手付金(てつけきん)の一般的な金額はいくらですか?どのような場合に没収されたり倍返しになったりしますか?
こんにちは!日本の住宅購入における手付金は、確かに皆さんが最も気になるポイントの一つです。まとまった金額が動きますし、ルールも結構細かいですからね。ご心配なく、ここでは普段の会話のように、かみ砕いて説明していきますね。
手付金は通常いくら? どんな場合に没収されたり、倍返しになったりするの?
日本で住宅購入の契約時に支払うこのお金は、日本語で「手付金(てつけきん)」と呼ばれます。これは単なる「前払い金」ではなく、むしろ一種の「契約のキャンセル権」のようなものです。売主・買主のどちらも、一定期間内であれば、この手付金を放棄(または倍返しを要求)することで、一方的に契約を解除する権利を得られます。
一、手付金の金額は?
法律で決められた固定額はありませんが、市場では不文律があります:
- 通常、物件価格の5%~10%です。
例えば、5000万円の物件なら、手付金は一般的に250万円~500万円の間になります。
この割合は売買双方の話し合いで決まります。金額が低すぎると違約コストが小さく契約が不安定に、高すぎると買主の資金負担が大きくなりすぎます。そのため、5%~10%が、拘束力がありながらも比較的合理的な範囲として広く認められています。
ポイント: 売主が不動産会社(プロ)の場合、日本の法律(宅地建物取引業法)で、手付金は物件価格の20%を超えてはならないと定められています。これは個人の買主を保護するための規制です。
二、どんな場合に手付金が「没収」される?(買主がキャンセル)
これは「手付放棄(てつけほうき)」と呼ばれるケースです。
簡単に言うと、買主が一方的に契約をキャンセルし、購入をやめたい場合です。
シミュレーション: 契約を結び、300万円の手付金を支払ったとします。数日後、もっと気に入った物件が見つかった、家族が急に反対した、あるいは単純に後悔した…。
どうなる? 契約で定められた期間内で、かつ売主が「履行着手(りこうちゃくしゅ)」する前であれば、既に支払った手付金の全額を放棄することで、契約を解除できます。つまり、300万円は売主のものとなり戻ってきませんが、契約はそこで終了し、残りの代金を支払う必要もなくなります。
重要な点:「履行着手」とは? これは法律用語で、簡単に言えば「売主がこの取引のために、後戻りできない実質的な行動をすでに起こしている状態」です。例えば、売主が名義変更(所有権移転登記)の手続きを開始していたり、買主の要望に基づいて物件のリフォームをすでに行っていたりする場合です。売主が「履行着手」してしまうと、もはや手付金を放棄するだけでは契約を解除できなくなり、より大きな違約責任を負う可能性があります。
三、どんな場合に「倍返し」を要求できる?(売主がキャンセル)
これが有名な「手付倍返し(てつけばいがえし)」です。
簡単に言うと、売主が一方的に契約をキャンセルし、売却をやめたい場合です。
シミュレーション: あなたと売主が契約を結び、300万円の手付金を支払いました。ところが間もなく、別の買主がもっと高い金額でその物件を買いたいと申し出て、売主が心変わりしてあなたに売りたくなくなった…。
どうなる? 同様に、契約で定められた期間内で、かつ買主(あなた)が「履行着手」する前であれば、売主は当初支払われた手付金を返還し、それと同額のお金を追加で賠償することで契約を解除できます。
つまり、売主は 300万円(返還金) + 300万円(賠償金) = 600万円をあなたに支払う必要があります。これが「倍返し」です。
こちらの「履行着手」は主に買主側の行動を指し、例えばあなたが既に中間金(契約に定めがあれば)を支払ってしまった場合などが該当し、売主はこの方法では解約できなくなります。
四、特に注意! 最重要の「免責条項」——住宅ローン特約
上記の「没収」と「倍返し」は、いずれも「個人的な理由」によるキャンセルが前提です。しかし、非常に特殊で、住宅購入における最大の護身符となるケースがあります。それが「住宅ローン特約(じゅうたくローンとくやく)」です。
この条項の意味は: 住宅ローンの審査が通らず、あなたが物件を購入できなくなった場合、この契約は自動的に無効となり、売主は無条件で手付金を全額返還しなければならない。
- この場合、手付金は没収されません!
- 売主が倍返しする必要もなく、支払った額がそのまま戻ってきます。
これはローンを組む買主にとって極めて重要な保護策です。契約書に署名する際には、必ず不動産仲介会社と何度も確認し、契約書にこの「住宅ローン特約」が明確に記載されていることを確かめてください!
まとめ
状況 | キャンセルする側 | 手付金の行方 | 俗称 |
---|---|---|---|
金額 | - | 物件価格の 5%~10% | 手付金 |
買主が買わない | 買主 | 手付金は没収され、戻らない | 手付放棄 |
売主が売らない | 売主 | 売主が手付金を返還し、同額を追加賠償。つまり倍返し | 手付倍返し |
ローンが通らない | (本人の意思によらない) | 売主が全額返還。契約無効 | 住宅ローン特約 |
この説明がお役に立てば幸いです!日本の不動産取引は厳格ですが、こうした重要なルールを理解すれば、ご自身の権利をしっかり守ることができます。どうぞスムーズなご購入になりますように!