明か? 普通に会話ができるか、それともぼんやりしていたり、傾眠傾向にあるか? これは脳の機能状態を反映します。
    • 気分はどうか? 不安そう、落ち込んでいるように見えるか、それとも比較的落ち着いているか? 気分は回復に直接影響します。
    • 主観的な訴えは? 「今日の調子はどうですか?」「昨夜はよく眠れましたか?」「どこか具合が悪いところはありますか?」と積極的に尋ねます。患者さん自身が言う「私は…だと思う」という言葉は、第一級の情報源です。
    • 痛みはあるか? 痛みがある場合、どこが痛いか、どのくらい痛いか(例えば0から10で点数をつけてもらう)、どんな痛みか(針で刺すような痛みか鈍痛か)を尋ねます。この情報は医師が鎮痛計画を調整する上で非常に重要です。
  2. バイタルサイン(客観的数値):

    • 体温(T): 発熱はないか? 感染の有無を判断する最も直接的な手がかりです。
    • 脈拍(P): 心拍数は速くないか、リズムは整っているか?
    • 呼吸(R): 呼吸は落ち着いているか、速くないか? 苦しそうではないか?
    • 血圧(BP): 血圧は高すぎないか、低すぎないか? 心臓血管系の患者さんには特に重要です。
    • 経皮的動脈血酸素飽和度(SpO₂): (指に挟むあの小さな赤いライトです)体内は酸欠状態になっていないか?
  3. 病状に関連する「兆候」:

    • 皮膚: 色はどうか? 黄疸(黄)、貧血(蒼白)、チアノーゼ(紫)はないか? 発疹、床ずれ(褥瘡)はないか?
    • 手術創: 術後の患者さんには、創部を注意深く観察し、発赤、浸出液がないか、治癒状態は良好かを確認します。
    • 呼吸器系: 肺炎や呼吸器系の問題がある患者さんには、肺音を聴診し、喀痰の色や量を確認します。
    • 消化器系: 吐き気・嘔吐はないか、腹部膨満感はないか、排便の状態はどうかを尋ねます。
    • 四肢の動き: 自力で寝返りを打てるか、ベッドから起き上がれるか? 手足に力が入らない部分はないか?

パート2:「物」を点検する ― 様々な医療機器とチューブ類

患者さんの身体やベッドサイドには、様々な「管」や「線」が接続されていることが多く、これらも重点的に点検します。

  • 点滴: 輸液の残量は? 滴下速度は適切か? 針を刺した部位の周囲に発赤や痛みはないか?
  • 各種ドレーン: 例えば、術後のお腹や胸に挿入されたドレーン。排液の色、性状、量を確認します。これは体内の回復状態を教えてくれます。
  • 尿道カテーテル: 閉塞はないか? 尿の色と量は正常か?
  • 酸素チューブ/人工呼吸器: 流量設定は適切か? 機器は正常に作動しているか?
  • モニター: 画面に表示される心拍数、血圧、SpO₂などの数値は正常範囲内か? アラーム設定は適切か?

パート3:「環境」に配慮する ― 病床ユニットの快適さと安全性

安全で快適な環境も回復には同様に重要です。

  • ベッド周り: 清潔で整頓されているか?
  • 安全対策: ベッドサイドレールは上げられているか(転落予防が必要な患者さんに対して)? ナースコールは患者さんが手を伸ばせば届く位置にあるか?
  • 物品の配置: 患者さんがよく使うコップやティッシュなどが取りやすい位置にあるか? 床に水たまりや障害物はなく、転倒の危険はないか?

パート4:「記録」する ― 観察したことを全て記録する

言い伝えにもあるように、口より文書(記憶より記録)。看護師が回診で観察したことは、見ただけで終わりではなく、正確に、タイムリーに診療記録に記録しなければなりません。

この記録は日記ではなく、法的効力を持つ重要な医療文書です。これには以下が含まれます:

  • 客観的情報: 測定・観察した事実。例:体温38.5℃、創部に少量の淡黄色浸出液あり、血圧150/90mmHgなど。
  • 主観的情報: 患者さん自身の言葉。例:「患者、めまい・吐き気を訴える」と記録。
  • 実施した処置: 例:「医師の指示に基づき鎮痛剤を投与」、「患者の創傷被覆材を交換」、「患者に水分摂取を促すよう説明」など。

この記録は医療チーム全体(医師、他の勤務帯の看護師、リハビリスタッフなど)が参照するもので、全員が患者さんの最新の状態を包括的に把握し、最適な治療判断を下せるようにするためのものです。


まとめると、 看護師の回診は、生理的、心理的、安全面など多岐にわたる、動的で包括的な評価プロセスです。私たちは、見る、聞く、尋ねる、触れる、測定するといった方法で情報を収集し、問題を発見・解決し、そしてその全てを記録します。

これら全ては、あなた(またはご家族)が安全で快適な環境の中で、一日も早く回復されることを確実にするためです。この説明がお役に立てば幸いです!

作成日時: 08-09 02:53:33更新日時: 08-10 02:43:30