おたふく風邪ワクチンの接種が適さないのは、どのような人々ですか?

香織 直子
香織 直子
Immunologist studying viral immunity responses.

おたふく風邪ワクチンについてですが、確かに誰もが接種できるわけではありません。接種に適さない人々をいくつかの主要なカテゴリに分けると、理解しやすくなります。

1. ワクチンに重いアレルギーがある人

これはよく理解できます。ピーナッツやシーフードにアレルギーがある人がいるように、ワクチンに含まれる特定の成分にアレルギー反応を示す人もいます。

  • もしあなたやお子さんが以前におたふく風邪ワクチン(通常はMMRワクチン)を接種し、呼吸困難、顔や喉の腫れ、全身のじんましんなどの非常に重いアレルギー反応を示したことがある場合、当然ながら再接種はできません。
  • また、ワクチンに含まれる特定の成分(例えば「ネオマイシン」や「ゼラチン」)に対して致死的なアナフィラキシーの既往があることが明確な場合は、事前に医師に伝える必要があります。このような場合も通常は接種できません。

2. 免疫システムに重い問題がある人

おたふく風邪ワクチンは「弱毒生ワクチン」であり、これは「弱体化された」ウイルスと考えることができます。毒性は非常に弱く、正常な免疫システムを持つ人は容易にこれを打ち負かし、本物のウイルスに対処する方法を学び、免疫力を獲得します。

しかし、もし免疫システム自体が非常に弱い場合、まるで戦闘力の低い軍隊のように、この「弱体化された兵士」でさえ体内で破壊を引き起こし、感染症を誘発する可能性があります。したがって、以下の人々は接種に適していません。

  • 先天的に免疫システムに欠陥がある人。
  • 化学療法や放射線療法を受けているがん患者、または白血病やリンパ腫など免疫システムに影響を与える病気を患っている人。
  • 臓器移植などの理由で、大量の「免疫抑制剤」やステロイド(プレドニゾロンなど)を服用している人。
  • 重度のエイズ(HIV感染)を患っており、すでに免疫機能が著しく低下している患者。

3. 妊婦

妊娠中のプレママは接種できません。現時点ではワクチンが胎児に必ずしも害を及ぼすという証拠はありませんが、やはり生ウイルスであるため、赤ちゃんの絶対的な安全のために「万が一」を考慮し、出産後に接種を検討しましょう。通常、医師はワクチン接種後、1〜3ヶ月待ってから妊娠することを推奨します。

4. 一時的に接種に適さないいくつかの状況

上記の他に、一時的に接種できない状況もありますが、状況が変われば接種可能です。

  • 病気中の人: 高熱が出ている場合や、重い急性疾患にかかっている場合は、体が回復してから接種しましょう。免疫システムに目の前の病気に対処することに集中させましょう。ただし、軽い風邪や鼻水程度であれば、通常は接種に影響ありません。
  • 最近輸血を受けた、または血液製剤を使用した人: 最近輸血を受けた場合や、「免疫グロブリン」などを投与された場合は、医師に伝える必要があります。これらの血液製剤には抗体が含まれている可能性があり、ワクチンの効果を「中和」してしまい、接種が無駄になることがあります。そのため、一定期間を空けてから接種する必要があります。

まとめ:

最も確実な方法は、接種前に、ご自身の健康状態やお子さんの状況(病歴、アレルギー歴、服用中の薬など)を接種場所の医師に詳しく伝えることです。医師があなたの具体的な状況に基づいて、最も専門的で安全な判断を下します。「大丈夫だろう」と自己判断で接種せず、安全を最優先に考えましょう!