毎朝、自分の製品に対して情熱を持ち続けるにはどうすればよいでしょうか?

桂兰 李
桂兰 李
Founder of a successful e-commerce business, 8 years experience.

それはほとんど不可能であり、普通ではありません。

製品への情熱を恋愛に例えてみましょう。

最初は、まさに「熱愛期」。頭の中は製品のことでいっぱいで、何を見ても完璧に見えます。新機能をデザインするのは、恋人へのサプライズを用意するようなもの。最初のユーザー登録は、初めて手をつないだ時のように、何日も幸せな気分にさせてくれます。この時期は、毎朝目覚めるたびに、すぐにでも製品のために何かしたいと、うずうずするでしょう。

しかし、時が経つにつれて、「日常」の段階に入ります。

製品には様々な欠陥(バグ)があり、いくら直してもキリがないことに気づくでしょう。理不尽なユーザーに遭遇し、苦労して作った機能に対して罵声を浴びせられることもあります。さらに、真夜中のサーバーダウン、競合他社による模倣、多額のプロモーション費用をかけたのに効果が出ないなど、些細ながらも頭を悩ませる問題に対処しなければなりません。

そんな時、情熱は湧きません。ただイライラし、疲れ果て、人生を疑うことさえあるでしょう。「今日誰が皿を洗うか」とか「またトイレが詰まった」といったことに情熱を感じないのと同じです。

では、何があなたを続けさせるのでしょうか?

それは毎日ある「情熱」(Passion)ではなく、あなたの心の奥底にある、そのことへの「愛情」(Love)と「責任」(Responsibility)です。

  • 愛情とは、あなたがこの製品をなぜ作り始めたのか、その原点です。それは、あなた自身も苦しんでいた問題を解決するためでしたか?それとも、より良い世界を創造するためでしたか?この「初心」こそがあなたの精神的な支えとなります。現実に打ちのめされ、傷だらけになった時、それはあなたがなぜ出発したのかを思い出させてくれるでしょう。

  • 責任とは、ユーザーへの約束、チームへの約束、そしてあなた自身が掲げた目標への約束です。ユーザーはあなたの製品を使っています。彼らが問題に直面したら、あなたは解決しなければなりません。チームはあなたについてきています。あなたは簡単に諦めることはできません。

情熱は花火のように華やかですが、短命です。一方、愛情と責任は、毎日食べる食事のようなもので、地味ですが、あなたを生かし続ける力となります。

だから、毎日情熱に満ちていることを自分に強要しないでください。気分が落ち込んだり、文句を言いたくなったり、諦めたくなったりする時があってもいいのです。これらはすべて、起業という「スーパーマラソン」においてごく自然な一部です。

本当の成熟とは、常に情熱を保ち続けることではなく、情熱が薄れた時でも、愛情と責任によって、なすべきことをきちんとやり遂げることです。たまに、あなたの製品が誰かの役に立ち、心からの感謝の言葉を受け取ったり、チームと大きな課題を乗り越えたりした時、あの懐かしい情熱が充電されたかのように突然戻ってきて、「ああ、これまでの苦労も報われたな」と感じさせてくれるでしょう。