訓練データとテストデータとは何ですか?それらはどのような用途がありますか?

陽一 和也
陽一 和也

はい、問題ありません。訓練データとテストデータについてですが、多くの方が混同しがちです。しかし、学生時代の経験に例えると、すぐに理解できるでしょう。


訓練データ vs. テストデータ:学生時代の「問題演習」と「本番試験」に例えてみましょう

もし機械(これを「モデル」と呼びます)に、猫と犬の画像を識別するような新しいスキルを習得させたい場合、それは生まれつきできるものではありません。あなたはそれを「教える」必要があり、このプロセスを**訓練 (Training)**と呼びます。

訓練データとは?—— 教科書と問題集 (Training Data)

訓練データは、この「生徒」(モデル)が使う教科書と膨大な問題集のようなものです。

ここには何が含まれているのでしょうか?

  • 問題: 何千、何万もの画像。
  • 正解: 各画像には「猫」や「犬」といったラベルが付けられています。

その役割とは? その役割は、モデルに「学習」と「問題演習」をさせることです。モデルはこれらの画像を一枚一枚見て、「うーん…これはひげがあって、耳がとがっているから、猫かな?」と自分で推測しようとします。推測した後、すぐに正解と照合します。

  • 正解した?素晴らしい、それは「猫」の特徴に対する印象を深めます。
  • 間違えた?(例えばチワワを猫と間違えた場合)、それは「罰」を受け、内部パラメータを調整します(「解答の考え方を修正する」と理解できます)。次回は正解できるように努めます。

このように、繰り返し大量の「練習-答え合わせ-修正」というプロセスを通じて、モデルは訓練データから、例えば「猫」と「犬」それぞれの特徴が何であるかという法則を徐々に導き出していきます。

テストデータとは?—— 模擬試験と期末試験 (Test Data)

この生徒が十分に学習したと感じたとき、それが本当に理解しているのか、それとも問題集の元の問題を「丸暗記」しているだけなのか、どうすればわかるでしょうか?

ここで正式な試験が必要になります。そしてテストデータとは、全く新しい、モデルが一度も見たことのない試験問題のことです。

ここには何が含まれているのでしょうか?

  • 問題: 全く新しい猫と犬の画像群。これらの画像は、以前の問題集(訓練データ)に絶対に含まれていてはなりません
  • 正解: 答えはもちろんありますが、今回はモデルに事前に見せてはいけません。まず「抜き打ち試験」を受けさせる必要があります。

その役割とは? その核となる役割は、モデルの真の能力を評価することです。

モデルは、訓練データから学んだ「知識」に基づいて、この新しい試験問題の画像を分類する必要があります。全て推測し終え、解答を提出した後、私たちは正解と照合して「採点」します。

  • 「この試験問題は合計100枚の画像があり、あなたは95枚正解しました。」—— そうすると、このモデルの正解率は95%となります。

この点数こそが、モデルが本当に猫と犬を識別する能力を習得しているか、そして応用が利くか(専門的には汎化能力と呼びます)を真に反映するものであり、単に問題集の元の問題を解けるだけではないことを示します。

簡単にまとめると

種類例えるなら...答え付きか役割
訓練データ教科書、問題集正解付きモデルを「教え」「訓練」し、法則を学ばせるために使用
テストデータ模擬試験、期末試験事前に答えは与えないモデルを「評価」し、その真の能力と汎化能力を測るために使用

なぜ分ける必要があるのか?

はっきり言ってしまえば、もし問題集の元の問題で試験を行っても、生徒が100点を取ったとしてもあまり意味がありません。それは単に答えを暗記しただけかもしれないからです。全く新しい問題を使って初めて、本当に理解しているかどうかが分かります。機械学習においても、この道理は全く同じです。訓練とテストを分けるのは、モデルが「カンニング」するのを防ぎ、本当に役立つモデルを得るためです。