洋介 充
洋介 充
Startup ecosystem analyst and advisor with 7 years experience.
もちろんです、そしてこれは非常に重要です。私も以前、投資家に対して様々なフローチャートを描き、技術選定について熱弁を振るい、結果として私が喉を枯らすほど話しても、彼らは全く理解できないという過ちを犯しました。
後になって分かったのですが、チャンネルを切り替える必要があります。一つの核心を覚えておいてください:**投資家は技術を理解しませんが、ビジネスは理解します。**ですから、あなたが話す一言一句が、彼らが関心を持つ「ビジネス」と結びついている必要があります。
「マイクロサービス」、「コンテナ化」、「高並行処理」、「マルチアクティブアーキテクチャ」などについて彼らと話してはいけません。これらの言葉を口にした途端、彼らの頭の中の扉は閉ざされてしまいます。
彼らが理解できる「普通の言葉」で話すべきです。
1. 家を建てる例えを使う(これが最も効果的な比喩です):
- 言ってはいけないこと: 「私たちは先進的なマイクロサービスアーキテクチャを採用しており、各サービスはK8sクラスターに独立してデプロイされています。」
- 言うべきこと: 「私たちの製品はレゴブロックのセットのようなものです。各機能は独立したブロックです。これには3つの大きな利点があります:
- 第一に、開発が速い: 市場が新しい機能を必要とすれば、新しい小さなブロックを作って差し込むだけでよく、競合他社よりも何倍も速いです。
- 第二に、システムが安定している: たとえ『ユーザーログイン』を管理するブロックが突然故障しても、『オンライン決済』のブロックは通常通り機能し、ビジネス全体が停止することはありません。
- 第三に、コスト削減: 将来ユーザーが急増しても、システム全体をアップグレードする必要はありません。利用者が多い部分にだけリソースを追加すればよく、コストを大幅に削減できます。」
2. 技術的な利点をビジネス上の利点に翻訳する:
- 技術的な「高並行処理能力」 -> 翻訳すると -> 「私たちのシステムは、将来的に数百万、さらには数千万の同時接続ユーザーにも容易に対応でき、私たちが想定するビジネス規模を完全に支えることができます。ユーザーの急増によってシステムがクラッシュすることはありません。」
- 技術的な「データセキュリティ対策」 -> 翻訳すると -> 「私たちはユーザーデータを保護するために銀行レベルのセキュリティシステムを備えており、ハッカー攻撃による甚大な損失や法的リスクを回避し、ユーザーに安心して利用していただけます。」
- 技術的な「迅速なイテレーション」 -> 翻訳すると -> 「私たちの『キッチン』(バックエンド)は非常に柔軟に設計されており、毎週新しい『料理』(機能)をリリースし、迅速に試行錯誤し、市場の変化に素早く対応できます。」
3. 2種類の資料を用意する:
- 「CEO向け」の資料: 上記のような平易な言葉で、非常にシンプルな、いくつかの大きな四角形だけの図を添えます。各四角形には「ユーザーシステム」、「注文システム」といったビジネス上の名称を書き、技術的な名称は書きません。この図の目的は、彼に「うん、とても分かりやすい、複雑ではない」と感じさせることです。
- 「CTO向け」の資料: こちらが、あなたが用意した複雑なアーキテクチャ図、技術選定、デプロイメントプランです。相手の技術コンサルタントがデューデリジェンス(DD)を行う際にのみ、この資料を取り出して、彼と専門的な対話をします。
まとめ:
投資家の前では、あなたはエンジニアではなく、「技術を使ってビジネスの青写真を実現する」起業家です。あなたの任務は「技術を解説すること」ではなく、「あなたの技術が、儲かり、成長し、かつ安定したビジネスを支えられることを証明すること」です。
複雑なことをシンプルな比喩で明確に説明する能力は、それ自体が非常に優れた能力であり、資金調達の場においては、優れたコードを書くことよりも重要であるとさえ言えます。