弊社の将来的な成長の原動力は何になるでしょうか?既存事業の深化でしょうか、それとも新規事業の開拓でしょうか?

作成日時: 8/15/2025更新日時: 8/18/2025
回答 (1)

はい、LY社の今後の成長エンジンについて、わかりやすくお話ししましょう。


会社の今後の成長エンジンは何か?既存事業の深化か、新規事業の拡大か?

私の考えでは、これは決して「二者択一」の問題ではなく、「両輪」での戦略活用です。LY社のような規模の企業では、一つの輪だけでは速く走れませんし、安定も得られません。

これは、経験豊富な老舗レストランに例えるとわかりやすいでしょう。


第1の輪:既存事業の深化 —— 看板メニューをさらに磨き、既存顧客の囲い込みを強化

これは「基盤固め」にあたります。LINEやヤフーは日本において国民的アプリとも言える存在で、膨大なユーザーを抱えています。それはあたかも、すでに高い評価と固定客を持つレストランのようなもの。今必要なのは現状維持ではなく、既存サービスをもっと深め、顧客の愛着を高めることです。

どう深めるか?

  1. 「スーパーアプリ」エコシステムの構築:

    • どういう意味? ユーザーが一つのアプリですべてを完結でき、他に出ていく必要をまったく感じなくさせること。
    • 具体例: LINEでチャットするだけでなく、支払い(LINE Pay)、ショッピング、フードデリバリー、ニュース閲覧、資産管理、保険加入…あらゆることをLINE内で完結させる。そうすれば、ユーザーのアプリ滞在時間は増え、収益機会も拡大し、その利便性ゆえに他アプリに乗り換える動機すら失せます。「囲い込みの溝」をより深く掘る戦略です。
  2. AI + ビッグデータによる「高度な個人化(ハイパーパーソナライゼーション)」:

    • どういう意味? 「ユーザー自身よりも、ユーザーのことを理解する」状態を作り出すこと。
    • 具体例: LY社は(数億ユーザーに及ぶ)検索、チャット、購買データを握っています。AIがこれを分析すれば?ユーザーがヤフーで「北海道 スキー」と検索した直後に、LINEがお得な航空券や宿泊プランをプッシュ通知。LINEで友達と「スマホ買い替えたい」と話せば、LINEショッピングで最新iPhoneをレコメンド。このような精緻な個人化は、広告・EC収益を大幅に向上させるだけでなく、「わぁ、このアプリ私のことわかってる!」という体験価値の向上にも直結します。

この輪の核心的な目標は:キャッシュフローの安定化、ユーザー生涯価値(LTV)の向上、既存市場の盤石化。会社の安定成長の基盤であり「弾薬庫」となる領域です。


第2の輪:新規事業の開拓 —— 新たな戦場を開拓し、次の「ヒット作」を探す

既存事業を守るだけでは不十分です。いつかユーザーの好みが変わってしまうかもしれません。だからこそ、新たな可能性を模索する必要があるのです。これは、レストラン経営者が近くに新しくオープンしたトレンディなカフェやバーで、新規かつより若い顧客層を獲得しようとする姿勢に似ています。

どこを開拓するか?

  1. ジェネレーティブAI(Generative AI):

    • どういう意味? 文章の執筆、イラスト制作、動画作成などを支援する、現在最も注目されるAI技術。
    • 活用方法: これはLY社にとって、将来に向けた最大の賭けの一つとなり得ます。既存の検索・広告事業の高度化に使えるだけでなく、全く新しいサービス創出が可能です。例:企業向けのAIカスタマーサポート提供、個人ユーザー向けのメール・議事録作成補助AIアシスタント、LINEへのAIチャットボット統合による「万能アドバイザー」機能など。これはビジネスのルールを根本から変える可能性を持つ技術です。
  2. Web3 と メタバース:

    • どういう意味? 「次世代インターネット」と捉えられ、仮想世界やデジタル資産をより重視する概念。
    • 活用方法: 現状はまだ発展途上ですが、大企業は先行投資が不可欠です。例:NFT(非代替性トークン)事業の立ち上げ、LINE内にユーザーのアバターが交流やバーチャルライブ参加を楽しめる空間を構築するなど。短期的な巨額収益は見込みづらい分野ですが、「未来へのチケット」を購入する意味があり、もしこの分野が成長すれば後れを取ることは許されません。
  3. B2B(法人向け)サービス:

    • どういう意味? 一般消費者だけでなく、他企業からも収益を得ること。
    • 活用方法: LY社が持つ強力な技術力とデータ処理能力を、他社向けのソリューションとして「パッケージング」し提供します。例:中小企業向けデジタルマーケティング支援、データ分析ツールの提供、クラウドサービスの提供など。これは非常に安定性が高く、収益性の良い市場です。

この輪の核心的な目標は:新たな成長軌道の探索、既存事業の不確実性へのリスクヘッジ、次世代においても会社がリーダーであり続けることの確保です。


まとめ

では、最初の質問に戻りましょう:成長エンジンとは何か?

答えは:2つのエンジン(両輪)による推進です。

  • 既存事業の深化 は会社の「安定要因(バラスト)」かつ「血流(供給源)」であり、安定した収入と膨大なデータを提供し、会社に新たな挑戦への余裕を与えます。
  • 新規事業の開拓 は会社の「ロケットブースター」であり、未来の成長可能性の象徴であり、飛躍的な成長を実現する鍵となります。

端的に言えば、LY社の戦略は: 既存の「キャッシュカウ(安定収益源)事業」(LINEとヤフー)が安定的な弾薬とデータを供給し、そのリソースを使って大胆に未来の可能性へ投資・探索を行うこと。ひとつは「今」を支え、もうひとつは「未来」を創る。これでこそ、安定かつ遠くへ進めるのです。

作成日時: 08-15 06:04:00更新日時: 08-15 10:34:15