Georges Bertin
Georges Bertin
Physical therapist integrating Pilates for rehabilitation.
はい、この質問はよく見かけますよ!お気持ち、よくわかります。腹筋トレーニングでウエストが太くなるのではと心配される方、多いですよね。でも、ピラティスの呼吸法については、どうぞご安心ください。
簡単に言うと:なりません。むしろ、正しいピラティスの呼吸法こそが、腹部をより扁平に、コア(体幹)を引き締める鍵なのです。
なぜなのか、わかりやすく説明しますね。
1. 鍛えるのは“腹筋”でも、その種類が違う
一般的にいう「腹筋」や「くびれ」とは、お腹の表面にある腹直筋(ふくちょっきん)(シックスパックやエイトパックと呼ばれる部分)を指します。ジムでダンベルなどを使って負荷をかけてこの筋肉を集中的に鍛えると、確かに厚みが増し、ウエストが少し「四角く」見える可能性はありますが、これは相当な高強度トレーニングを継続しないと起こりません。
一方、ピラティスの呼吸法が主に活性化するのは、お腹の最も深層にある筋肉——**腹横筋(ふくおうきん)**です。
- 腹横筋は、身体に元から備わった「天然のコルセット」や「天然のシェイパー」と想像してみてください。まるで幅広いベルトのように、背中からお腹にかけてぐるりと一周しています。
- その主な役割は体を曲げることではなく、コア全体を引き締め、安定させることなのです。
2. ピラティス式呼吸法の仕組み
ピラティスでは**横隔膜呼吸(胸式呼吸とも呼ばれる)**を行います。
- 息を吸う時:お腹を膨らませるのではなく、肋骨がアコーディオンのように左右と背中側に広がるのを感じます。この時、腹部は引き締まった状態を保ちます。
- 息を吐く時:おへそを積極的に背骨の方向に引き寄せるように感じます。「天然のコルセット」で腰回りを優しく、ただし確実に締め上げていくイメージです。
この「吐きながら締める」動作こそが、腹横筋をピンポイントで鍛えているのです。
3. なぜウエストが太くならず、扁平になるのか?
なぜなら、腹横筋が活性化され、引き締まることで以下が起こるからです:
- 内側から締め付ける:まるでシェイパーを着た時のように、内臓や腹部の内容物を内側に収束させ、見た目上お腹をより扁平にします。
- 骨盤を安定させる:強力な腹横筋は骨盤を安定させ、骨盤前傾などの姿勢問題を改善します。多くの場合、お腹がぽっこり出ているのは肥満ではなく姿勢の問題です。姿勢が整えば、お腹は自然と引っ込みます。
- コアの強さを高める:コア全体が頑丈な円筒のようになり、腰椎をよりよく保護し、腰痛のリスクを減らすことができます。
陥りがちな誤解と対処法
「練習中にお腹が出てしまう気がするんですが…?」
これは通常、深層の腹横筋ではなく、無意識に表層の腹直筋で代償して力を入れている(腹直筋がドーム状に盛り上がる)ために起こります。ピラティスではこれを「ドーミング」と呼びます。
解決策:
- 難易度を下げる:まずは動作をゆっくりに、可動域を小さくしてみましょう。
- 感覚に集中する:動作の大きさを追い求めるのではなく、息を吐く時に「おへそを背骨に近づける」感覚、つまり「内側へ引き込む」感覚にフォーカスします。外側へ押し出すのではありません。
- 指導を受ける:どうしても感覚が掴めない場合は、プロのピラティスインストラクターに調整してもらうのがベストです。
まとめ
| 特徴 | ピラティスの呼吸(腹横筋を鍛える) | 従来の腹筋トレーニング(負荷をかけたクランチなど) |
|---|---|---|
| ターゲット筋肉 | 深層:腹横筋(天然のコルセット) | 表層:腹直筋(シックスパック) |
| 効果 | 内側から引き締め、腹部を扁平に、ウエストを細くする | 外側に厚みを増し、筋肉を大きく見せる |
| 主な機能 | コアを安定させ、姿勢を改善、腰椎を保護する | 体を屈曲させ、見た目の筋肉量を追求する |
だからこそ、ピラティスの呼吸法は安心して練習してください!お腹を太くすることは決してなく、むしろ、**扁平なお腹、優美な姿勢、強力なコアを手に入れるための「秘密兵器」**なのです。