学校や保育施設などの集団施設は、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の発生にどのように対応すべきですか?

楠 侯
楠 侯
Medical student passionate about preventive medicine.

はい、承知いたしました。学校や幼稚園でお子さんがおたふく風邪にかかってしまうと、確かに大変なことになりますね。でもご安心ください。対処法はきちんと決まっています。何をすべきか、分かりやすくご説明します。


一、感染が判明した場合:まず何をすべきか?

お子さんがおたふく風邪と診断された、またはその疑いがある場合、学校・幼稚園は直ちに行動を起こすべきです。

  1. 直ちに隔離し、帰宅させる

    • 主な対応: 感染したお子さんにはすぐに帰宅して休ませ、他のお子さんとの接触を避けてください。
    • 理由: おたふく風邪は飛沫(会話、咳、くしゃみなど)や接触によって感染し、非常に感染力が強いです。感染したお子さんを帰宅させることは、感染源を断つ最も直接的な方法です。
  2. 状況を報告し、専門家の指導を仰ぐ

    • 主な対応: 速やかに地域の保健所や医療機関に報告してください。
    • 理由: これは定められた手順であり、専門的な支援を求めるためでもあります。保健所は、隔離期間、消毒方法、他のお子さんへの緊急ワクチン接種の必要性など、具体的な次のステップについて指示してくれます。彼らは専門家なので、その指示に従うのが確実です。
  3. 保護者への通知と注意喚起

    • 主な対応: クラスのすべてのお子さんの保護者に対し、おたふく風邪の感染者が出たことを通知してください。
    • 通知内容:
      • 状況を簡潔に説明しますが、パニックを引き起こさないように注意してください。
      • 保護者に対し、お子さんの体調(発熱、頬の痛み、腫れなど)に注意を払うよう促してください。
      • お子さんに同様の症状が見られた場合は、登園・登校させず、まず医師の診察を受けるよう強調してください。

二、感染拡大の抑制:さらなる感染を防ぐには?

感染したお子さんを帰宅させるだけでは不十分です。学校・幼稚園内で感染拡大を防ぐための対策を講じる必要があります。

  1. 「朝・午後の健康チェック」を強化し、厳重に警戒する

    • 主な対応: 毎日朝と昼に、先生は一人ひとりのお子さんの体調を特に注意深く確認してください。
    • チェックの重点: おでこを触って発熱がないか、どこか具合が悪いところはないか尋ね、特に顔の両側(頬)が腫れていないかを確認してください。疑わしい状況が見られた場合は、直ちに隔離し、保護者に連絡してください。
  2. こまめな換気と消毒

    • 主な対応:
      • 換気: 天候が許す限り、教室、お昼寝室、活動室の窓をすべて開け、空気の循環を保ってください。1日2~3回以上、1回につき30分以上換気を行ってください。
      • 消毒: 塩素系消毒液(例:ハイターなど、説明書に従って希釈)で、お子さんが頻繁に触れる場所(机、椅子、ドアノブ、蛇口、おもちゃ、階段の手すりなど)を拭いてください。感染したお子さんが使用した食器やタオルは、個別に消毒してください。
  3. 健康教育を実施し、お子さんの「予防」意識を高める

    • 主な対応: お子さんが理解できる方法で、基本的な衛生習慣を教えてください。
    • 教育内容:
      • 手洗い: 食事前やトイレの後、外出から戻った後には、必ず石鹸やハンドソープと流水で手を洗うこと。
      • 咳エチケット: くしゃみや咳をする際は、ティッシュや肘で口と鼻を覆い、直接手で覆わないこと。
      • 共有しない: 他のお子さんとコップやタオルなどの私物を共有しないこと。
  4. 予防接種手帳を確認し、免疫の壁を築く

    • 主な対応: 保護者に対し、お子さんの「予防接種手帳」を確認し、おたふく風邪の成分を含むワクチン(例:「麻しん風しんおたふくかぜ混合ワクチン」)を時期通りに接種しているか確認するよう促してください。
    • 理由: ワクチン接種はおたふく風邪を予防する最も効果的な方法です。未接種または接種が完了していないお子さんがいる場合は、保護者に速やかに接種を完了させるよう勧めてください。

三、感染したお子さん:どのように安全に登園・登校させるか?

おたふく風邪にかかったお子さんは、安易に登園・登校させてはいけません。

  • 十分な休養: 頬の腫れが完全に引くまで、必ず自宅で十分に休養させてください。この期間は通常、発症(耳下腺が腫れ始めた日)から少なくとも5日間の隔離が必要ですが、最も確実なのは医師の指示に従うことです。
  • 登園・登校許可証: 病気が治った後、感染性がないことを証明する「登園・登校許可証」または「健康証明書」を医師に発行してもらい、その証明書を提出して初めて学校に戻ることができます。

要するに、「早期発見、早期隔離、早期報告、早期対応」が重要です。学校と保護者が協力し合うことで、感染拡大を最小限に抑え、お子さんたちの健康を守ることができます。