投資移民と起業家移民における資金要件、事業計画、および居住要件はそれぞれ何ですか?

建 张
建 张
Student researching New Zealand visa policies. | 新西兰签证政策研究学生。
はい、ニュージーランドの投資移民と起業移民の2つのルートを分かりやすく整理しましょう。

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### 核心的な違い:「投資」と「実務」の差

簡単に言うと、この2つのルートの本質的な違いは以下の通りです:

*   **投資移民 (Active Investor Plus Visa)**:主に資金力が豊富な申請者が対象。ニュージーランド政府が重視するのは「資金」であり、大口の資金を現地経済支援のために投資することが求められます。本人が経営に深く関わる必要はなく、財務投資家のような立場です。
*   **起業移民 (Entrepreneur Work Visa)**:主に経営経験と優れたアイデアを持つ申請者が対象。政府が重視するのは「ビジネスプラン」と「能力」であり、雇用創出・革新・輸出の潜在力を持つ事業を自らニュージーランドで立ち上げることが求められます。本人が現場に入り、直接経営に携わる必要があります。

以下、それぞれの要件を詳しく説明します。

### 投資移民 (Active Investor Plus Visa)

現在ニュージーランドで唯一の投資移民ルートです。旧制度は終了しています。

#### 1. 資金要件

*   **投資額の下限**:最低 **1500万NZドル**(約66億円)の投資が必要。
*   **投資方法(ウエイテッド計算)**:単に1500万NZドルを投入すれば良いわけではなく、「ウエイテッド(加重)」計算が適用され、リスクが高くニュージーランドにより有益な分野への投資が奨励されます。
    *   **直接投資**:ニュージーランドの非上場企業への直接投資。リスクが最も高いため、加重係数は **3倍**。つまり、この方法で **500万NZドル** を投資すれば、1500万NZドル分の要件を満たすと見なされます(500万 x 3 = 1500万)。
    *   **プライベートエクイティ・ベンチャーキャピタル基金**:認可されたPE/VCファンドへの投資。加重係数は **2倍**。 **750万NZドル** の投資で1500万NZドル相当になります(750万 x 2 = 1500万)。
    *   **上場株式・慈善事業**:ニュージーランド証券取引所(NZX)の上場株式または慈善寄付への投資。最もリスクが低いため、加重係数は **1倍**。 **1500万NZドル** をそのまま満額投資する必要があります。

*   **注意点**:
    *   上場株式のみへの投資は不可。上限は総投資額の50%(最大750万NZドル)。
    *   不動産投資、債券などの受動的投資は対象外。

#### 2. 事業計画

*   **基本的に事業計画は不要**。事業運営が目的ではないため、詳細な事業計画書の提出は不要です。
*   **核心は資金源泉証明**:この巨額の投資資金が合法的に得られたことを移民局に明確に証明する必要があり、審査は非常に厳格です。

#### 3. 居住要件(移民監視)

*   **投資期間**:資金をニュージーランドで最低 **4年間** 投資し続ける必要があります。
*   **居住期間**:この4年間で、主申請者はニュージーランドに累計 **117日間** 滞在する必要があります。これは非常に緩やかな要件(年換算で約1か月未満)であり、本国で事業を維持する必要がある人にも有利です。

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### 起業移民 (Entrepreneur Work Visa -> Resident Visa)

「就労ビザ取得 → 永住権取得」の2段階ルートです。

#### 1. 資金要件

*   **最低投資額**:自身の事業に最低 **10万NZドル** を投資する必要があります。
*   **あくまで「最低ライン」**:実際の投資額は事業計画と整合性が必須です。例:ハイテク企業設立に10万NZドルでは非現実的と判断される可能性があり、逆に小規模なタピオカ店なら10数万NZドルで十分な場合もあります。事業を立ち上げ安定運営できる「妥当な」資金が必要です。
*   **資金源泉**:投資資金が合法所得である証明も必要です。

#### 2. 事業計画

*   **申請の要(かなめ)!** ビジネスプランの成否がそのまま申請の結果を左右します。
*   **必須要素**:
    1.  **実現可能性**:詳細な市場調査、財務予測、マーケティング戦略などに基づいた、現実的な計画であること。「絵にかいた餅」では不可。
    2.  **ニュージーランドへの貢献度**:事業が以下のような利益をもたらす必要があります:
        *   **雇用創出**:ニュージーランド人雇用の創出。
        *   **革新性の導入**:新技術、新製品、新ビジネスモデルの提供。
        *   **輸出の促進**:ニュージーランド産の製品・サービスの海外販売。
    3.  **ポイント制**:移民局のポイントシステムで **120点以上** を獲得する必要があります。点数は経営経験、投資額、創出雇用数、革新性・輸出ポテンシャルなどで計算されます。

#### 3. 居住要件

事業を自ら運営する必要があるため、「移民監視」は非常に厳しくなります。

*   **第1段階:起業家就労ビザ (Entrepreneur Work Visa)**
    *   まず、事業を開始するための **12ヶ月間** の就労ビザを取得します。
    *   事業計画通りに開始したことを証明(例:会社登記、事務所借入、資金投入完了)できれば、さらに **24ヶ月間** の延長が可能です。
    *   この合計3年間を通じ、ニュージーランドに滞在し、その事業の専任経営者である必要があります。

*   **第2段階:居住ビザ申請 (Entrepreneur Resident Visa)**
    *   **早期申請ルート**:事業が著しく成功した場合(例: **50万NZドル超** の投資かつ **常勤3人以上の雇用創出**)、最短で **6ヶ月後** に居住ビザ申請が可能。
    *   **一般ルート**:大半がこちら。事業を **2年間** 成功裏に運営し、当初のビジネスプランに沿った成果(ニュージーランドへの明確な利益貢献)を証明できれば、居住ビザを申請できます。

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### まとめ

| 比較項目         | **投資移民 (Active Investor Plus)**               | **起業移民 (Entrepreneur Work Visa)**                              |
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| **適する人**     | 資金力がある「資産家」で、経営に労力を割きたくない人 | 経営経験とアイデアを持つ「実践派」                               |
| **核心**         | **資金** (合法で巨額の資金力)                    | **事業計画** (現実的でニュージーランドに利益をもたらすもの)        |
| **資金ハードル** | **500万~1500万NZドル** (投資方法で加重計算)       | **最低10万NZドル** (事業計画に見合った十分な額が必要)             |
| **居住要件**     | **非常に緩い** (4年間で累計117日)                 | **非常に厳しい** (長期滞在し自ら事業経営する必要あり)             |
| **申請プロセス** | 居住権 (PR) を一括申請                            | 就労ビザ取得 → 事業成功後に居住権 (PR) を申請 (最短6ヶ月、通常2年後) |

この説明がお役に立てば幸いです!ご自身の資金状況やご計画に照らし合わせて、どちらのルートがより適しているか検討してみてください。