扁桃腺結石は主にどのような物質で構成されていますか?

作成日時: 8/15/2025更新日時: 8/18/2025
回答 (1)

扁桃腺結石(口蓋扁桃結石):実は「口腔内のごみ」の混合物です

扁桃腺結石の正体について、分かりやすく説明しましょう。

扁桃腺を、表面に凹凸や小さな穴が無数に開いたスポンジと想像してください。この小さな穴は医学的に「扁桃陰窩(へんとういんか)」と呼ばれ、口腔内の「汚れの温床」ともいえる場所で、汚れが溜まりやすくなっています。

扁桃腺結石とは、簡単に言えば、これらの小さな穴に長年溜まった「古いごみ」が石灰化してできた小さな固まりのことです。その構成は非常に複雑で、以下のような様々なものが混ざり合っています:

  • 食べかす 主な「原料」の一つです。食事中に唾液で流されなかったり、歯磨きで取りきれなかった微細な食物粒子が、これらの穴に入り込むことがあります。

  • 死んだ細胞 口腔粘膜や扁桃腺そのものは常に新陳代謝を繰り返しており、剥がれ落ちた古い上皮細胞が大量に発生します。これらの「細胞の死骸」も結石の重要な構成要素です。

  • 大量の細菌 口腔は元々巨大な細菌の棲家です。扁桃陰窩は温かく湿っており、尽きることのない食べかすや死んだ細胞に恵まれているため、細菌(生きたものも死んだものも含む)にとって「楽園」のような環境です。ここで細菌が集まり繁殖を繰り返します。これこそが扁桃腺結石が強烈な悪臭を放つ主な理由です。細菌が食物残渣や細胞を分解する過程で、硫黄化合物が発生し、腐った卵のような臭いを生み出すのです。

  • カルシウム塩などのミネラル これが「柔らかい汚泥」を「石」へと変える決定的な役割を果たします。私たちの唾液にはカルシウムやリンなどの無機塩類が含まれています。時間の経過とともに、これらのミネラルが「ごみの山」の上に徐々に沈着し、石灰化が起こります。これは水道管の内側に水垢が付着する現象と似ており、バラバラだった混合物を結合・固化させ、最終的に黄白色で硬さが様々な「結石」を形成します。このプロセスは、歯垢が頑固な歯石になる過程に幾分似ています。

  • 粘液 口腔内で分泌される粘液は、ここでは「糊(のり)」のような役割を担い、上記の全ての物質をドロッと粘り気を持たせて一塊に接着します。

簡単にまとめると:

扁桃腺結石ができる流れは以下の通りです: 食べかす + 死んだ細胞 → 扁桃腺の小さな穴へ落ち込む → そこに細菌が集まり繁殖(分解して悪臭を発生) → 唾液に含まれるカルシウム分が「石化」させる → 最終的に臭いのある黄白色の小さな石ができる。

こうした説明でご理解いただけたでしょうか! 聞くと怖く感じるかもしれませんが、実態は喉の奥深くに潜んだ、石灰化した「小さなごみの塊」に過ぎないのです。

作成日時: 08-15 15:31:14更新日時: 08-15 15:56:29