"Supérieur"等級と通常のボルドーAOCの違いは何ですか?
「シュペリュール」等級と通常のボルドーAOCの違い
さて、良い質問ですね。普段赤ワインを飲む時もよく見かけるフランスのラベルについて、簡単に説明しましょう。ボルドー(Bordeaux)はフランスの主要な生産地域で、様々なグレードのワインがあります。通常のボルドーAOC(Appellation d'Origine Contrôlée)は最も基本的な等級で、ボルドー指定地域産のワインであることと一定の品質が保証されていますが、特に高級とは言えません。
一方「シュペリュール」(「上級」の意)はボルドーAOCの上位版であり、全く別の分類ではなく、通常のボルドーAOCにより厳しい要件を追加したものです。簡単に言えば「強化版」のようなもので、生産者はより高い基準を守る必要があり、通常は品質が向上します。主な違いは以下の点です:
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収量規制:シュペリュールのぶどう畑はヘクタールあたりの収量がより低く設定されています(例:通常AOCが50-60 hl/haなのに対し、シュペリュールは通常45-50 hl/ha程度)。収量が少ないほどぶどうの風味が凝縮され、大量生産ワインのような水っぽさがなくなります。
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ぶどうの熟度:シュペリュールは収穫時のぶどうの成熟度がより高いことが求められ、ワインの味わいが豊かでバランス良くなります。通常AOCにはこのような厳格な規定はありません。
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アルコール度数:シュペリュールの最低アルコール度数は10.5%以上であるのに対し、通常AOCは10%でも認められます。これによりワインにより力強さが生まれ、「水っぽさ」が軽減されます。
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熟成要件:一部のシュペリュールワインは最低9ヶ月以上の熟成(発酵後から計算)が義務付けられており、タンニンがより滑らかになり、風味が複雑になります。通常AOCにはこのような強制規定がなく、多くの場合すぐに出荷されます。
総括すると、シュペリュールは最高級ワイン(例えばメドックの格付けシャトー)には及びませんが、通常のボルドーAOCより品質が安定しており、コストパフォーマンスに優れています。ワイン初心者の方なら、シュペリュールを1本試してみるのがおすすめです。通常2000~5000円程度で良いものが楽しめ、日常用ワインに最適です。ちなみに、これらの規則はフランスAOC制度によって定められており、ワインの真正性と品質を保証しています。具体的なワインについて質問があれば、またお話ししましょう!