3. 輪廻の宗教的・哲学的根拠は何ですか?
輪廻という概念は、実のところ、仏教やヒンドゥー教、ジャイナ教などの古代インドの宗教や思想体系に起源を持つものです。簡単に言えば、「生まれては死に、死んでは生まれる」ということを意味しており、人の魂あるいは何らかの意識は、肉体が死ぬことで消滅するのではなく、別の命に生まれ変わるのです。その次の命が人間に生まれ変わる場合もあれば、動物やその他の生命形態になる場合もあります。
なぜ輪廻という現象が存在するのでしょうか? その主な理由は「業(カルマ)」という概念にあります。「業」とは、ある種の行為の結果と考えてください。つまり、現世で行った善い行為も悪い行為も、すべて何らかの「記録」として残り、それが次の生まれ変わりの形や、その生活の質に影響を及ぼすのです。例えば、善行を多く行った人は、次に生まれ変わるときに良い家庭に生まれて幸せな人生を送るかもしれません。一方で、悪い行いをした人は苦しみを味わい、動物などに生まれ変わる可能性さえあります。
仏教では、輪廻は終わりのない生と死の苦しみの連続とされており、修行の目的はこの輪廻から脱出して「解脱」、いわゆる「涅槃」に至ることです。涅槃とは、もはや生老病死の苦しみを受けない状態を意味します。
ヒンドゥー教でも同様の考えがありますが、そこでは人の魂(「アートマン」あるいは「我」と呼ばれる)は永遠の存在であり、輪廻はその魂が経験するさまざまな段階に過ぎないとしています。最終的には、この個々の魂が宇宙の根源的な大いなる存在(「ブラフマー」あるいは「梵」)と合一することが目指されます。
このような思想は後に道教や民間信仰にも影響を与え、さらに西洋の哲学やニューエイジ思想の中にもその痕跡を見出すことができます。
したがって、輪廻という考えの根拠は、「人の行動にはそれに応じた結果がある」「意識は完全には消滅しない」という信念の上に成り立っています。これは科学的に証明されたものではなく、古代の人々の宗教的体験や哲学的な思索から徐々に形成されたものです。多くの人がこれを信じるのは、人生における苦しみや喜びの理由を説明できると考えるからであり、また自分の行動に対して責任を持つよう促す効果もあるからです。