David Guillaume-Salmon
David Guillaume-Salmon
Former professional chef, now a New Zealand resident. | 前职业厨师,现新西兰居民。
了解しました。以下は要求通り、Markdown形式を保ち、追加説明なしの日本語訳です。
ニュージーランド移住:「経験者」によるリアルなアドバイス
ニュージーランドと言えば、青空、白い雲、緑の草原、牛や羊、『ロード・オブ・ザ・リング』の中つ国を思い浮かべる人も多いでしょう。確かにその通りですが、それは生活の一面に過ぎません。移住を選ぶのは靴を選ぶようなもので、見た目も大事ですが、履き心地が合うかどうかが最も大切なのです。
まずはメリット(心が動くポイント)
これらがニュージーランド最大の「売り」であり、海を渡って移住を選ぶ人が多い理由です。
1. 類まれな自然環境と生活の質
- 「パソコンの壁紙」級の風景: これは冗談ではありません。週末に車で1〜2時間走れば、雪山、湖、森、海を見ることができます。アウトドア好き(ハイキング、釣り、スキー、サーフィンなど)にはまさに天国。空気の質に関しては言うまでもなく、深呼吸するだけで「肺が洗われる」感じがします。
- 真のワークライフバランス: ここでは「996」文化(朝9時から夜9時まで週6日勤務)はほとんどありません。大抵の会社では午後5時に定時退社し、上司も率先して帰ります。仕事はより良い生活のための手段であり、その逆ではないという考えが一般的です。週末や休日は、本当の意味で休み、家族と過ごす時間であり、「待機」状態ではありません。
2. 家族・子どもへの高い親和性
- 安心感が大きい: 社会全体が非常に安全で、犯罪率は低いです。近所の家に防犯窓が付いているのをあまり見かけませんし、子どもたちが地域で走り回って遊んでいる姿もよく見られます。このリラックスした社会環境は、子どもを持つ家族にとって大きなプラスポイントです。
- 子どもの個性を尊重する教育: 特に小中学校の教育では、詰め込み学習よりも、創造力、実践力、そして自分で考える力を育むことが重視されます。学校の課業のプレッシャーは相対的に小さく、子どもたちは運動や自分の趣味・興味を探求するたっぷりの時間があります。
3. シンプルで素朴な社会・人間関係
- 人情味が厚く、複雑な駆け引きがない: ニュージーランド人(現地の人々はキウィ/Kiwiと呼ばれる)は総じて親しみやすく、素朴で気さくです。人付き合いはストレートで、「世間ずれした付き合い」のような複雑さはあまりありません。小さな町では、近所の人やスーパーのレジ係が気軽に話しかけてくることもあります。
- 比較的公平な社会: ここでは貧富の差が極端に大きくなく、社会的な階級意識は強くありません。水道の修理をする人も会社のCEO(最高経営責任者)も、人格においては平等で、同じように尊重されます。肩書や財産ではなく、「その人自身」が重要視される傾向があります。
次にデメリット(慎重に考えるべきポイント)
メリットだけ見ていると衝動的になりがちですが、デメリットこそが長く住み続けられるかどうかを決める鍵となります。
1. 「良い山、良い水、だけど...退屈」——単調な生活の可能性
- エンタメやショッピングの選択肢が少ない: 国内の大都市の華やかなネオンや喧騒に慣れている人がニュージーランドに来ると、非常に居心地悪く感じるかもしれません。大型で夜通し営業するような娯楽施設はほとんどありません。ショッピングモールは夕方5〜6時には閉店し、週末も営業していない店が多いです。本格的な夜食・焼き鳥屋さん?見つけるのは困難です。大ブランドがずらりと揃ったラグジュアリーモール?選択肢は非常に限られています。
- 「村」のような生活ペース: オークランドを除けば(それでもわずかに都会らしさを感じる程度)、他の地域はどちらかと言うと日本の「地方都市」や「町」のような雰囲気です。生活のリズムはゆっくりで、新しい物事もなかなか入ってきません。ネットショッピングの選択肢は少なく、配送も遅く、国内で流行っているものが現地では全く手に入らないこともよくあります。
2. キャリアの「天井」が低い
- 市場規模が小さく、チャンスも少ない: ニュージーランドは小さな国で、経済規模も小さいです。これは、大企業が少なく、高度なポジションも少ないことを意味します。多くの専門職の人々にとって、ある程度のレベルまで達すると簡単に「キャリアの天井」にぶつかり、それ以上の昇進や、より高い給料の仕事を見つけるのが難しくなります。国内で大企業で活躍している人でも、ここでは中小企業で働くことになる可能性が高いです。
- 期待したほど給与水準が高くないことも: 最低賃金自体は低くありませんが、特に高い生活コストと比較すると、全体の給与水準は特別高いとは言えません。ここで「経済的な自由(Financial Freedom)」を手に入れたり、「一攫千金」を夢見たりするのは、ほぼ不可能です。
3. 物価が高く、生活コストも安くない
- とにかく何もかもが高い: 島国であるため、多くのものを輸入に頼っており、物価は本当に安くありません。スーパーマーケットの野菜、果物、肉類の価格は、国内の大都市よりも高いかもしれません。ガソリン、電気代、インターネット料金も少なくない出費です。特にオークランドのような大都市では、住宅の購入価格や賃料は驚くほど高額です。
- 「給料は高くないが、物価は安くない」という現実: 「そんなに高くない給料」でしかも「先進国レベルの物価」を支払うことに直面する人も多いです。これは自分の消費習慣をしっかり見直し、計画を立てる必要があります。
4. 地理的な孤立感
- 世界から遠すぎる: 世界地図を見てください。ニュージーランドは南太平洋にポツンと浮かんでいます。帰国して実家の人に会うだけでも、飛行機代(往復で数万円は軽く超える)が高額な上に、フライト時間も非常に長く(乗り継ぎを含めると20時間近くかかる)、本当に大変です。アジアやヨーロッパのように、1〜2時間飛べば気軽に行ける国への旅行は難しいことを意味します。国内の友人や家族との繋がりは、ビデオ通話や思い出に依存するしかない側面もあります。
まとめ:あなたはニュージーランドに向いている?
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以下のようなものを求めているなら:
- 静かで穏やかな生活、過度な競争やプレッシャーから離れたい。
- 世界トップクラスの自然風景やアウトドア活動。
- 子どもにのびのびとした、楽しい子ども時代を送らせたい。
- 大富豪にならなくても良い、安定した仕事と生活のバランス。 ならば、ニュージーランドはあなたにとっての「理想郷(詩的で遠い場所)」となるかもしれません。
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以下のことを非常に重視しているなら:
- 野心的なキャリア目標と業界でのトップを目指すこと。
- 多様性に富んだ都会的な生活、賑わいや便利さが好き。
- 友人や家族との頻繁なリアルな交流。
- 豊富なショッピングの選択肢と効率的な現代的なサービス。 ならば、慎重に考える必要があります。ニュージーランドの「良い山、良い水」が、「実は...退屈(物足りない)」と感じてしまう可能性が高いです。
移住は人生全体を変える重大な決断です。絶対的な良し悪しはなく、自分に合っているかどうかだけが基準です。この等身大の「リアルリスト」が、ニュージーランドの全体像をよりクリアに見る助けになれば幸いです。幸運を祈ります!