ユーザーは本当に正直なフィードバックをしてくれるのでしょうか、それとも「いいですよ」しか言ってくれないのでしょうか?

洋介 充
洋介 充
Startup ecosystem analyst and advisor with 7 years experience.

これは非常に古典的な問題で、答えはシンプルです。ユーザーが正直なフィードバックをくれるかどうかは、ほぼ完全に「どう尋ねるか」にかかっています。

ほとんどの場合、もしあなたが直接「私のこの製品、どう思いますか?」と尋ねたら、返ってくる答えは高確率で「良いですね」「悪くないですよ」といったものでしょう。

これは決してユーザーがあなたを騙しているわけではなく、主にいくつかの理由があります。

  1. 社交辞令:期待に満ちた人を目の前でがっかりさせたい人はいません。「良くない」と言うのは気まずいですし、あなたの気持ちを傷つけるのを恐れます。「良いですね」と言うのが最も安全で手っ取り早い「社交の潤滑油」なのです。
  2. 深く考えていない:ほとんどの人は、あなたの製品を短時間見ただけで、深く関わっているわけではありません。彼らにすぐに深く建設的なフィードバックを求めるのは、無理な話です。
  3. 自分が「馬鹿」に見えるのを恐れる:もし彼らがあなたの製品を理解できなかった場合、多くの人の第一反応は「私が馬鹿なのかな?」であり、「この製品のデザインに問題がある」ではありません。この気まずさを隠すために、彼らも「良いですね」と言うでしょう。

ですから、正直なフィードバックを得たいなら、考え方を変える必要があります。「評価を求める」のではなく、「観察し、掘り下げる」のです。ここにいくつかの実践的な方法があります。

1. 「〜についてどう思いますか?」と尋ねるのではなく、「過去」について尋ねる

あなたの製品に対する意見ではなく、彼らの具体的な経験について話してもらいましょう。

  • 尋ねてはいけないこと:「私たちのこの家計簿アプリ、使いやすいですか?」
  • 尋ねるべきこと:「前回、家計簿をつけたのはいつですか?何を使ってつけましたか?見せていただけますか?家計簿をつけている時に、特に面倒だと感じた手順はありましたか?」

ユーザーが過去に遭遇した問題について不満を言い始めたとき、その不満こそが最も正直なフィードバックなのです。

2. 彼らに操作させ、あなたは黙って横で見る

製品を彼らに渡し、こう言いましょう。「[特定のタスク]を完了させるとしたら、どうしますか?」 例えば、「このアプリで映画のチケットを買うと仮定して、どう操作しますか?」

そして、あなたは静かに見てください。彼がどこをタップしたか、どこでためらったか、どこで眉をひそめたか、どこで長い間探したか……これらのボディランゲージは、彼が「良いですね」と一万回言うよりも価値があります。彼が操作を終えたら、こう尋ねることができます。「先ほど、ここで5秒ほど止まっていましたが、その時何を考えていましたか?」

3. 自分を「助けを求める人」の立場に置く

このように切り出すことができます。「今日は製品を売り込みに来たのではありません。あなたに助けを求めに来ました。この製品は私たちのチームが長い間取り組んできましたが、私たち自身では気づかない愚かな点がきっとたくさんあります。今日は遠慮なく欠点を見つけてください。厳しく批判してくれるほど、私の助けになります。どうか遠慮しないでください。」

あなたが十分に低い姿勢を取れば、相手の「礼儀」という重荷は下ろされ、彼はあなたを評価しているのではなく、助けているのだと感じるでしょう。

4. 「お世辞」と「本物の価値」を区別する

  • お世辞:「あなたのアイデアは素晴らしい!もし完成したら絶対に使います!」
  • 本物の価値:「私たちは今、この問題をExcelで解決していて、毎月2人が2日も費やしていて、本当に苦痛です。あなたの製品は試用できますか?いくらですか?」

ユーザーが時間やお金を費やす意思があるか、あるいは彼が今まさに苦痛を感じている問題を説明しているか、これこそが真のニーズのサインです。

要するに、褒め言葉を求める子供になるのではなく、真実を探求する探偵になりましょう。ユーザーの丁寧な態度は常識ですが、あなたは正しい方法で、玉ねぎの皮をむくように、お世辞を一枚一枚剥がし、最も核となる問題を見る必要があります。このプロセスは簡単ではありませんが、非常に価値があります。