Teresa Short
Teresa Short
Founder, YC S15 batch. Built successful SaaS startup.

公式的には、これら2つのバッチには時期以外に違いはありません。YC自身も常に強調していますが、両バッチの質、採用基準、得られるリソースは全く同じです。歴史的に見ても、冬バッチと夏バッチの両方からAirbnb、Stripe、Dropboxのような巨大企業が誕生しており、どちらかのバッチが「より良い」とか「より強い」ということはありません。

しかし、参加経験のある創業者たちと個人的に話すと、いくつか興味深い「体感」的な小さな違いが挙げられます。

  1. 時期の違いが核心

    • 冬バッチ (Winter Batch, 略称W):通常1月から3月で、デモデー (Demo Day) は3月下旬です。
    • 夏バッチ (Summer Batch, 略称S):通常6月から8月で、デモデー (Demo Day) は8月末か9月初めです。
  2. 応募者の構成が若干異なる可能性

    • 夏バッチは、大学生の起業家をより多く引きつける傾向があります。この時期はちょうど夏休みか、卒業直後であり、タイミングが非常に完璧だからです。そのため、夏バッチではより若く、活気に満ちた学生チームを多く見かけるかもしれません。
    • 冬バッチの応募者は、しばらく働いてきた「ベテラン」が少し多いように感じられます。彼らは仕事を辞めて起業するため、学期や休暇の影響をあまり受けません。
  3. 「雰囲気」に関する都市伝説

    • 冬バッチは、ベイエリア(現在はリモートが多いですが)の天候が寒いため、人々はあまり外出したがらず、そのためより「集中」し、「黙々と作業に没頭する」(heads-down)ことができると冗談めかして言う人もいます。
    • 夏バッチは、天気が良く夏であるため、社交活動や外部からの様々な妨害が少し多く、雰囲気がより「賑やか」に感じられるかもしれません。
    • もちろん、これはほとんどジョークであり、YCの厳しさはどのバッチの創業者にも他のことを考える時間を与えません。
  4. 資金調達のペースへの微妙な影響

    • 冬バッチは3月末にデモデーがあり、ちょうど第2四半期(Q2)の始まりで、ベンチャーキャピタル(VC)が積極的に投資を始める時期です。
    • 夏バッチは8月末から9月初めにデモデーがあり、その後第4四半期に入ります。アメリカの感謝祭やクリスマス休暇に重なるため、一部の投資家は休暇モードに入る可能性があり、資金調達の期間が少し長引くかもしれません。しかし正直なところ、YCのトッププロジェクトにとっては、資本は追いかけてくるものであり、この程度の影響はほとんど無視できます。

まとめると:

あなたにとって、どちらのバッチを選ぶかにおいて、唯一考慮すべきはご自身のスケジュールです。例えば、あなたの製品はいつ頃準備が整いますか?いつ3ヶ月間フルタイムでコミットできますか?どちらのバッチが良いか悩む必要はありません。YCの核となる価値、すなわち人脈ネットワーク、ブランドの裏付け、トップメンターによる指導は、どのバッチでも全く同じです。