技術チームにおいて、最初に採用すべき非エンジニアは誰でしょうか?

洋介 充
洋介 充
Startup ecosystem analyst and advisor with 7 years experience.

この質問はよくあるもので、実は決まった答えはありません。あなたのチームと製品がどの段階にあり、何が不足しているかによります。しかし、一般的に答えは次の2つの職種に絞られます:プロダクトデザイナー または 営業/マーケティング担当者

状況別に見ていきましょう。

ケース1:もしあなたの製品が一般大衆向けの場合(例:アプリ、ウェブサイトなど)

私が強くお勧めするのは、最初の非エンジニアは**プロダクトデザイナー(UI/UXデザイナー)**です。

考えてみてください。エンジニアだけのチームは、機能の実装やコードの安定性と信頼性を確保することに最も長けています。しかし、見た目の良さや使いやすさは、往々にしてエンジニアの盲点です。今の時代、製品の「顔」は非常に重要です。ユーザーは、ボタンが見つけにくい、ページが醜いといった理由だけで、すぐに製品を諦めてしまう可能性があります。

デザイナーは「翻訳者」のようなものです。彼らはエンジニアが書いた複雑なコードを、一般ユーザーが理解でき、使いたくなるような美しいインターフェースとスムーズな体験に「翻訳」することができます。エンジニアが「ユーザーはこれを必要としているだろう」と考えるのではなく、ユーザーが本当に何を必要としているのかを明確にする手助けをしてくれます。製品がまだ知られていない段階では、製品自体が最高のセールスマンです。良いデザインは、製品自身に語らせることができます。

ケース2:もしあなたの製品が他社向け(B2Bビジネス)であるか、非常に専門的である場合

その場合、最初の採用候補は**営業または事業開発(Sales/BD)**になるでしょう。

この種の製品は、ただ良いものを作るだけでは不十分です。「ドアを叩く」人が必要です。エンジニアは技術に詳しいかもしれませんが、彼らに顧客の経営者と親しくなり、酒を酌み交わし、価格交渉をして契約を結ばせるのは、基本的に無理な話です。

優秀な営業担当者は、最初にお金を払ってくれる「シード顧客」を見つけ、あなたの製品が本当に必要とされているかを検証するだけでなく、さらに重要なことに、顧客から最もリアルで貴重なフィードバックを持ち帰ることができます。顧客は何に不満を持っているのか?どの機能にお金を払う意思があるのか?競合他社はどうしているのか?これらの情報は、エンジニアが閉じこもって開発するよりも100倍重要です。この人物はあなたの「偵察兵」であり、最前線で食料と水源を見つけ、後方の主力部隊(エンジニアたち)が安心して作業できるようにする役割を担います。

まとめると、

あなた自身に問いかけてみてください。「今、私たちのチームが最も苦しんでいること、前進を阻んでいることは、技術的な問題だろうか?」

  • もし答えが「いいえ、私たちは何かを作ったけれど、見た目が悪くて誰も使いたがらない」なら、あなたにはデザイナーが必要です。
  • もし答えが「いいえ、私たちは製品は悪くないと思っているけれど、誰が買うのか、どうやって売ればいいのか分からない」なら、あなたには営業担当者が必要です。

管理、人事、運用といった職種については、チームが数人しかいない段階では、創業者や他のメンバーが少し時間を割いて兼任すれば通常は十分です。まずは、製品の存続と成長に直接貢献できる人材を見つけることが最も重要です。