ハロー!扁桃腺結石がどこでできるかという質問、核心を突いていますね。確かにこれには決まった〝拠点〟があるんです。
簡単に言えば、主な形成場所は**扁桃陰窩(へんとういんか)**です。
扁桃腺をスポンジや月面のような凸凹した表面と想像してみてください。あの「クレーター」のような小さなくぼみや洞穴が『陰窩』と呼ばれるものなんです。
なぜここにできるのか?
これは陰窩の構造と機能に理由があります。
-
天然の「わな」
扁桃腺は免疫系の一部で、表面の陰窩は外界との接触面積を増やし、口から入る病原体をより効果的に捕捉・排除する役割があります。しかしこの構造自体が「わな」となるのです。 -
「材料」が揃いやすい環境
日常の飲食や呼吸に伴い、喉を通る様々なものが陰窩に入り込みます:- 微細な食物残渣
- 口腔内で自然に剥がれた上皮細胞(死んだ皮膚細胞)
- 多種多様な細菌
- 喉で分泌される粘液
これらの物質は陰窩という「小さなポケット」に落ちて抜け出せなくなりやすいのです。
-
「発酵」と「形成」
こうした「材料」が温かく湿った酸素不足の陰窩奥に閉じ込められると、細菌にとっての「ごちそう」となります。細菌が大量繁殖し有機物を分解する過程で、あまり良くない匂いの硫黄化合物ガス(これが口臭の一因です)が発生します。
時が経つにつれ、これらの混合物は唾液に含まれるカルシウム塩などのミネラルによって徐々に石灰化・硬化し、最終的に私たちが見る(そして嗅ぐとあまり愉快ではない)黄白色の小粒=扁桃腺結石が形成されるのです。
身近な例えで説明すると
道路の亀裂や小さな穴に、時間が経つと埃や小石、落ち葉が溜まりますよね。車輪に圧縮され雨水に洗われて、次第に汚れて硬くなり、掃除しづらくなる現象とよく似ています。
扁桃陰窩と結石の関係もこれと同じようなものなんです。
まとめ
つまり扁桃腺結石は、扁桃腺の滑らかな表面にできるわけではなく、生まれつき存在する深浅さまざまな陰窩の中に「潜んでいる」のです。
そのため、もともと扁桃腺が大きめで陰窩が深い人ほど「汚れが溜まりやすく」扁桃腺結石ができやすい傾向があります。喉の違和感を感じたり、綿棒で扁桃腺を軽く押し出した時に見えるあの小さな石は、まさにこれらの「小さな洞穴」から出てくるものなのです。